逃げる理由/ライアン・バーネット

ただのランカーならまだしも、2冠統一王者の立場でこれはアカン。プロモーターがアカン。

IBF、WBA統一バンタム級王者、ライアン・バーネットのプロモーター、エディ・ハーンは、バーネットがWBO王者のゾラニ・テテとすぐには戦わないと言って憚りません。ファンにとっては障害となって立ちはだかります。

ゾラニ・テテと彼のプロモーター、フランク・ウォーレンはバーネットと統一戦をするための圧力をかけています。バーネットの地元、ベルファストで世界記録となる11秒で、対戦相手のゴニャを下したテテはバーネット戦を強くアピールしました。

エディ・ハーンはリングサイドで観戦しており、テテが脅威である事を認めつつ、ハイリスク・ローリターンであると判断しました。危険極まりないテテと戦わないで普通の防衛戦をしても同じくらい稼げるのにわざわざテテとやるのはリスキーすぎると。

エディ・ハーン
「テテが手ごわい選手でバーネットにとって非常にタフな相手である事は認めますが、遅かれ早かれ、ファンが望むのだからいつかは前向きにならねばなりませんが、今はもっと簡単な試合で同じくらいのファイトマネーを稼ぐ道を選びます。もちろん、バーネット本人には最強を証明したい野心はありますが、タイミングが大事です。どうぞ私を悪者と罵ってください。平凡なファイトマネーでバーネットをテテと戦わせません。バーネットが、例えばアンソニー・ジョシュアのような立場でビッグマネーを掴む状況にならない限りやらせません。バーネットには大金を稼いで欲しいのです。

バーネットには家のローンを完済して欲しい。ボクシングを通じて、世界統一王者となり、家も所有し、未来の貯蓄も十分、全てを成しえた、そういうレベルにはまだ達していません。まだまだです。テテ相手に巨大なギャンブルをしろと言われても今は出来ません。そもそもギャンブルとは何ですか?ええ、尊厳や信用を賭けるものでしょうが、尊厳や信用では食うことは出来ません。ベルトだってそうです。ネットで賭けをするギャンブラーのために、私の選手をそんなチンケなファイトマネーでリスクにかけて全てを失うような事は私には許されません。それが本音です。バーネット本人の意思に任せるなら、彼は今すぐ戦うと言うでしょうが私が止めます。ボクサーは自分自身から守られなければならないのです。彼を守るのが私の仕事なのです。正直に話しています。次にバーネットがゾラニ・テテと戦うことはないです。」

ポジショントークですな。
プロモーターの世界では出世するかもしれない。
バーネットを稼がせてやりたい=彼にあやかって自分も稼ぎたい。
そのために全力で彼を守る。勝てる保証ができるまで危険な相手とはやらせない。

これが、多くのプロモーターの本音でしょう。

スポーツ=ビジネスなのだとしたら正解でしょうが、だったら誰でもプロモーターになれます。スポーツ=プライドであり、金のためでなく名誉のために戦っている多くのボクサーやそれを求めて金を出すファンからしたら白ける話であり、クソです。みんなが金だけを求めているわけじゃありません。

パッキャオのように、貧国の冴えない風貌の小男でも拳ひとつでファンを大熱狂させるから、結果的にそこに巨大な金が集まるのであり、強く、面白く、どんな相手にも立ち向かっていくから国籍や国境を超えて認められるのだ。

先に金ではなく、結果として金は後からついてくるものなのだ。
パッキャオを見てエディ・ハーンは何を学んだのだろうか?

戦う前から言ってはならぬ言葉であるし、敗北を認めているも同じである。
だから、フランク・ウォーレンにはなれないのだ。

ただのランカーならまだしも、2冠統一王者の立場でこれはアカン。

バーネットがというよりも、エディー・ハーンがですが、両者とも嫌いになりそうです。
エディー・ハーンの選手に期待しちゃだめだな。降ります。

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