最初で最後の2020/井上尚弥VSジェイソン・モロニー

個人的にはジェイソン・モロニー(陣営)が直ちにこの試合を受けるかどうかが一番気になる。

IBF・WBAバンタム級王者井上尚弥とWBOトップコンテンダーのジェイソン・モロニーが、今年中にESPNかESPN+で戦うことを交渉中だ。トップランクはこの試合を最終的に決定したいと考えている。

井上VSモロニーはファンが待ち望んでいた試合ではない。WBOバンタム級王者ジョン・リエル・カシメロとの対戦こそ望まれた試合だが、それに代わる試合としてはまともな組み合わせといえる。

モロニーには荷が重すぎるとおもわれ、チャンスがあるとすれば、モロニーは井上が本格的に攻撃を仕掛ける前に捕らえる必要があるだろう。モロニーにとっては、昨年11月に井上がノニト・ドネアを相手に苦戦したことは朗報だが、だからといってうまくいくとは限らない。

29歳のオーストラリア人モロニー(21勝1敗18KO)は、2018年10月にエマニュエル・ロドリゲスに12ラウンドのスプリットディシジョンで敗れて以来4連勝中だ。ほとんどが格下の相手だが、しっかり仕事をこなし、ロドリゲスに対する敗北から抜け出そうとしている。

WBOランク1位、WBAランク3位、IBFランク4位、WBCランク4位のモロニーは、井上に問題を与えかねないパワーとファイトスタイルを持っている。

ただひとつわからないのは、無敵の「モンスター」井上(19勝0敗、16KO)の支配力に、モロニーがどれだけ対応できるかということだ。もしモロニーが日本人ノックアウトアーティストからパワーを奪えなければ、長続きしないだろう。

モロニーの最近の4試合の対戦相手は以下だ。

レオナルド・バエズ
ディクソン・フローレス
グッドラック・ムレマ
クリス・パウリーノ

モロニーのプロキャリア6年目の最高勝利は、2018年5月の元WBAスーパーフライ級王者・河野公平との対戦だった。6回で河野を止めた。しかし、全盛期の河野ではなく、彼のキャリアは既に下降線をたどっていた。

昨年11月に元4階級世界王者ノニト・ドネアに12ラウンド全会一致の判定勝ちを収めた27歳の井上は、これが8年間のプロ生活の中で最もハードな試合だった。この試合では眼窩骨にヒビが入り、切傷を負うなど、プロで最も過酷な試合となった。ドネアが投げたショットの中には、わずかに芯を外したものも多かったが、着弾していたら終わっていたかもしれない。

37歳のドネアにはまだパンチ力はあるが、ショットの精度は落ちている。

キャリアの初期の頃ならば、ドネアはもっと正確で鋭いショットを繰り出していただろうし、井上もただでは済まなかっただろう。ドネアは再戦を望んでいるが、井上は試合で受けた怪我を治癒し、別の方向に向かっている。

https://www.youtube.com/watch?v=imZlmThh0_o

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これが自然な流れだとしたら、カシメロ(陣営)はファイトマネーの減額を拒んだということになる。井上とビッグマッチが出来るのは光栄だが、負けるリスクが高いので、金は妥協できないという本音となる。

記事にはこう書かれているが、個人的にはジェイソン・モロニー(陣営)がこの試合を受けるかどうかが一番だ。ビッグチャンスであると同時に、勝利、悲願の世界王者の夢はかなり険しい道となる。

WBSSでは誰よりも気持ちの強さを感じたジェイソン・モロニー、予想に反しエマニュエル・ロドリゲスにはあと一歩まで肉薄したが、拳を怪我し、しつこくボディを食らいながらも捌ききったロドリゲスでも、井上尚哉のミサイルには吹きとんでしまう。ボディも一撃で悶絶の苦しみだ。モロニーはKO率は高いが、井上とは突破力、破壊力が決定的に違う。

井上戦後1試合もできないロドリゲスに比べ、モロニーは4戦、着々と試合をこなし準備を整えてきた。対する井上は1試合、ドネアとの決勝、激闘、怪我明けとなる。記事で気になるのは、昔のドネアだったら井上はやばかったのではないか、やはりドネアは偉大すぎる、そこだけは共感する。

