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一番早い/井上尚弥VSジョンリエル・カシメロ展望

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ルイス・ネリーの自滅や必然とも言えたアップセットのゾラニ・テテ戦の11月を経て、トップランク契約した井上尚弥のアメリカデビューは急転直下で誰も話題にしなかったWBO新王者、3階級王者のジョンリエル・カシメロに決まりそうだ。

ロードウォリアーのカシメロは日本でいいと言っているが、状況からしてアメリカ開催だろう。その方が世界の井上尚弥としてもふさわしい。東京でWBO総会もあり、両者、関係各位前向きとあっては実現の可能性は極めて高い。ほぼ決定だろう。

ということでジョンリエル・カシメロを改めて見直してみた。

29勝20KO4敗

とのことだが、はて4敗って誰だっけ?

ラモン・ガルシア・ヒラレスにSD
モルティ・ムザラネに5回TKO(負傷棄権)
アムナット・ルエンロンにUD(両者反則のオンパレード)
ジョナス・スルタンにUD(体力ある相手に空回り)

完敗はなくアムナットを再戦でKOしているように、地力で負けていたわけでは決してないというものばかり。つまり、耐久力など、タフネスの底は未だ知れない。

昔から、リアルハリマオ、怪物君的要素があるカシメロが好きだった。日本人と戦わない系のフィリピンボクサーが好きだ。強いから。かつては井岡の周辺にカシメロはいつもいた。

とはいえ、カシメロの歴史をそんなに追いかけてきたわけではない。昔はもっと細くて、荒いが、スピードがあった。今は筋肉質になり、強靭なスタイルが確立されたようにみえる。プロらしい天然の才能はうらやましいほどだ。

これで、なんとなくカシメロの特徴はわかる。なぜゾラニ・テテに勝ったのかさえわかる。

自由奔放にパンチを打ちたいからガードは低い。身長もリーチもないが、相手のパンチも届かない距離、あるいはスウェーやステップで軽打も食わないようなポジショニングをとりながら、タイミングを図っていきなりの右や左フック、アッパーで飛び込んでいき相手を怯ませる、その繰り返しというパターン。

中間距離で技術戦を展開するようなタイプではない。教科書的なジャブやワンツーもない。感性に任せたタイミングの一発で相手を潰す。

一気に距離、間合いを詰めて放つパンチが強く、下半身、全身のバネを効かせて身体ごとねじ込むように打つ。アッパーとフックの中間のような下から突き上げるパンチが特に得意で強力だ。ボディも強い。相手がガード、ダッキングしていても、身体ごとぶちかますような体重ののったアッパーフックでアゴを跳ね上げ、グイグイ追撃する。

相手が固まると、顔面というか、ほとんど後頭部にフックを当てて倒してしまう。クリーンヒットでなくても強引な強襲と後頭部打撃で相手を倒す。

これをみると、つくづくテテの生命線は遠距離からのジャブやストレート、シャットアウトしかなかったなとおもわずにはいられない。流れを掴む前に捕まってしまった。

昔のカシメロよりも、WBO暫定王者になったこの試合の方が参考になる。
当時23勝20KO2敗という高いKO率のメキシカン、リカルド・エスピノサはパワーもプレッシャーもあり、終始前に出てカシメロにプレスをかけている。カシメロはガードは低いまま、スウェーやボディワークで芯には食わない。エスピノサの攻撃に身を任せながらタイミングの強打で応戦している。バックステップやディフェンスが意外に上手いが劣勢だ。

6回にカシメロの右フックで効いて止まったエスピノサに右フックを後頭部に追撃しなぎ倒すようにダウンを奪ったカシメロ。テテ戦とパンチは違うが状況は似ている。一発で効かせ、相手が止まった後にもう一発。

その後も展開としては変わらないが、プレスしても当てられないエスピノサに対し、捌きながら強打を叩きこむカシメロのファイトが効果的で、ラスト12ラウンド、ついに頑丈な強打者エスピノサも力尽きた。ダメージの残る負け方だ。

ダウンがなければ手を出したエスピノサの勝利だったかもしれないが、相手に合わせ効率よく倒したカシメロがうわ手だ。この試合にカシメロの特徴と強さがよく表れている。

過去の負けをみても、12ラウンド、スピードでアウトボクシング、完封してしまえばカシメロは何も出来ない。エスピノサには馬力はあってもスピードがなかった。井上のスピードとパワーを駆使すれば、勝つことは問題ないようにみえる。

色気を出して近距離で打ち合ったり、ふいのタイミングを間違えると強打をドカンと食らう危険性もあるが、井上のスピードとパワーを前にすればカシメロの優位性も消えて何もできない気がする。

カシメロには

エスピノサのようなプレスとパワーを捌ききってしまう意外な上手さとパワー
テテやアムナットのようなな距離も克服してしまう熟練さ
そして何より、どこまでタフなのか、得体の知れなさ

がある。

遠距離も近距離も克服するカシメロだが、井上が一番得意とする中間距離とスピードで、両者の差は出るのではないか。

ワシル・ロマチェンコVSニコラス・ウォータース

のような怖さと現実がある。

普通に考えると、井上尚弥のレッスンになるだろう。カシメロは一発逆転の隙を探すしか術はない。その隙がみつからないままズルズルと12ラウンドが過ぎるのか、圧倒されて倒されてしまうか。ノーマスもある。

独特の強さ、特に化け物じみたフィジカルパワーと野生の勘を感じるカシメロだが、速くて凶悪なパワーを誇る井上尚弥には通じないとおもわれるが、果たして・・・

前半決着が一番いいです、ハイ。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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