やはり予想通りの結果になってしまいました。今後、こういう世界戦の機会は訪れるとおもうので、そういう時にどうすべきか課題になりそうです。
大差判定負けでしたが、僅差の積み重ねで各ラウンドに大差があったわけではありません。ヤファイのホームである上、アマ仕込みの見栄えの良さと打っても倍のリターンを返されてポイントを奪取したといえるほどのラウンドを作れなかったのが大差の理由でしょう。見栄え、華麗差です。
https://youtu.be/fKJmEfypR7M
村中のコンディションや戦術自体はよかったとおもいます。願わくば戦術変更やメリハリが欲しかったけど。ずっと同じ展開だったかな。
エリートヤファイの地元での初防衛戦。村中からオファーしたというよりヤファイから声がかかったから実現した試合でしょう。上位ランカーの中でも一発の怖さのない選手がアウェーに呼ばれることはタイ含めよくある事です。受ける側からしたら少ないチャンスで勝ち目が薄くても受けるのが当然、これが主に日本勢がタイで負け続けている実情のようです。
ヤファイもそうだし、先日書いた比嘉VSエルナンデスの次の刺客、アンドリュー・セルビーなどは、もっとアマの貯金で戦っているような見栄えのよさと一流の技術を持った選手です。けれどプロとしての力強さやパワーは感じません。ゾウ・シミンで証明されたように非力なトップアマには怖さがありません。
ヤファイには倒せない、あるいは勝てると踏んだら判定で逃げ切るようなしたたかさがあるような気がします。アマスタイルが抜けない、プロ向きなパワーがないとも本気を出せばもっと圧倒できる余裕も同時に感じるのでヤファイはこの程度だと断定することもできません。この人もまた、少なくともアマ時代は井岡や井上より上の世界で活躍してきたであろうテクニシャンですし。
村中は一歩も引かずよく戦いましたが、応戦だけで山場を作ることが出来ませんでした。ヤファイがこのくらいの実力者である事は想定内であったとおもいますが・・・村中にパワーがあればなぁというシーンもたくさんありヤファイも被弾はしています。
英国を中心に決して多くはないですが、軽量級でもトップアマがプロ化しそこそこ盛り上がっているようなので、今後、アウェーでの不利な試合の機会も増えるでしょう。
東南アジアや中南米を中心に、全て日本開催で相手を選り好みして行う世界戦よりは個人的にはましな状況です。その中で、見栄え良いトップアマ上りを下して番狂わせを起こすには、フィリピン人のような空気を読まない強烈な一発パワーが欲しいですがそれも難しい。
アウェーで李列理や小国のような試合をみせても判定負けになる可能性もある。岩佐のように技術優位で挑んでも一発で呑み込まれてしまう。全く食わずに圧倒できるほどのスキル自慢は日本ではまれです。技術勝負だけでも勝てません。
ならば、高山のようにパワーレスを手数とアグレッシブで相殺しておつりが来るような激闘や三浦のように文句なしにKOで決める
しかないでしょう。
そのためには、己のストロングポイントを磨いて極端な戦術で挑むしかないとおもいます。総合力で挑んでもなかなか勝つまではいきません。
山中や井上や田中のような選手が海外で戦う姿を本当は観たいですけどね。やっぱり誰がみても圧倒かKOしないとパッキャオのようにアジアから世界に飛躍できないのでしょう。
勝つんだだけじゃまだ足りず、世界が驚くような、年間最優秀試合みたいな試合をしてくるんだという気概が必要だとおもいます。たとえ勝てずともこの選手はまた観たいぞとおもわせるくらいの爪痕を残したいものです。
どっかで読んだ程度の話ですが、ヤファイも今後はロマゴンやエストラーダなどのビッグネームサークルに加わって勝負したいそうです。日本の井上の事を聞かれると
「よくは知らないがとてもいい選手であると聞いている(あるいはそう認識している)」程度でありました。
僕らはヤファイより井上の方が全然強いとおもってますが、世界の認識だとこの程度なのかな。ヤファイを日本に呼ぶことは難しいでしょうね。ならばこっちが海を渡ろうよ。