武士道/井上尚弥VSノニト・ドネア

記事下にこの試合に対する鋭い分析があります。それを紹介したくてこんなにダラダラと書いた。最高の準備をした者が勝つ。

月曜日、東京ドームホテルで大橋ジム主催の記者会見があった。11月7日、埼玉スーパーアリーナで行われる世界戦のダブルヘッダーが正式に発表された。

IBFバンタム王者の井上尚弥(18勝16KO)とWBAバンタム級世界王者、ノニト・ドネア(40勝26KO5敗)の間で統一戦が行われる。WBSSバンタム級決勝戦となる。

前座には、WBCバンタム級王者、ノルディン・ウバーリが、同級暫定王者の井上拓真と戦い、ベルトを一本にまとめる。

記者会見前に日本ではじめて試合をするドネアは井上に歩み寄り、握手をかわした。ドネアと井上は2014年以来の知り合いだ。高校生だった頃、井上尚弥はドネアに憧れていた。

2014年、横浜の大橋ジムで、ドネアは井上にアドバイスと簡単な指導をした。井上は当時、WBOスーパーフライ級王者のオマル・ナルバエス戦に備えてトレーニングをしていた。

ノニトは日本を何度も訪問しており、日本の文化と伝統的な考え方、特に武士道について関心が高い。武士道は宗教ではないが、強く生き、勇気ある信仰を持つ道徳だ。義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義という7つのの美徳で構成されている。

ドネア
「精神的に影響を受けてきた美しい国、日本の井上尚弥と対戦することは信じられないほどの喜びでありエキサイトしています。日本で試合を出来るのは大変光栄です。井上尚弥のようなファイターと戦うためにはボクサーとしての資質を全て引き出さねばなりません。これは特別な感覚です。若い井上が有利だと言われていることは知っていますが、それをひっくり返す意欲に満ちています。そのためにトレーニングを最大限に行いたいとおもいます。

私たちは互いにスピード、パワー、インテリジェンスを備えたファイターです。リングで最初にミスを犯した方が負けます。この試合はチェスのように長くなる可能性があります。」

様々な問題を抱えるWBSSの行く末がどうなろうと、この試合だけは最高の花火となって世界に高揚と配信される。2カ月強の時間を残し、あれこれ妄想記事を書くことになるだろうが、いきなり素晴らしい展望を読んでしまった。

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2冠統一王者のジャレット・ハードをアップセットで下したジュリアン・ウィリアムスのトレーナーのスティーブン・エドワーズの言葉。有名ではないが、体格、フィジカルの強いハード相手に確かなる戦術と準備が生きてのアップセットといえる試合だったので説得力がある。

この試合はチェスのように長くなる可能性があります。(ドネア)

エドワーズも指摘するように、井上に対し、タフネスとリズム、インテリジェンス、そして何より優れたジャブを行使できる相手、試合が長引いた時がひとつの鬼門だ。井上の弱点を発見したとかよく言われるが、それは恐らく短期決着ばかり故、長期戦に弱いのではないか、単調になるのではないか、一気に決めるので少し強引、仕留める際に隙が生まれるという妄想、期待の意味を込めた弱点だろう。

一撃必殺のパンチで序盤から決めにくる井上のリズム、パターンを読み、あるいは凌ぎ、中盤、後半に試合を長引かせることが出来れば井上尚弥に未知の隙が生まれるという一縷の望みとしかいえない。

実際、そこが経験値の差であり、以前の井上は田口戦のように圧倒してても単調で倒せない試合もあった。

井上をしてマイク・タイソンのようだと海外で言われるのは、その速攻パンチャーぶりだけが似ているのだろうが、タイソンがまさかのアップセットでジェームズ・バスター・ダグラスに敗れた試合は速攻がハマらなかった試合であり、ダグラスのロングカウントなどを経てタイソンのスタミナが枯渇した果ての結果だった。

そもそも、タイソンのコンディションが最悪だったという前提があり、井上尚弥にそれは考えられないが、試合前、試合中に想定外のアクシデントは起こりうる。長期戦になればそういうアクシデントが生まれやすくなる。速攻パンチャーはその勢いのまま何も変わらず貫き通した方がいい。

