井上さん、また会いましょう。あなたはモンスターです。しかし私こそ本当のモンスターです。
[st-card id=98923 ]ジョンリエル・カシメロと彼のチームは人生最大の試合に先立って、望ましくない状況を最大限に利用した。ビザの問題で、日本での公式記者会見に出席できなかったカシメロが井上と実際に顔を合わせるのは4月25日の戦いの週になるだろう。
代わりに、カシメロのMPプロモーションはマニラで井上尚哉の等身大の段ボールの切り抜きを作り、即席の記者会見を開いた。
ショーン・ギボンズ(MPプロモーション)
「ビザの関係で日本に行くことが出来ませんでした。だから今ここに「The Monster」(の切り抜き)がいてくれて嬉しいです。」この即席記者会見を終えて、カシメロはトレーニングキャンプに向けてマイアミに向かう。今年で31歳になるフィリピン、オルモック出身のカシメロは13年のプロキャリアで3階級を制覇してきた。
2019年はリカルド・エスピノサ、セサール・ラミレス、ゾラニ・テテ、全てにノックアウト勝利し、井上同様大躍進の1年を過ごした。
ショーン・ギボンズ(MPプロモーション)
「カシメロは等身大の段ボールの井上と目を合わせた。カシメロは自分こそ本当のモンスターだと感じています。4月25日はモンスター狩りです。最高の戦いです。2人ともキャリア最盛期で激突するのです。」カシメロはジャーニーマンとして世界各地で戦ってきたが、ラスベガスで戦うのは今回が初めてだ。
4月に27歳になる井上尚弥はカシメロと同じくフィリピンのマイケル・ダスマリナスとの指名試合が指令されていたが、カシメロを優先する取引に成功した。
カシメロ
「井上さん、また会いましょう。あなたはモンスターです。しかし私こそ本当のモンスターです。」
カシメロは完敗もなく不気味な相手だが、こんなところで負けていられないというのが本音だ。バンタム級では体格の優位がない井上でもカシメロとでは1センチか2センチ背が高い。実際にリングで対峙してどの程度の差を感じるだろうか。
カシメロは清く正しくかみ合ったファイトはしてくれない。遠くからいきなり突っ込んできたり、当たればどこでもいいやな、荒っぽさがある。プロらしい強さを備えたファイター、エリート潰しだ。
2019年最初に破ったリカルド・エスピノサという選手が、KO率の高い若いメキシカンで小型GGGのような素晴らしい選手だったが、それを力でねじ伏せて勢いがついた。
それまでは、スーパーフライ級でしくじり、低迷状態、SuperFlyに出場叶わず四面楚歌だった。相手がいないので日本の知人を通じて山下賢哉との対戦にこぎつけたほどだった。これが、怪物君、ジョンリエル・カシメロと日本人が戦う初めての試合で興味があったが、やはりカシメロは怪物君だった。少し前まではマネージメントもプロモーションもないフリーランスだったのだ。
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まさに、3階級王者といっても無名で日の目をみてこなかったジャーニーマン、カシメロにとっては人生最高のチャンス、勝負の時だ。SuperFlyにもWBSSにも入れなかったノーマークの下克上だ。
昔の試合だが、勤勉なモルティ・ムザラネやアムナット・ルエンロンはカシメロを攻略してきた事実があるから、何をされても動じない準備で、この得体の知れない外様の怪物君を退治してネクストステージに羽ばたいて欲しい。