そこに誰もいない/ジョンリエル・カシメロVSリカルド・エスピノサ

怪物君と例えて個人的に好きで追いかけてきたジョンリエル・カシメロですが、やはり30歳を超えてもその怪物性、野生は健在です。ライトフライ級上がりの選手ですが、バンタムでもパワー全開。こういうのがフィリピンの底知れぬ魅力です。正規王者には、この荒っぽさじゃ無理かなぁとおもったりしてますが、魅力的なファイターです。

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カリフォルニア州カーソン、ラストラウンド、競ったスコアカードの試合を終わらせたのはジョンリエル・カシメロだった。最終12回でリカルド・エスピノサをノックアウトしWBO暫定バンタム級王座を獲得した。

ダニー・ガルシアVSアドリアン・グラナドスのメインイベントから何時間も経過し、この夜最後の試合となった会場には数十人の観客しか残っていなかった。元2階級王者であったカシメロは伏兵のジョナス・スルタンに敗れ、トップシーンから遠ざかり、2年の歳月を経て帰ってきた。

メキシコ、ティファナのエスピノサは序盤から攻め立ててカシメロを後退させ、ディフェンスに専念させた。カシメロも左フックや右クロスで対抗したが、3回にはエスピノサの右が特に有効だった。

カシメロは4回に上手く順応しエスピノサのボディにパンチを集め始めた。するとエスピノサのボディが減っていった。5回は両者素晴らしい打撃戦に突入、6回終了間際ににカシメロはエスピノサからダウンを奪った。ゴングがなりピンチを逃れたエスピノサは覚醒し果敢に打ち返していった。

エネルギッシュなファイトは10回に入ると両者疲れが見え、ホールディングやクリンチが増え始めた。しかしエスピノサにはまだカシメロを痛めつける余力があるようにみえた。ラストラウンド、カシメロは狂暴な左フックで再びエスピノサからダウンを奪い、立ち上がるもカシメロのラッシュの前にレフリーが試合を止めた。

WBOのトップコンテンダーだったエスピノサは23勝20KO3敗に後退した。

正規王者は4月27日にWBSS準決勝を控える、ゾラニ・テテである。

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こんな映像しか見当たりませんでしたが、ともに強打者同士、互角の激しい打撃戦だったようで観たかったなぁ。12回のカシメロの奪ったダウンシーンは相変わらずワイルドで、動きも鋭く、おどけたポーズをみせるあたり消耗戦であっても余力があったのだな。勝利写真を観てもボコボコに打たれた様子ではない。163センチとかなり小柄なカシメロ、やはり怪物だなと感じさせます。チャーリー・エドワーズが王者然と大きな顔してられません。敗れたエスピノサも21歳と若く、相当な猛者であろうかとおもいます。

こんな魅力的な組み合わせでも、観客は皆帰ってしまうとは本場は厳しい。個人的にはメインのダニー・ガルシアVSアドリアン・エルナンデスよりも熱い、大事な試合です。岩佐VSファレスもそういう試合だったのでPBCのこれは慣れました。

一方で昨日は遠くウクライナのキエフで荒川仁人が、トップアマチュアのデニス・ベリンチクに敗れました。年齢、結果を踏まえるとラストファイトの印象が強いです。(少なくとも世界戦線では)

仲間のオレクサンドル・ウシクが観戦に訪れていたというこの試合も生観戦できませんでしたが、フルマークもあった判定ながら、そんなに荒川が一方的に敗れた内容にはみえません。トップアマでいなすのが巧いベリンチクを最後まで捉えきれなかった内容に映りました。

荒川とカシメロでは年齢は違いますが、やはり海外で結果を出すのは、どこか規格外の野性味やパワーなのかなと漠然と感じます。ベテランになるとそういう瞬発力、爆発力、反応、勘も鈍ります。アミール・カーンも既に往年の輝きはなさそうでした。元々脆かったけどさらに脆さを感じました。心身共に・・・

昨日はこのカシメロ以外多くの試合、全て予想通り、アップセットがなかったので、余計にこの勝利は痛快でした。
ロデル・マヨールも流石だな。

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