コロナが渦巻く2020年、井上尚弥は1試合のみで今年を終えることになりますが、まずは完勝、日本人として前人未到の境地で第2章が始まりました。ボクシングマニアで良かった。
息つく暇もなく、京口の世界戦が予定されていましたが、直前でコロナ陽性とのことで中止。
客観的には、京口陣営の認識の甘さではないだろうか、記者を多数囲んでの会見もしていたようだし。隔離されて厳しい環境の中、準備してきたタイ人が気の毒です。
無観客、ESPN+という限定的な放送だったにも関わらず、井上のファイトマネーは1億を超えたとのことで、これから益々対戦したい相手は増えていくだろう。特に四面楚歌のリゴンドーはお金だけのためにやりたいだろうな。
本人はバンタム級の統一、WBCの勝者かWBOのカシメロの名前を出していましたが、それが現実的な王道です。大橋会長はIBFの指名挑戦者、マイケル・ダスマリナスの名前も出していましたが、義務であればこれも避けては通れません。
クレイジーな複数階級制覇を成し遂げたパッキャオと比較されるのは光栄でも、その道をなぞることは違うと考えます。体格的にはSバンタムかフェザー級がMAXであり、至高の芸術が、単純なフィジカルに屈する姿はみたくありません。もちろん、勝てないと言うつもりはありません・・・
[st-card-ex url="https://the-ans.jp/news/133381/" target="_blank" rel="nofollow" label="" name="" bgcolor="" color="" readmore="続きを見る"]カシメロ
「亀が魚(マロニー)を捕まえるのに長い時間かかった。お互いに海に住んでいる、弱い生き物だ。我々が顔を合わせる前に、ウーバーリとドネアの勝者を優先させるのか? マジで怖がってるんだな、亀」
井上に必要なのは、世界を熱狂させるライバルの存在だ。
カシメロには一応WBOのベルトと、野性味という魅力、資格があると考える。
今までにいないタイプという意味でも興味深い。だが、今は無名で不人気だ。
パッキャオは、代役挑戦者としてレーロホノロ・レドワバを下して本場を震撼させたが、レドワバはライバルではなく、バレラ、モラレス、マルケスというメキシカンがいたからブレークできた。その他、ハットン、デラホーヤ、コット、サーマンまで下してミラクルを連発してきた。
井上にとり、目の前のライバルといえるのは
ノニト・ドネア
ギジェルモ・リゴンドー
だが、高齢でピークを過ぎている。
残念な試合も過去にあった。
ジョン・リエル・カシメロ
ノルディン・ウバーリ
人気、知名度がない
この程度しかいない。世界のボクシング人気はアメリカ、メキシコ系で成り立っている現実を踏まえると、メキシコ系のライバルが欲しいところだが、バレラ、モラレス、マルケスに比肩する者は今はいない。
井上尚弥に今できることは、可能な対戦相手に確実に勝ち続け、バンタム、スーパーバンタムあたりを席巻することだ。全体のレベル、選手層は、Sバンタムの方がやっぱり厚い。
今は無名だが、アンジェロ・レオなんかは、バレラ級の底力を発揮するかもしれないし、評価を下げたルイス・ネリーもいるし、デカくて得体のしれない連中もいる。マイケル・コンランがアイザック・ドックボーとやると聞いて胸熱だったが、やっぱり怪我でキャンセルとなった。まぁ、とにかく、Sバンタムの面々は井上より確実にデカい。
Sバンタム級の王者、ランカーらが当面の井上の標的であり、ラスボスはゲイリー・ラッセル
このあたりが現実的な道筋だろうか。
追いかけ続けたサンタクルスが負けて、大きな選手ばかり挑発してきたラッセルが、下の階級の井上に言及するくらいになったら面白い。彼はクロフォードとの対戦をアピールしても、自分より下の階級の選手の事は一切口にしてこなかった。今は苦し紛れにミゲル・ベルチェルトをアピールしている。かわいそう・・・
しかし、井上VSラッセルは、パッキャオVSメイウェザーのような残念な内容になるかもしれない。
パッキャオに限らず、歴代のレジェンド達には必ずライバルがいた。
もう、井上尚弥は無敗の現役王者にして殿堂入り確実だろう。
あとは果たして、どこに向かっていくのか、ライバルは誰になるのか
それが、第二章のお楽しみ。
それにしても、モロニー用に用意したというショートカウンター、見事でした。
練習してきた武器を試合で実践できる、しかもフィニッシュブロー。
呆れるばかりの能力と頭の良さ。