エマニュエル・ロドリゲスVSジェイソン・モロニー、共に譲らぬシーソーゲームはわずかにロドリゲスが見栄えの良さの印象を残したまま後半へ・・・後日、少しづつモロニーがファイトスタイルを変えてきた後半を観戦。8回から最後までルームランナーで軽快に走り抜けた。いや、凝視すべくほぼ歩いていただけ・・・
9回から最後までは全部モロニーにポイントを与えてもいいくらいであるが、そうさせない程度にロドリゲスは対抗している。必ず打ち返す。相変わらずロドリゲスの顔面にはパンチが届かないモロニーだが、ガードの上、上手く芯を外されてもボディを中心に攻めていく。簡単には下がらないロドリゲスも対処で忙しく、時にロープに詰まり貝になる。コーナーに座るロドリゲスの表情も疲れて精彩を欠いている。
インサイドワークが器用なロドリゲスにモロニーのボディも効果的とまではいえないが、攻勢はアピールできているし、ロドリゲスのボディからモロニーがアッパーを突き上げるとそれは時に顔面を捉え始めるようになる。接近戦で下から上への攻撃だとロドリゲスにもパンチは当たる。
[st-card id=40157 ]一体、自分はどういう採点をしていたんだっけ?
見直すと、9回から11回まではモロニーだ。今改めて見直すとラストラウンドもモロニーでいい。しかしなぜか流血している方のモロニーのバッティングか何かで最終回はレフリーが減点している。これがなければモロニーの勝ちと出てもおかしくない内容だった。減点を食ったモロニーは焦って最後はやけくその大振りを空振りして試合終了・・・
改めて、この試合はどちらの勝ちでもおかしくない、引き分け上等の内容。
全体的なダメージではロドリゲスの方がしんどい試合ではなかっただろうか。
そういう試合の場合、王者はロドリゲス、王者の防衛となるのが手堅い。バランスが良くコンパクトで大振りしない、目だった被弾もない。全体的な見栄えの良さがロドリゲスにあったというくらいだ。対してモロニーは勝利に値するファイトであってもややバラバラ、バタバタしていた。
ジェイソン・モロニーは最高のトレーニングと準備でよくやったとおもう。カウンターを食わぬよう、常に動き的を絞らせず有効打を抑え続けた。それでもこの男の実力が極上だとはおもわない。特別なものはない、普通と感じる。
そんなモロニーに対してこの内容のロドリゲスを完全に信頼するわけにはいかない。このレベルで苦戦する、競り合うようなら井上尚弥に拮抗しうるバンタム級は他にもたくさんいることになるが、そんなはずはない。
というのが結論です。
年齢も同じ、欠点がない、トップアマから研ぎ澄まされた完成度を誇るロドリゲス、あの五輪2冠のロベイシ・ラミレスを下した過去・・・それでもスケール感はなく小さくまとまっており、時代を代表するような怪物王者ではない。対する井上尚弥はアマチュアの頃と比べても大きく覚醒、飛躍し、全てを超越する怪物、プロボクサーに進化したのだ。
ジャレット・ハードと打ち合って打ち負かしたジュリアン・ウィリアムスがジャモール・チャーロのパワーの前になすすべがなかったように
昨日ぼんやり書いてみた
[st-card id=70470 ]この中の映像で、カオサイがデビッド・グリマン・メンデスをボコボコに圧倒する試合があった。
浜田氏
「グリマンがこれだけ打たれるとは、カオサイ・ギャラクシー凄いですね。」
ジョー小泉
「ディフェンスの名手グリマンが打ち合わされてしまった。」
帝拳と契約し日本で活躍したグリマンはトップアマの下地を持つテクニシャンだったがプロでは一流になりきれなかった。どんなにテクニカルでもカオサイのプレスとパワーにタジタジになってしまった。こういう差が、井上とロドリゲス、その他のバンタム級ランカーにはあるはずだ。
なのでやはり結論は井上尚弥のノックアウト勝ち。
ロドリゲスに井上尚弥の爆発力に対処できる術はない。
そうならなかったら、ボクシングって難しいのね、奥が深いのね
フレディ・ローチ、こんにゃろめ
と猛省し、うなだれるしかない。
不安要素は戦術、海外の経験不足や不可抗力しかない。
村田諒太
「重量級、軽量級とか関係なしに、尚弥ってすごくないですか。ああいうのを天才っていうんです」