西岡利晃VSラファエル・マルケス

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この試合は自分のボクシング観戦歴の中でのハイライト、ひとつの到達点でもありました。
マスコミの扱いや知名度はわかりませんが日本ボクシング史上頂点ともいえる舞台ではないでしょうか。

ラスベガスMGMのメイン、メキシコ陣の解説はチャベスとバレラ、そしてバレラのトレーナーであった田中氏は西岡陣営におりました。彼らはどんな解説をしたのでしょうかね。

メキシコ陣に9戦全勝、ジョニー・ゴンザレスを左一撃KOしエルナンデスの顎を砕いた西岡に対する対策と警戒が非常に強いと感じたマルケスの戦いぶりでした。自分から仕掛けて打ち合いに持ち込むマルケスのスタイルですが、西岡の左を徹底警戒、得意な左フック、右ストレートも封印し「この試合は落とせない」「何がなんでも勝つ」という意気込みを感じる慎重ファイトでした。

有効なパンチの交換はなくとも緊張感のある序盤、バランスのいい両者、特にマルケスの慎重なジャブからの組み立てに予断の許さない展開で数値ほどに身長差を感じない、マルケスが大きくみえる序盤でした。

警戒のあまり右を出せないマルケスに対し、西岡は左を積極的に使っていました。ストレートが駄目ならそれとみせかけたオーバーハンドレフトでマルケスの側頭部を打つなど変化で多彩な西岡の左、頭しか意識ないマルケスに比べ得意のボディストレート、接近すれば左ショートなど西岡の方が多彩にパンチを散らせていきました。

中盤から西岡の攻撃のバリエーションがマルケスを凌駕しはじめます。クリーンヒットではなくてもキレと破壊力ある西岡のパンチにやや消耗したかマルケス、印象的なパンチのヒットで明らかに西岡が上回りはじめました。

ここでバッティングにより西岡の頭が流血、そこをついてマルケスはいつもの本能で襲いかかってきましたが西岡が逆に反撃

後半から終盤は拮抗した展開ながらも西岡の積極性と左パンチの有効打が目立つ展開でそのまま終了。
この時間帯は西岡の方が大きく見えました。マルケスの背中が丸まってきたのでしょうか。

緊張感のある12ラウンドでしたが歴戦の雄マルケスをしても西岡の安定感、多彩なパンチが明らかに上回った12ラウンドでした。

ジョニー・ゴンザレスをKOしたあたりから西岡のバランス感覚、ポジショニング、体幹などは向上しており素晴らしい完成度になってきました。世界のベストファイター相手にもポイントゲームが出来、レッスンを施すかのようなスキル、痺れます。

あの激闘王マルケスがらしさを出せず完封されたのをはじめてみました。この試合はもしかしたら派手な倒しあいを望む本場のファンにはアピールに足りなかったかもしれませんが王者として隙がなくパワーとスキルをみせた西岡のアピールには十分だったでしょう。

パッキャオ、ドネアに次ぐアジアの超強豪ここにありを見せつける風格ある勝利でした。

感無量、西岡とともに歩んできたに等しい自分の観戦キャリアももう満たされた。区切りだともおもえる充足に満たされました。
どんな物語にもエンディングはありますが、そういう壮大なストーリーを読み切ったかのような充足感に満たされた試合でした。
本人よりファンが緊張していたであろう試合で歓喜とともにぐったりと幸せな疲労感も感じました。

西岡はおそらく現役日本人ボクサーの中でも最古参のキャリア豊富なベテランだとおもいますがその男がまさに日本の頂点に君臨しラスベガスの舞台で雄姿をみせつけました。全ての日本人ボクサーの鏡であり誇りであろうとおもいます。
本人の口からも出ておりましたが「俺はやったぞ、みんなも後に続け」まさにそうあって欲しいです。

試合後本田会長から微妙なコメントが出ておりましたが、最後にそういう舞台が待っているならまさにエピローグでしょうか。
P4P最強、未来のボクシングを担うような相手(ドネア)ではありますがその対戦者に最もふさわしいと世界中が納得のパフォーマンスであったとおもいます。

ただ西岡のボクシング自体は進化、成長を続けていますよ、熟練ともまた違う、今まさに強くなってます。

既定路線だとはおもいますがドネアVSナルバエスもよりいっそう非常に楽しみですね。
体格もスタイルも多少違いますがナルバエスもオールラウンドで穴のないサウスポーです。

最後に最高の至福の余韻とともにこんな舞台に出ても恥ずかしくない選手として長谷川がよぎりました。
本場ファンを魅了するであろうハイスピード、日本で防衛重ねていたころ、メキシコ陣に不覚をとった昨今、長谷川に西岡のような冷静さ、ポジショニング、ガード、組み立てのようなものがあれば再びトップシーンで輝けるだろうにと夢をみてしまいました。
西岡とともにドネアやアルセの眼の前で長谷川見せたかったな。
誰もがこの男もドネアといい勝負するんじゃねぇかとおもわせるものを持っているとおもいます。
そしてアルセはやばい、相性悪すぎと舌を巻く?

