![雑草よ燃え尽きるまで/河野公平VSジェイソン・モロニー](https://box-p4p.com/wp-content/uploads/2018/04/jk.jpg)
内山が正式に引退し、ジムの看板は田口や京口へ・・・しかし河野公平がまだここにいる。辞めるのはまだ先だ。
33勝(14KO)11敗1分 37歳
井上尚弥に生涯初めてKO負けをして、完全燃焼のプロキャリアを全うしたようにおもわれたが、以前計画されていた香港のツォーとの試合が現実味を帯びたため、現役続行を決意した河野、これは負けの多い元王者を踏み台にしたツォーの思惑入りの試合である。
試合は煮え切らぬものだった。
見栄えで勝り、ホームであるツォーが採点優遇されるも、100戦練磨の河野にはツォー程度の攻撃は効かない。徐々に荒っぽい河野ペースになり、ツォーはアップアップのジリ貧、もう河野の逆転しかない状況になると、ツォーの顔面崩壊により救済負傷判定へ・・・
僅差でツォーに勝利を盗まれた試合となった。
観ているこちらも、これで引退はできないなぁ、不完全燃焼だ、かといって人気者ツォーとの再戦は難しそうと感じた。現にツォーは井上が階級アップにより王座を空けたにも関わらず、己の限界を知ったのだろうか、河野に懲りて?畏怖して?ボクシングを離れてしまった。再浮上は厳しいだろう。
あの試合は河野の勝ちパターンであった。
そして、今回、ツォー戦以上に完全高級かませ路線である。場所は相手の地元、世界を目指す無敗ホープの踏み台にセットされた。
ジェイソン・モロニー
16勝13KO
オーストラリアのトップアマ出身でかつてはSバンタムでやっていた。双子のアンドリューも無敗ホープ、かつて日本の高橋竜平を下した事もある。
https://www.youtube.com/watch?v=Fg2D0vPcRO4
際立ったものは感じないが、アマ上りらしい教科書のようなエリートボクシング。運とタイミングで世界王者になっても不思議ではない実力だ。
国内4冠
ロンドン五輪には最終選考に落ちた
マイケル・コンランに勝った事がある
今はクリス・ジョンを教えていたトレーナーと組んでいる
マロニーちゃんじゃなくてモロニーちゃんはWBSSバンタム参戦も表明している。
日本のコア層に河野ファンが多いとおもうが、どうにも歯がゆいボクサーだ。シャドーを観ても、サンドバッグを叩く姿もどこか不格好で、2度も世界王者になったのが不思議なほど洗練されたものがなく、ポイントメイクに長けていない。かといってKOパンチャーというほどのパワー型でもない。
しつこい手数と粘り強さで相手のリズムや才能を崩す、良さを殺すスロースタートのファイターなのだ。だからどんな試合も世界レベルで判定勝利は難しく、倒しきるしかないのだが・・・
モロニーは見た目は洗練されているし地元なので河野から楽々とポイントメイクしていくだろう。元々Sバンタム、この試合はバンタムとなり、Sフライあがりの河野のパワーはたいした脅威ではないだろう。
易々とモロニーペースで進行していく展開が予想されるが、河野の粘りは伊達じゃない。なんとか判定になる前に自分のペースに引きずり込みたい。
最近、こういう扱いでアップセットを起こし続けているのはハリケーン風太だけだ。彼は技術やスピードで地元ホープを上回ってきたわけではなく、トリッキーと図太い精神力と、やりにくさ、そして得意の左をぶちかまし、完全KOで文句ないアップセットをしている。
河野にも、いつもの粘り強いファイトの他に必殺といえる倒すパンチを用意して向かって欲しいと願う。よほど一方的な展開かKO勝利でないとオーストラリアのアイドルのようなモロニーには勝てないだろう。判定ではまず無理だ。
リボリオ・ソリスもルイス・コンセプションも河野のパワーに驚いていた。もう少し早くペースを掴み倒しきることで、善戦ではなく勝利を手にできる。
とにかく、完全燃焼の試合を期待する。
素晴らしいボクシングキャリアだ。
日本人現役で最も偉大なキャリアのボクサーかもしれぬ。
やっぱり雑草は往生際も悪い。
スパっと辞めて芸能人に転身などしない。
だからカッコイイ。
https://www.youtube.com/watch?v=WJI5DILVwz0