世界王者乱立の日本、旧マニアとしては唾涎ものですが、歴史的な選手といえるのは3人くらいなもんです。
その中で最もフレッシュかつ、無名で先の読めない王者が田口かなとおもう。
魅力ある王者に隠れ、井上や井岡より完全に無名とはいえ、こういう選手の伸び白、将来こそマニアとしては楽しみで仕方ないのだ。
戴冠したアルベルト・ロッセル戦は勝つべくして勝った相手というべきおいしい世界戦だったと断言するが
練習で歯がたたなかった井上の挑戦をあえて受け、敗北するも自らの糧とした田口を個人的には評価しています。
パワーレスがコンプレックスらしくパワーアップに余念がないようだが、ロッセル戦は接戦とはいえ常に田口の方がスピーディーで手数も多かった。このハイテンポな機動力が一番の魅力だとおもう。
初防衛戦はうわさされた相手ではなく、元ミニマム王者のクワンタイとのこと。
クワンタイはタイ人らしく戦績は凄まじいが井岡戦で底が知れた相手だ。
元気に応戦するも突如一発のボディで悶絶、というこれまたタイ人らしいデジャブを披露した。
しかし井岡戦と同じクワンタイかどうかはわからない。もうちょっと我慢強くなっている気がする。
井岡戦後も無敗の同国選手に負けており、体も小さく、田口のよさ、スピードと手数を駆使すれば乗り越えられるだろう。
そして、田口の正念場となりそうなのが、同級暫定王者のランディ・ペタルコリンというフィりピン人
23勝18KO1敗1分
暫定王座の防衛戦をわずか初回で退けた。
このペタルコリンという選手、映像見るとデジャブである。
フィリピンのいかにも素質のあるハードパンチャーだ。
アラ・ビラモア
ロデル・マヨール
マルコム・ツニャカオ
AJバナル
などなど、パッキャオ、ドネアを排出したフィリピンには同じかそれ以上の天才がわんさかいる。
間違いなく強い王者になるかとおもいきや、意外な脆さがあり大成しない、そんなホープが実に多い。
そしてこのペタルコリンという選手もまだその域にいる選手とみる。
自信に満ち溢れ、迷いなく攻めていく。運動神経も優れ、パンチは重くイケイケ、筋のいい本格的なサウスポーだ。
恐らく、才能は田口より上。パンチの重さも全然違う。
しかし、攻めてよしだが守って未知数、耐久力、精神力も試されていない。
叩くなら今がチャンスだとおもわれる。ドニー・ニエテスやジョンリル・カシメロのように一皮むけるかその前に挫折するかの岐路に立っている選手だと憶測。
クワンタイ戦の出来次第ではあるが、突出した武器はなくとも、欠点もない、この階級では体格もよく、12ラウンド動き回れる田口ならきっと青さの残るペタルコリンを攻略できるはずだ。
この俊才、強敵を乗り越えた時、田口は安定王者への道が開ける。八重樫が負けたペドロ・ゲバラやこの階級の第一人者であるドニー・ニエテスに対してもひけをとらない王者になるだろう。
たぶん、田口は一番無名な世界王者だろうが、全てが未知数かつ無限の伸び白を秘めている点でひそかに応援したいとおもう。
ペタルコリンの挑戦を受け、一皮向けて欲しい。こういう無印な選手を追いかけるのはとても面白い。