ロマゴンより前座は遅刻してハイライトしか見れませんでしたが帝拳全勝でしょうか。

亀海はやはり独自のスタイルです。この階級で猛者に渡り合うために徹底して取り組んだスタイルでしょう。テクニカルではありますが接近戦でのドツキ合いをするボクシングでスタイリッシュなアウトボクサーでは決してありません。
このスタイルに可能性を感じますがトップレベルにどう通用するのか未知数ではあります。

今日はブログで有名なGO!さんのお誘いで水道橋Gloveで観戦仲間のチャベスのボディブローさんと共に観戦しました。
歴史の瞬間を共有できて幸せでした。

ありがとうございました。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=5V2Pr-vjWzo&feature=related[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=fp9g4j8WFP0&feature=related[/youtube]
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[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Y4nRJ50E0pQ&feature=related[/youtube]

11件のコメント

  • ブリブリボクシングファン

    最高!!!ただそれだけです。
    3、4ラウンドあたりはマルケスのパワーが目立ってきてましたが、
    あそこからペースを奪い返すメンタルは
    驚愕ものです。
    歴史を作ってくれたな~西岡選手!
    リアイルタイムで見れる時代に生まれたことに感謝です。

    マルケスのパワーもやはり素晴らしかったです。

  • プクー

    ブリブリボクシングファンさん

    AにカバジェロCはバスケスとラファマル、バスケス休養のうちに獲った暫定王座、あの頃を振り返ると感慨ひとしおです。時を経て総合力を上げ、モンスターのようなマルケスのパワー、体力にひけをとらなくなっていたのが頼もしかったです。
    ファンマ戦より見せ場も作れずじまいでしたね、マルケス、まぁ未だ強いのはよくわかりましたが。

    こんな日が来るとは。

  • box love

    本当にラファマルに勝ってしまうとは。西岡さんはもう完成したのではないのでしょうか。会長は次で引退してほしいとコメントしてましたが、次戦がドネアであるなら集大成としてはこれ以上ないものだと思います。ともあれ日本のボクサーが世界の真のトップレベルを撃破した興奮が冷めませんね!ドネアとの試合が確定すれば、日本ボクシング界の歴史の頂点でしょう。この時代に生きてて良かった!

  • box

    序盤のマルケスの慎重差と予想以上に伸びるジャブが驚きましたね。あのジャブの伸びは凄いです。さすがメキシカンです。
    西岡も負けじと左で応戦しますがなかなかあたらず4Rくらいまでは拮抗していましたが、自分的には微妙にマルケスがポイントリードだと思っていましたが、ですが西岡のテクはすごいですね。中盤からの左の精度が格段に上がりました。
    あのマルケスをここまで抑えることは尋常ではありません。それほど西岡の左を警戒している。もはや世界が西岡の左にビビってると言っても過言ではありません。嬉しいですよね。西岡が世界に通用することが証明できて。
    それに香川さんも泣いて喜んでいましたね。やっぱりあの人の実況も最高です。
    やっと日本のボクシングが世界の第一線で通用するこどが本場で証明されました。この試合のおかげで日本のボクサーがもっと第一線に絡めるいい機会になればいいですね。
    ドネアも次の防衛戦が終わったら返上して西岡とやりたいと言っていましたし。次の防衛戦はドネアが濃厚ですね。
    そんなことが決まったらもう大変ですよほんと。本当に生きてるうちに西岡が見れて幸せです。

  • プクー

    box loveさん

    ラファマルのタイトルにかける執念と西岡への警戒が感じられる展開でしたね。
    メキシカンに相当研究、警戒されてますね、ジョニゴンKOの残像がすさまじいのでしょうね。
    メキシコ陣営の解説とか聞きたかったです。
    メキシコはモンティエル筆頭に妥当西岡熱すごいでしょうね。

