10月はロマチェンコVSロペスはじめ、2020年最高の月となる。
コロナでなければ、無観客でなければ・・・
あの熱狂は再び取り戻せるだろうか。
ハロウィンよりも、モンスターがシン・シティ(欲望都市)を席巻する可能性が高い。
井上尚弥はついにトップランクのファイターとして待望のデビューを果たし、キャリア初のラスベガスで戦うことになる。試合は、統一バンタム級王座防衛戦として、オーストラリアのジェイソン・モロニーが相手となる。10月31日にESPN+でMGMグランド・カンファレンス・センター("ザ・バブル")から生中継される予定だ。
井上(19勝16KO)にとって不測の事態で、横浜出身のパウンド・フォー・パウンドの才能で3階級王者でもある彼は、フィリピンのジョン・リエル・カシメロと3つ目のベルト統一戦で対戦することを予定していた。4月25日にラスベガスのマンダレイベイで行われる予定だったが、現在進行中のコロナウイルスの流行のために中止となった。
昨年11月に埼玉で行われたファイト・オブ・ザ・イヤーの激闘でノニト・ドネアに12ラウンドで勝利して以来、井上は棚に上げたままになっている。この快挙により、井上はバンタム級のベルトを2本獲得し、トップランクとの共同プロモーション契約に至った。
カシメロとの試合は消えたが、代わりにカシメロは9月26日のショータイム・ペイパー・ビューのイベントでデューク・マイカを相手に防衛戦をすることになる。
井上が1年のブランクを余儀なくされている間に、他のバンタム級ランカーたちが出番を熱望してきた。
モロニーはワールド・ボクシング・スーパーシリーズ・バンタム級トーナメントにも出場しており、2018年10月の準々決勝でプエルトリコのエマニュエル・ロドリゲスにスプリット判定で敗れている。ロドリゲスは準決勝で井上と対戦し、2ラウンドに3度のノックダウンを奪われ敗退した。
一方、オーストラリアのモロニー(21勝1敗、18KO)はトップランカーとして再浮上。キングスクリフ出身の29歳のモロニーは4連勝中で、双子の弟アンドリューは元スーパーフライ級王者だ。2人はこの6月にラスベガスでデビューを果たしており、どちらも今回のタイトル戦が行われる会場で戦った。
アンドリュー・モロニーは6月23日にサンアントニオのジョシュア・フランコに12ラウンドの判定負けを喫し、キャリア初の敗北を喫してラスベガスを後にした。その2日後の夜、ジェイソン・モロニーはメキシコのレオナルド・バエズを7ラウンドで一方的に止め、アメリカでの初勝利を収めた。その夜以来、次の試合は世界タイトル戦にしたいという思いが強かった陣営は、カシメロや井上陣営と交渉を続けていた。
ジェイソン・モロニー
「井上とカシメロ、どちらと戦うかなんてどうでもよかった。でも、正直に言うと、井上と戦えるなんて夢のようだ。」
ようやく正式決定となった。
井上の敵はコンディションだけだろう。
10月になれば私の冷めきったボルテージも上がるだろうか。
その前に今月、様々な世界戦の中でも特に、ジョン・リエル・カシメロとルイス・ネリーには注目せねばならない。
この感覚にはデジャブがあり、昨年も、ドネアとの決勝を前に
ルイス・ネリーVSエマニュエル・ロドリゲス
ゾラニ・テテVSジョン・リエル・カシメロ
に胸をときめかせていたが、ネリーがあっけなく裏切った。
今回ばかりはSバンタム級、体重超過はないだろう、ドラッグまでは想定できない。
そしてジョン・リエル・カシメロ
井上との対戦は未来の巨額ファイトに残しておこう、PBCとの契約、あるいはルイス・ネリー、こっちも同時に追いかけようという算段だとおもうし、調査済みなのだろうが、デューク・マイカは未知数なところがある。
24勝19KO
ロンドン五輪ガーナ代表で1回戦を勝ち抜いた彼は、同じくロンドン五輪で初戦に清水に敗れたアイザック・ドッグボウと記録では変わらないか上をいく。動画を見る限り、ドッグボウほどの脅威は感じないが、下地のしっかりしたアフリカンは色々と未知数だ。
カシメロには実績と勢いがあるが、スタイルが雑なので判定で危ういところがある。
勝って当然といえぬ相手だろう。(それでも充実のカシメロ勝利を支持するが)
ジェイソン・モロニー
優等生タイプにしてボックスもファイトもできる万能型、何より意思、気持ちが強い。これがボクシング人生究極のステージになる。的確な戦略も練ってくるだろう。WBSSでは一番の無名出場だったが、ロドリゲスにあの内容は単なる負けと片付けられるものではない。この困難な時期に4連勝4KOも記録している。井上と戦う舞台でも勝利している。
両者を知る男に日本の河野公平がいる。
井上には6ラウンドでストップ負け
モロニーにも6ラウンドに負傷ストップ負け
きっと河野はこう言うだろう。
「井上君の方がケタ違いに強い」
だからこそ、勝敗は蓋を開けてみないとわからないということにしておこう。