ブーイングを受けてなお/井上尚弥VSギジェルモ・リゴンドー

以前、私は自分よりも大きな人と戦っていました。今やっと自分の適性体重になりました。「モンスター狩り」に行こう。井上はとても優秀なファイターです。内容が素晴らしく、バランスのとれたボクサーです。彼との試合が実現したら、私たちは互いに信じられないほどの準備で臨むでしょう。

ギジェルモ・リゴンドーは、リボリオ・ソリスに判定勝ちし、WBA(レギュラー)バンタム級王者に輝いた。ソリスは初回にリゴンドーと打ち合ってダメージを与えたが、キューバのマスターは適切な調整をし、脚を使い、後半にはソリスからダウンを奪って試合を支配した。

リゴンドーが獲得したタイトルにはスーパー王者に井上尚弥が君臨している。井上VSリゴンドーが差し迫っているわけでもなく、リゴンドー自身誰からも相手にされていない(話が出ていない)。井上VSリゴンドーは決してビッグマッチとはいえないが、この試合を無視、軽視したくはない。

リゴンドーはワシル・ロマチェンコとの試合で無気力に試合を投げ出し、ソリスに対してもブーイングを浴びせられる試合をした。それでも、リゴンドーは井上に対して技術的に劣るわけでもリングIQが足りないわけでもない。

ロマチェンコとの試合は体格差が顕著だった。それが試合を棄権する言い訳にはならないが、ロマチェンコの最高の才能に加えて、どうしようもないサイズの違いが戦いを困難なものにしたのは事実だ。

話を戻すと、井上尚弥VSギジェルモ・リゴンドーは魅力的な試合だ。
マスタークラスの攻撃とマスタークラスの防御の組み合わせだからだ。

井上は優れたジャブ、パワー、破壊的なコンビネーションとピンポイントの精度があり、とてもアグレッシブだ。リゴンドーはスピーディーな反射神経、優れたカウンター、ディフェンスの魔法使いという一流の基礎がある。

まもなく40歳になるリゴンドーでも、多少なりとも井上に試練をもたらすことは間違いない。

リゴンドー
「以前、私は自分よりも大きな人と戦っていました。今やっと自分の適性体重になりました。「モンスター狩り」に行こう。井上はとても優秀なファイターです。内容が素晴らしく、バランスのとれたボクサーです。彼との試合が実現したら、私たちは互いに信じられないほどの準備で臨むでしょう。」

井上VSリゴンドー、必見の戦いとは言わないが、ボクシングを愛する人全てが心に引っかかる、観たい試合だとおもっているはずだ。

それは実現するだろうか、時間だけが真実を語る。

4月25日の井上尚弥VSジョンリエル・カシメロの前座に

ジェイソン・モロニーVSジョシュア・グリー

が組まれたようだ。

まさにエリミネーター、王者の首の皮を狙うトップコンテンダー同士の激突だ。モロニーではなくソリスがリゴンドーの相手に選ばれたのは単なる偶然だったのだろうか。

WBSSが終わり

ドネアが決勝であそこまで強かった驚き
ライアン・バーネットが引退
ゾラニ・テテの悲願と現実
ジョンリエル・カシメロの台頭
ルイス・ネリーのバンタム級追放

それに入れ替わりギジェルモ・リゴンドーがバンタム級で井上の下に就く

なんて筋書きは想像していなかった。
リゴンドーはバンタム級の世界王者として最年長記録を作った。

井上尚弥の未来は今後WBSSより面白くなっていくだろう。もう、ボワイヨやマクドネル、それ以下レベルの相手をすることはない。常に強者との戦いだけが待っている。様々なスタイルの強豪相手に全部クリアしていくことは出来るだろうか。総合力では信頼しているが、取りこぼさず勝ち続けていくボクサーはほんの一握りだ。準備と研究、最初から最後まで、距離やジャブ、ディフェンスといった基本が重要になっていくだろう。

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昨日のリゴンドーは、彼のファイトスタイルを再確認する試合となった。彼はディフェンスマスターにして強打者でもある。天笠が顔を腫らし鉄球のようだったというパンチ力がある。

しかしリゴンドーの場合、強振なのだ。距離勘、ディフェンスありきで隙をみつけ強打一閃。コンビネーションでコツコツ相手を削っていく、打ち合いで打ち勝っていくファイトは不慣れだ。打たれ脆さもある。

初回にソリスにボコられてさっさといつものスタイルに切り替え、終盤は一撃でソリスを倒しかけたが、その他はディフェンシブで退屈なものだった。40歳を真近に控えて、反射神経とディフェンス、強打に頼るスタイルは健在なれど陰りもみえてきたようにおもう。カウンターの精度や回数がイマイチ鈍かった。ロープを背負っていいこともない。

リボリオ・ソリスにこの内容では、リゴンドー恐れるに足らずという印象を強く抱いたが、考えてみれば、スーパーフェザー級でロマチェンコとも戦った男が、40歳で3階級も下げてバンタム級を作り、昔のスタイルで完封してしまうのは驚異的なことだ。

本当は今から10年以上前のバンタム未満のリゴンドーが一番強かったはずなのだ。

井上尚弥だってとっくに引退しているであろう年齢。
節制やトレーニング、信念は半端ない。

その執念は実るだろうか。

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コメント一覧
  1. >一発いいのが入れば勝機を見いだせると思う

