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159勝9敗の幻想 異次元の証明/井上尚弥のWBSS

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ボクシング観戦仲間とよく話すのは、誰が一番強いかは永遠のテーマだが、ひとつの大きな指標はその時代、その階級における突出度ではないだろうかという事。異次元の才能はある日突如現れ、歴史を作る。

WBSSシーズン2バンタム級不完全ガイド

圧巻の井上の勝利、こういうのがあると余韻でしばらく書けません。昨晩はじめてWBSSを知った、荘厳な演出を感じた方も多いとおもうので、改めて、何度もすみません。WBSSバンタム級出場選手の整理です。 こ ...

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25歳の井上尚弥(16勝14KO)は2012年にプロになって以来、その稀有なコンビネーションの速さ、スキル、震撼させるパワーで、カルト的な存在になっている。

ボクシング界は時として異次元の、特別な才能を生み出す。

たった4戦目で後の世界王者田口良一を下し、2試合後にはWBCライトフライ級王者のアドリアン・エルナンデスをノックアウトして王者になった。また2試合後には2階級アップしてWBOスーパーフライ級王者のオマル・ナルバエスをたった2ラウンドでKOし2階級制覇した。エルナンデスは過去に一度しかストップ負けがなく、ナルバエスに至っては初めての事だった。

2014年、ファイターオブジイヤーに輝くに十分な活躍をした井上はその後8連勝7KOを記録。それでも拳の怪我などで彼の勢いは少し遅れたような気がする。トップレベルでの活躍、試合をすることは叶わなかった。

SuperFlyという興行で米国デビューを飾った井上にとり、この舞台は大きなチャンスだったが、大物に交わることは遂になかった。

今年はじめにバンタム級に階級を上げた井上はジェイミー・マクドネルを初回KOし、WBSSシーズン2に参戦することになった。井上を優勝候補とみなすファンはとても多い。

井上はブレイクできるだろうか?

ナルバエス戦の圧倒的勝利とその後の勝ちっぷりが彼のカルト信者の拠り所だが、我々は井上が階級を統一するのをみたことがありません。WBSSには全団体の王者(WBCが空位)、元複数階級王者、2人の無冠の大器が出場します。(モロニーとアロイヤン)

井上の初戦は元WBAバンタム級スーパー王者のファン・カルロス・パヤノ(34歳)です。2014年に難航不落の王者アンセルモ・モレノからタイトルを奪い、ラウシー・ウォーレンに奪われてから3連勝です。

このドミニカンはフィジカルが強く、ストップ負けが一度もない、厄介なサウスポーです。井上はこのファイターにどのように立ち向かうのでしょう、34歳のパヤノは全てを賭けて井上に襲い掛かるでしょう。井上同様、パヤノにとってもこの試合はとても重要なものです。

この試合をクリアしてもトーナメントはさらに厳しくなります。10月20日にはプエルトリコのIBF王者、エマニュエル・ロドリゲス(18勝12KO)とオーストラリアの無敗ホープ、ジェイソン・モロニー(17勝14KO)が戦います。モロニーは井上が下した河野を下したが、やや未知数といえます。それは王者のロドリゲスにも当てはまります。空位の王座を元王者のポール・バトラーを下して戴冠したばかりだが、彼の評価もかなり高い。

もし井上がパヤノを下し、ロドリゲスVSモロニーの勝者と対戦することになれば、ナルバエス以来の強豪といえるだろう。勝てば決勝に行く前に3階級目のバンタム級の統一ともいえるが、WBAの本当の王者はライアン・バーネットだ。

北アイルランドのライアン・バーネット(19勝9KO)26歳は、最近WBAとIBFの王座を統一したが、井上と戦うには互いが決勝まで進まねば実現しない。バーネットは初戦で元5階級制覇王者の35歳、ノニト・ドネア(38勝24KO4敗)と11月3日に戦う。勝者は10月13日に戦うゾラニ・テテ(27勝21KO3敗)30歳と同じく30歳のミーシャ・アロイヤン(4勝)の勝者と戦うことになる。

誰にとっても簡単な道のりではない。出場選手の戦績を足すと159勝9敗となる。4人のシード選手のうち3人は無敗だ。(バーネット、井上、ロドリゲス)もう一人のシード選手、ゾラニ・テテは2012年以来11連勝中。11秒KOの衝撃的な試合も印象深い。30歳過ぎの者はひとりもいない。

井上は誰よりも優勝に近いと言える。既にパウンドフォーパウンドにリストアップされている井上がこの舞台で特別な才能を示すことができれば、2014年からファンが抱いていた異次元の能力が本物であることが証明される。

WBSSバンタム級の世界的な下馬評はこんなものでしょう。斬新な事は書いてありません。皆大体このように考えている。自分も同じです。

突出度をみれば当然井上となる。しかしパウンドフォーパウンドとなると対戦相手の質や16戦というキャリアでは図りがたい、早急な気もする。井上の評価、パウンドフォーパウンドは妄想、幻想込みなのだ。「きっとずば抜けて突出しているに違いない」という幻想を世界中のファンに与えている。

いよいよ始まる10月7日

この日を境に、幻想が現実に変わる・・・

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プクー

プクー

原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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