今年も数々のドラマティックでエキサイティングなノックアウト劇がありましたが、これは当然かと。マクドネルを倒した左フックや嵐のようなラッシュはよくあるKOシーンですが、パヤノに魅せたワンツーは芸術を超えて超高難度な匠の技でした。正対しない、半身の相手に対してもワンツーって当たるのね、こうやって打ち抜くのね、あんなワンツー観た事ない・・・
ボクシングファン、とりわけノックアウトに魅了されている人にとっては驚くべきことではないかもしれません。我々も、彼は当然の候補の一人でした。
日本の井上尚弥は、昨年初めて米国の地にやってきて、南カリフォルニアでごくわずかな記者に囲まれただけですが、彼の強烈なパンチャーとしての評判は耳に届いていました。2017年の事でした。今年井上尚弥は階級をバンタム級に上げましたが、階級アップの壁を簡単に乗り越えました。
井上が「モンスター」と言われるのはそれ故です。
アマチュア時代からこの細身の暗殺者は無意識のうちにそれをやっていました。単に勝つだけではなかった。プロになって多くの人が彼は「モンスター」になるだろうという予想は当たった。
2012年にプロデビューした井上は、ノックアウトでライトフライ級とスーパーフライ級世界タイトルを獲得、今年5月には5度防衛中の長身のWBA王者ジェイミー・マクドネルに、あっという間にパンチの雨を降らせ、バンタム級のタイトルを獲得した。
今年10月のWBSSバンタム級トーナメントでは、元WBAスーパー王者のファン・カルロス・パヤノを初回、たった2発のパンチで失神させた。KOタイムは1分10秒、井上は汗すらかいていませんでした。
井上の両手には、”ボクシングが最も欲しいモノ”(deadliest)が宿っているのかもしれません。
バンタム級において、風は井上に吹いています。彼が、ダニー・ローマン、レイ・バルガス、エマニュエル・ナバレッテ、TJドヘニーらのいるスーパーバンタム級に上がる日も近いでしょう。
確実にいえることは、井上尚弥はスーパーバンタム級でも確実に通用するパワーを持っているということです。
これが、彼が今年のノックアウトパンチャーオブジイヤーに選ばれた理由です。
https://boxvideo.sports-web.net/rx-boxing/10007
2018年の初回KO集です。
偶然みつけた記事ですが、このノックアウトパンチャーオブジイヤーというのが、権威のあるものなのか、そのサイトの独自評価なのかはわかりませんが、このような見出しで載っていました。
今年のファイターオブジイヤーも、井上尚弥かオレクサンドル・ウシクが有力だそうです。まぁ、試合数や話題性、功績でいえばウシクになるとおもわれます。しかし来年は間違いなく、ウシクに続くミリオンダラー・ベイビーは井上尚弥でしょう。あっカネロかな。
(ウシクの方が「モンスター」にふさわしい風貌だ。)
ただ、これだけインパクト抜群で世界に衝撃を与えた井上尚弥、日本でもその記事のいいところばかり抜粋、誇張して紹介されたりしていますが・・・
これだけ井上尚弥を讃えておきながら、トップの大きな見出し写真はなんと井上拓真なのです。
井上尚弥も井上拓真も区別がついていない
これが海外の認識なのです。
ただのミス?いえいえ、この間違いは今回に限らず各所で何度も目撃しましたよ。
これが現実です。
これがその写真ですが、拓真君ですよね。
個人的には、昔クロフォード、今ではモーリス・フーカーやトニー・ハリソンの顔がなかなかパッと思い出せないのと同じ感覚なのかな。