    欲を言えば、その一発で深刻なダメージを与えたいですよね、ダウン癖はあるけど、一発で寝るから追加のパンチを貰わない良いダウンなんで。

    あ、でもWBAは3ノックダウン制でしたっけ?ダメはともかくラウンド中に三回倒せば良いのか。

    天笠は惜しかったんだな。

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  2. リゴンドーは、ステップイン、ステップアウトが巧みで素早いのが持ち味だ。
    さらに、それに合わせてのカウンターが得意で、どの選手もやりにくさを感じているだろう。
    リゴンドーに井上選手が勝つには、リゴンドーの動きに合わせのカウンターしかない。ボディーも有効だ。リゴンドーは打たれ弱いボクサーで、一発いいのが入れば勝機を見いだせると思う。

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    • 自分は、ロマチェンコに負けた後も、PFPの2番手にリゴンドー推してたんですけど、、、
      さすがに落ちてますね。肉体も精神も。もはや井上尚弥を脅かす可能性ナッシング!

      井上尚弥が楽勝すると思うよ。

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      • 書くとこ間違えました。スミマセン。

        おせっかい爺じゃよW様への返答ではありません。あしからず。

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  3. プロアマ通じて、打たせない、自分だけ殴るスタイルだから打たれた時にピヨるけど打たれ弱いかどうかはわからない。打たせない、打たれたら終わりなファイトを極めてきたから。

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  4. 私は見たいです、井上×リゴンドー。
    オリンピック2大会連続の金メダリストで、現WBAのタイトルホルダーなので、ノーリターンな訳でもないですしおすし。
    アメリカ開催が無理なら年末日本でもOK。
    リゴンドーの年齢がアレなので、できれば今年のうちに試合をして欲しいです。

    一方、無名のダスマリナスとの試合は絶対に見たくないです(笑)
    試合を強制されそうになったらタイトル返上でOK。

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  5. 9月に東京ドームの村田さんカネロさんのセミでやってくれれば
    逃げる相手を仕留めるのは難しいけど唯一それができそうなのが尚弥さん。
    その尚弥さんを空回りさせられそうなのはリゴンドーさんただ一人。
    伊藤さんヘリングさんの試合のようになっても驚かない。
    この試合こそ頂点。

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  6. 普段は「実力者のリゴを干すなんてボクシング界はけしからんな。」と思いますが、いざ井上戦となると「やって欲しくないな。」となってしまう笑
    テテでなくリゴがカシメロにボコられて欲しかった笑
    ハイリスクローリターンと見られがちですが、ロマチェンコでもKOできなかったリゴを早期ラウンドでKOしたら井上の名声は上がると思います。

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  7. 塩漬けの可能性もなくはないですが、昨日の前半戦のリゴの様子だと、井上の踏み込みを捌けないように思います。打たれ弱いリゴはガードの上からでも効きそうですし。

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  8. 剣の道に数々の流派があるように、塩だの退屈だのとブーイングを浴びようと、リゴンドーは無謀なロマチェンコ戦以外は勝って来た。
    適性階級でリゴンドー流を破る井上尚が観たい。(๑•̀ㅂ•́)و✧
    ………が、塩漬けにされる可能性も低くは無く、正直、観たいけど観たくない一戦。^^;

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  9. 打たれ弱くてダウン癖が有る故のスタイルですから、嫌う前にプロ競技として業界がリゴンドウを持て余してる事実を恥じるべきだと思うんですけどね。

    しかし、井上まで塩漬けにされたら恨むとは思いますw

    ドネアに苦戦したせいか、井上がリゴンドウに勝てるイメージが湧かない…

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  10. 塩じゃない試合もできるんですが、ディフェンスと強打一閃のスタイルを極めたんでしょうね。あれだと出来のいい試合とそうでない試合のムラが大きくなってしまうね。

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  11. 別に打ち合わなくていいからせめて手数を増やすか効かせた時は倒しにいくくらいはしてほしい、あまりに消極的で倒す気がないとアウェイだといつか判定負けをくらうだろうし実際ソリス戦も2-1だった。

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  12. ドネア戦が見事すぎたリゴンドーですが、
    正直井上との試合を見たいかと言われると全然興味ないです。
    ディフェンスがすごいとか実は強打者だという以前にさすがに塩すぎて・・。
    技術やパワーがすごいから魅せられるのではなく、そのスキルを活かして
    どう倒そうとするかという姿勢に魅せられるのであって。

    全盛期の凄さは文句なしなんですが、この年齢まで何故干されてるのか、
    なぜ人気が出ないのか、分かってないのか分かっててここまで来たのか。
    いずれにせよトップランクが興行面でリゴンドー戦を用意するとは思えないので
    このままマクドネル化するんじゃないでしょうか。もう見たくないかな。

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  13. どうせ戦るなら日本開催が良い。
    アメリカでやったら秒殺でもしない限りまたブーイングの嵐だろうし尚弥に向けられてるものじゃないと分かっていてもやはり日本の宝の試合では観たくない、日本ならブーイングは無いだろう。たぶん。

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