    西岡ボクシングはもう完成したような気がしますがあのラファマルが後半効いてる感じで苦しそうだったのでもっとまとめれば倒せてたかもしれませんね。それくらい貫禄ある形で勝てました。
    まだまだ成長しててすごいです。

    boxさん

    強敵相手のラファマルは打ち合いすぎて両者ボコボコになること多いですがそういう打ち合いにすら持っていけませんでしたね。西岡のダメージも少なくてよかった。逆にいつもほどボコボコになってないもののマルケスもいっぱいいっぱいなのだなぁと感じた後半でした。

    次ドネアとか夢の世界ではありますが今はただ観戦した僕でさえ疲れきってしまいました。
    もう、おなかいっぱいです。

    そして周りが煽ってるだけで本人に油断はないでしょうが、西岡だ、4階級だとかいう前に眼の前のナルバエス戦、これに自分は注目しています。無敗で18度防衛のナルバエスが完全アンダードッグ、ドネアに比べマスコミも注目なしの寡黙なるベテランの矜持が楽しみでなりません。

    香川さんが報知新聞でドネアの唯一試されてないアゴを指摘してて西岡の左は強烈だぞと書いてらっしゃいまいたが
    まだ見ぬドネアの底をナルバエスが見せてくれんかなぁ。

    今日も余韻で仕事に手がつきません。

  • ともきん

    いい試合でしたね。本田会長のコメントが水を差しましたが。

    次の試合が勝っても負けても引退だとしたら、モチベーション上がるんでしょうか?

  • プクー

    ともきんさん

    そうであっても言わない方が・・・とおもいました。
    逆に勝っても負けてもみたいな境地になりそうで嫌っす。

  • ご多忙の中、来て下さって本当に嬉しかったです!お会い出来て光栄でした!!西岡チャンプがウィラポンに勝てない時、IBFで輝いていたラファエル。本当、何があるか分からないもんですね!そしてあのボクシングをして勝つとは…お手上げです(笑)ウィラポンIVで完敗した時に…誰が想像したでしょうか。本当にもの凄いストーリーですよねぇ…。まだ続きがありそうですし、ファンとして又楽しみましょう!今後とも宜しくお願い致します。

  • プクー

    Go↑さん

    ブログでの告知ありがとうございました。
    一人固唾をのんでみるところを等身大のような巨大画面で楽しく観戦できました。
    ウィラポンも喜んでいるだろうなぁとおもいました。
    この人も全盛期に本土に出ていれば・・・

    ドネア、ドネア、アルセ・・・と声高いですが
    西岡にはとりあえず休んでもらって

    ナルバエスとバスケスジュニアを応援します。

    また機会があればゆっくりお話したいです。

    ありがとうございました。

  • anonymous

    最高の夜でしたね。
    中立の立場で観戦をした人にとっては白熱した打ち合いが少なく物足りなかったかもしれませんが、戦術的に高度な試合であったと感じました。我々にとっては(も)12R気の抜けない張り詰めた試合でしたね。観戦後に自分もどっと疲れました。
    西岡は一戦ごとにクオリティを高めているのは確かで、本田会長の次で最後という発言の裏には重大な怪我や負傷があるのではないかと勘ぐってしまいます。
    しかし、本当に次を最後で締めるならドネア以外の相手は意味をなさないと思います。ドネアに比べたらアルセもダルチも格落ちしてしまいますからね。
    しかしこれだけ完成度の高い選手、もっと長く見ていたいと思うのは我々ファンのワガママなんでしょうかね?
    長谷川だってまだまだ見ていたいです。西岡がこれだけやったのだから彼の心にも火がついたと期待したいです。
    西岡の戦い方は一発で散った長谷川や下田にとって参考になるでしょうね。ほんと、日本のボクサーに後に続いて欲しい限りです。
    西岡利晃のファンでよかった、本当にありがとうと言いたい気持ちです。

  • プクー

    anonymousさん

    関心するのはテクニックはもちろん、パワーでも負けてないところでした。
    昔の西岡なら左一発の期待があってもパワー差、体力差で弾き飛ばされるかとおもい不安がありました。

    これは時間をかけて体力つけて体幹やポジショニングを意識した、本人の言うとおり
    「ボクシングを極める」という理念に取り組んできた結果でしょうね。

    スピードキングだけならもはや長谷川や下田の方があてはまるかもしれませんが
    突出した武器だけじゃなく総合力の備わったモンスターレフトになったなぁとおもいます。

    正直おなかいっぱいで次とか期待する気分にないですが許されるならラスベガス行って応援したいです。
    ぶっちゃけTVの方が見やすいんでしょうけどね。