アフリカを背負って/リチャード・コミーVSレイムンド・ベルトラン

今週はいつもの日曜日ではなく、月曜日にチャーロやリコンドーの試合が組まれた。週末もサタデーナイトだけではなくフライデーナイトにも重要な試合があります。日本の岡田博喜を倒したレイムンド・ベルトランが世界戦の権利をものにしました。ここ数年、王者になったり陥落したり、浮き沈みを経験してきたベテランですが、結果を出せばチャンスを与える、米国、トップランクはこうした公平さも持っている。

そして、王者のリチャード・コミー、ガーナ発英国経由アメリカ、ロシアでも戦った。かつて無冠の帝王といわれた苦労人は不運な敗北を経て遂に世界王者に到達したが、その周囲は険しい。ベルトランを阻止しても、P4Pナンバーワンの統一王者、ワシル・ロマチェンコから、そして米国最大のプロスペクトといわれるテオフィモ・ロペスの最初の獲物として、コミーの虎の子の王座は常に狙われている。

今週金曜日(日本時間土曜日)カリフォルニア州テメキュラでIBFライト級王者のリチャード・コミーは元王者のレイムンド・ベルトラン相手に初防衛戦を迎える。

コミー
「ベルトランのような有名で経験豊富なファイターと戦うことにエキサイトしている。かつてのスパーリングパートナーのリッキー・バーンズがベルトランと戦った試合を覚えています。正直にいえばベルトランが勝ったとおもいました。

トップランクの元、自分がただのお飾りの王者ではない事をアメリカ国民に示します。

ベルトランは全力を尽くす知的なファイターです。ホセ・ペドラサ戦も競ったものだったし、そのペドラサはロマチェンコに敗れた。それらの試合を分析し綿密に勉強します。」

ベルトランは1999年にプロ入りし茨のキャリアを歩んできたがマニー・パッキャオのスパーリングパートナーとして頭角を現した。いくつかの不運な敗北を経てWBO王者になった。昨年はメキシコ移民として世界王者になる事でアメリカのグリーンカードを取得した。

コミーは今年2月にイサ・チャニエフを2回TKOで下しIBF王者になった。
彼の人生で最も大事な瞬間だった。

コミー
「それは全てを意味しました。とても困難な道のりでした。ガーナから英国に来て、平凡なファイターであれば(カマセ犬として)多くの試合に恵まれ、敗北し忘れ去られたことでしょう。でも評判が高いとみんな私を避けて誰からも相手にされませんでした。ビッグプロモーターと契約した後も、ロバート・イースターと戦うまで大きなチャンスには恵まれませんでした。私は常にBサイドにいたのです。だから世界王者になれた事は私にとっては全てを意味するのです。マネージャーに感謝せねばなりません。」

コミーは本来4月にWBA/WBC統一王者のワシル・ロマチェンコとの統一戦が予定されていたが、チャニエフ戦で右手を怪我し計画はキャンセルされた。

コミー
「ほろ苦い経験です。私は神を強く信じています。神はそれが正しい時ではないと告げたのだとおもいます。右手は今は大丈夫です。ガーナに戻る前にニューヨークで検査したら腱を損傷しているというので6週間から8週間は時間がかかるといわれましたが手術はしていません。ガーナでは4月からトレーニングを開始しました。さらに検査を重ねて6月下旬から7月上旬には試合ができる状態になりました。これが今の状況です。試合が待ちきれません。」

祖国のガーナではコミーは盛大に祝福された。

コミー
「地元のレセプションは信じられないほどでした。故郷であるブコムでは何百人もの人に迎えられました。地元の多くの人々に幸運をもたらした事は感動的で刺激的でした。大統領にも接見しました。とても名誉な事でした。」

コミーのマネージャーは今後の予定について語った。

アムー・ベディアコ(マネージャー)
「7月19日にテオフィモ・ロペスが中谷正義と戦います。この試合の勝者がコミーの次の相手になるでしょう。それらの試合をクリアしたら、P4Pのワシル・ロマチェンコとの統一戦です。これは私やリチャードの意思でもあります。」

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強く個性的なアフリカ、ガーナのボクシングの伝統をもっても、今となってはなかなか世界王者を輩出するのが難しい中、アイザック・ドグボエが歴史を変えるべく台頭したが、メキシコのエマニュエル・ナバレッテという無名の強豪に全てを奪われてしまった。

残る最後の砦がリチャード・コミーだ。

体格もよくパンチも強く28勝25KOと8割を超えるKO率を誇るガーナ人らしいファイターだが、初の世界戦でロバート・イースターに、次戦でデニス・シャフィコフに連続してスプリットで敗れ夢が大きく後退した。

アフリカ人ボクサーらしく強いが故に相手に恵まれず、英国でくすぶり、いきなりの本場米国で相手のキャリアや総合力が髙過ぎた、コミーはやや粗く、素材、才能だけで対抗していたような気がする。

それでも諦めず厳しい相手に勝ち続け悲願の王者となるも、一息つく暇もなく強豪に囲まれ、コミー陣営自らが一息ついたといえそうな怪我によるリフレッシュでもあったような気がする。いきなりロマチェンコと言わず、初防衛くらいさせて欲しい、王者でいさせてくれ。ガーナ唯一の希望なのだから。

そんな気持ちを感じてしまう経緯だが、ようやく迎える初防衛の相手、ベルトランは歴戦の猛者であり、テオフィモ・ロペスVS中谷正義の勝者だって楽ではない。

そして迎える究極のロマチェンコ

コミーでは太刀打ちできない、絶対負けるとは言えない。体格もパワーもロマチェンコよりある。

かなり過酷な王者を取り巻く状況に抗い、ベルトランを倒し、できれば絶好調のテオフィモ・ロペスの鼻を明かすところまで大暴れしてくれると大いに溜飲が下がる想いだ。

もちろん、テオフィモ・ロペスじゃなくて中谷になって欲しいんですけどね。

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日本時間土曜日のリチャード・コミーVSレイムンド・ベルトラン
これは激しいノックアウト勝負になりそうです。

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