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日本にリスペクトの気持ちを持っているドネアは、特別な試合、相手となると繊細かつ緻密な準備を整えてくる。西岡利晃との試合は最大限の警戒と準備で臨んだようで、大振りの強引さは一切なかった。左を警戒する西岡の先を読んで戦略面でも上をいった。恐らく今回のドネアも井上尚弥に対してはディフェンス含め、繊細にして究極に仕上げてくるだろう。雑で強引な部分は消してくるとおもわれる。とにかく序盤の勢いを抑えにくるだろう。

井上尚弥はいつも速攻KOばかり期待されているせいで、狙っているわけではなくたまたま、長期戦だって得意だと言っており、ファンももちろん信用している。しかし、リスペクトするドネアとがっつりチェスゲームの長期戦をしようという特別な感情は持たず、いつものように一瞬の隙を突いて一気に決めて欲しい。

決戦まで、世界中で煽りに煽られる。一方的じゃつまらないから、ドネアは違う、ドネアなら勝てるというニュアンスの情報もたくさん出てくるだろう。それでも個人的には、エマニュエル・ロドリゲスやゾラニ・テテの方が強いんじゃないか?という考えは変わらない。序盤に圧倒的なノックアウト決着が訪れても驚かない。むしろそういう試合の方がいい。

全盛期のドネア、シドレンコやモンティエルを圧倒的に破壊したあの時のドネアだとしても、井上尚弥が勝つくらいの準備と戦略で臨んで欲しい。

全盛期のドネアでさえ敵わないバンタム級
それが井上尚弥という存在でなくてはならない。

義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義

リングで最初にミスを犯した方が負けます。(ドネア)

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コメント一覧
  1. タイソンも意外とソリッドパンチャーなのでは。相手はダウンはしても割りと立ち上がってきてる印象。

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  2. 井上尚チャンプは、遠い間からだと一気に掛かる、抜き、即、斬の薩南示現流のようであり、近い間だと小太刀が冴える、居合いの勢厳流でしょうか!!ドネアは気の位で、肉を斬らして骨を断つ、天然理心流、なんて剣豪マニアの私の一方的な私感です(笑)変な例えで、すみません。何れにせよ、間合いの勝負ですね。井上尚チャンプの勝利で確信はしてますが、楽しみだな!!

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  3. パヤノのKO劇も現場の関係者が担架で搬送されるレベルの倒され方だと思ったらしいですが、試合後、普通に立ち上がったパヤノに驚いた話を聞きました。

    パヤノのタフネスも然る事ながら、井上のパンチは切れ味が良過ぎてダメージを残さないタイプなんですかね?

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  4. タイソンのようだと言われるのは海外で、そのように見えるんでしょう。しかしスパーした者が皆言葉を揃えて言ってるんで全てを備えた上でとんでもないパンチ力だとおもいますけどね。

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  5. 井上ってパンチ力ばかりが言われますが、個人的にパンチ力は本人が言ってるように普通だと思います。まあ普通って言っても当然そこらの選手よりもありますが。パンチ力+キレ+タイミング+角度・・・これらすべてが均等に合わさったパンチ。彼が今までにKOした試合を見ると、パヤノ以外はみんな一度は立ってきてるんですよね。ドネアの左みたいに一撃で完全に足にきて脳が揺れるようなパンチではないとうこと。彼がタイソンみたいに言われるのは違和感があります。個人的にはパワーが2割増しなった全盛期の長谷川のような印象でしょうか。

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  6. ドネアが勝つビジョンは見えないけど、あのドネアが序盤でKOされる光景ってのも想像し難いものがあります。
    KO負けもフェザーのウォータース戦のみ。
    Sフェザーが主戦場の天笠をボコボコにしたリゴンドーすら骨は折ったが倒せなかった。
    フランプトン戦も、マグダレノ戦もいいように殴られて負けたがピンピンしていた。
    少なくともバンタムではネリ並みかそれ以上に耐久力があるのではないでしょうか。

    試合は長引くんじゃないでしょうか。その中でドネアがチャンスを掴めるかどうかですね。

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  7. 刻の移ろいは、誰にもでも無慈悲に老いをもたらします。それを経験でカバーを出来るのがベテランで、更にその上に一握りのレジェンドが存在すると思います。確かにドニアは侮れないスキルの持ち主ですが、老いていく身体能力と反射神経等の劣化は否めませんね。勤続疲労も考えられるし、でもボクシングは、いざ、本番で何が起こるか分からない格闘技ですから、11/7に両者がベストな状態で、リングに上がれるように祈ります。

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  8. チケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますようにチケット買えますように

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