コツコツと勝ち続け、WBAレギュラー王者まで上り詰めたアンドリュー・モロニーが、伏兵のジョシュア・フランコのフィジカルと精神力に潰されたように、どんなに勤勉に課題をクリアし勝ち続けてきても、ジェイソン・モロニーでは井上尚哉には歯が立たないというのが本音だ。カシメロのような得体の知れないパワーはない。

それでも、ジョン・リエル・カシメロ戦が組めない以上はこれが極上の対戦、願わくばとっとと決まって欲しい。

ジェイソン・モロニーは賢いはずだ。
陣営も賢いだろう。

その上で、今すぐこの試合を受けるだろうか。29歳、キャリアとしては今がピークかもしれない。
井上にとってはWBSS、2度目の準決勝といったニュアンスだ。あの時の相手がジェイソン・モロニーでもおかしくはなかった。

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コメント一覧
  1. タフな選手だから善戦はしそうだけど、勝つビジョンが浮かばない

    ドネアは周知の通り必殺の破壊力があって
    ネリーにはお薬パンチがあって
    カシメロにはアムナットみたいな技巧派のディフェンスを一瞬で台無しにする圧倒的オフェンスがあるわけだけど、モロニーにはそういうのがない

    倒せないなら倒せないで判定で勝てばいいけど、井上相手にポイント取るって至難の技
    リゴンドークラスの技術があればいけると思うけど、もちろんモロニーにはそういうのがない

    井上対田口の焼き直しみたいな試合になるのではないだろうか

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  2. みんな言うけど、エマロドに苦戦したマロニーが、チャンスとはいえ井上を受けるかどうかだよね。伊藤雅雪がロマチェンコを受けるかみたいなね。

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  3. モロニーは弱いとは思わないけど、ネリが9R掛ったパヤノに楽勝出来る気もしない。高いKO率も対戦者の質で変わりますし。この試合が決まったとして心配になるとしたら井上選手のコロナ下での調整やけがの回復と影響、初めての無観客試合や無いと思うが統一戦じゃなくなった事に対するモチベの低下などの井上選手側を取り巻く状態や環境の方ですね。まぁ本人が楽しみにしててくれとわざわざ言ったので全く問題ないと見てますが。

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  4. 海外の記事で河野を肯定的に、しかも全盛期にはモロニ―以上だった風にというのは素直に嬉しい。

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  5. とりあえずドネア戦で懲りたんで、あんまり楽観、楽勝ムードは作りたくないですね。

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  6. 21勝18KOほどモロニーはKOパンチャーではない。
    井上の楽勝とか相手にならないとかそんな事はいわない。
    清き正しき挑戦者である。

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  7. サリドはそもそも最低限のルールである体重を守ってませんけどね
    スルタンはきちんと体重は守った上でルールに違反せず試合してます
    同じ負けでも全然状況が違いますし、それを同一視するのは可笑しいです

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    • 片方の選手がルール守れてないのに、本来勝敗を付ける事が可笑しい
      スポーツの勝敗はあくまでルールの範囲内で決める物のはず
      ルールを破っても勝てば良いなら、それは喧嘩や戦争と何ら変わらない

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  8. いつもながら「○○に負けたから大したことない」理論の人はいなくなりませんね
    そういう人はロマチェンコも「サリド程度に負けてるから大したことない」んですかね?

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  9. モロニ―は賢くラウンドが進むにつれて井上を攻略出来る選手だと思う。
    問題はモロニーの耐久力。多分、攻略する前に沈むと予想
    でも井上もテテのように負傷して尚且つ試合間隔がかなり空いての試合なので、
    何が起こるかは分からない怖さはあるので、面白い試合になると思う

    とにかく試合してくれ~

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  10. カシメロはスルタンに負けるような選手だし強いとは到底思えない
    モロニーの方が普通に強いのでは?

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  11. 結局モロニーで決まりですかね…。カシメロの得体の知れない強さに惹かれていたのでちょい拍子抜けです。モロニーには申し訳ないですけど、結果が見えてしまう…。

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