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いばらの道の向こう/井上尚弥 WBSSバンタム級優勝

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井上家全勝でバンタム級制圧とはいかなかったボクシングの過酷な現実を受けて、虚脱状態ではありますが個人的感想を。

今月は23日にロドリゲスVSネリー、30日にはテテVSカシメロがあるのだ、終われない・・・

ノルディーヌ・ウバーリVS井上拓真

たぶん削除されるでしょう。

試合前に井上拓真はひたすら「自分のボクシングをすれば大丈夫、自信がある」と言っていました。
私はこの「自分のボクシング」という言葉に懐疑的ですが、これは井上尚弥だろうと、ワシル・ロマチェンコだろうと4回戦のデビューボクサーでも使う言葉だろう。ボクシング以外の他のスポーツでも・・・

しかしひとたびその「自分のボクシング」が通じなかった時、ノルディーヌ・ウバーリの持つ「自分のボクシング」がうわ手だった時にはその殻を破らなければならない。「自分のボクシング」を捨ててでも相手に勝つためにガムシャラに何かをしていかなければならない。それが拓真には足りない。いつもそうだからきっと根強く染みついているものなのだろう。

拓真
「自分では勝っているとおもって公開採点を聞いて戸惑いがあった。ダウンもその他パンチも効いてはいない。」

この姿勢も違っているとおもう。ウバーリとの距離やタイミングの測定にはある程度成功していた序盤だが、ロープ、コーナーに下がり、積極性も手数もウバーリが上だった。挙句4回にはダウン。解説やゲストがなぜ拓真を褒めるのか意味がわからなかった。ダウン以降、やや開き直って挽回していかなければならなくなった時の拓真の方がまだよかった。

プロアマダウンしたことがないというキャリア豊富なウバーリのペースを後半逆転し、ましてノックアウトしなきゃいけないというのは絶望的に近い。10歳も若く経験で劣るのならば若さと勢いに任せ序盤を制したかった。兄はそれが出来る、後半勝負も。

ウバーリの完勝ではあるが、実は最後の方はボディが効いて苦しかったとおもう。遅すぎた。
ウバーリは肉体的にも技術的にももう完成されていた。変わらないだろう。

井上尚弥VSノニト・ドネア

たぶん削除されるでしょう。

素晴らしい試合だったが主に賞賛されるべきはドネアであり、井上尚弥には課題も可能性もみえる試合となった。
有名人総出、日本人総出、このような試合は大絶賛しないと袋叩きに合いそうだから肩身が狭いが、ファンの本音、世界の本音は井上尚弥の圧倒的なノックアウト勝利だったはずだ。

ドネアのこの試合にかける執念、準備が素晴らしく、大きく動ける身体を作ってきたのと、キャリアの成せる技か、攻防ともにとても巧みだった。決して井上の強打をまともに貰わず、効果的に自分のパワーと圧力を生かしていた。身体全体のパワーはサイズの印象もあって井上尚弥より上にみえたほど。ドネアは昔から筋肉質ではないが打たれ強い。衝撃吸収、反射神経が素晴らしい。

それでも随所のスピードが違い、井上の俊敏さについてこれず、代わりにパワーに頼るなど、ピーク時とはスピードやキレは確実に落ちていた。ベテランの巧さ、強さで対抗していった。

井上尚弥の素晴らしいところは序盤を制し、要所を制し、終盤もしっかり見せ場を作ることだが、カットしてからは戦術変更を余儀なくされ、ヘッドハンターになっていった。

大きくて懐深く、左カウンターやアッパーの怖いドネアに対しボディが打てず、顔面への当たりも浅かった。ドネアは井上の上のパンチをかなり対策してなかなかまともに被弾させなかった。ほんのわずかに届かない井上のパンチも下半身、地面の蹴り、ふんばりがいつもより弱かったようにおもう。

井上尚弥の試合で中盤、後半までもつれ込むということ自体が、なんらかのトラブルやアクシデント、苦戦、上手くいってない証拠なのだ。

この日のドネアは近年では最高の仕上がりで、カール・フランプトンに負けた時とは別人のようだった。しかし明らかに、ギジェルモ・リゴンドーやニコラス・ウォータースの方がドネアにとっては強敵だった。

接戦のようにみえた。実際苦しい試合だった。血まみれになりトラブルにも陥った。しかし試合後のダメージをみると井上尚弥の完勝だ。ベテランにてこずっただけで要所をみれば勝ちは揺るがない。

それでも、体格、パワー、懐の深さ、いつも井上尚弥の強襲がスパークするわけじゃないことを思い知らされた。未知の領域、階級の壁というのは明らかに存在する。井上尚弥がはじめてテストされたと言っていい試合だった。

苦闘だったが色々なことが明らかになり大きな収穫があった。
日本で今後現れないだろう、宝物のようなこの才能が、つまらない怪我でキャリアを棒に振るようなことがないよう、こんなに打たれて血をみる試合はこれが最後にして欲しい。完治するまで静養してください。

予想通りのWBSS優勝、こんなトーナメントで日本人が参加、まして優勝するなんて夢だ。
生きているうちにこんな夢がみれるなんて夢の夢だ。

貴重な時間をありがとうござました。

書き忘れたから追記しますが、結果的にはウバーリもドネアも予想以上に手ごわかったことになるが、難しいだろうけど、ボディ、これが鍵でした。思った以上に手ごわいベテランにはボディが有効だ。顔面に気持ちがはやるのは仕方ないにしても・・・

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プクー

原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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