世界ボクシング不完全ガイド クルーザー級

もう、燃え尽きています。ラストスパートです。
一番無関心な階級だったかもですが、ミニマムとかよりずっとましです。ハイレベルです。
構図はSミドルあたりから同じ。欧州、ロシア勢にアメリカやアフリカがどう絡めるかどうかという感じです。
時代は変わりました。

多国籍で以外と面白いんですが、王者クラスがアマも含めてLヘビーのボクサーに負けた過去とかがあるんで、いらない階級と言われても仕方ない。
でもヘビー級が超人化した今、パワーと技術を兼ね備えている最上級クラスがここになるのかもしれません。
もはやこれがヘビー級か。アクセス低いかもですが結構面白いですよ。

WBC
トニー・ベリュー
28勝18KO2敗1分

パワー:★★★
テクニック:★★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

191センチある大柄なオーソドックス
元キックの選手で40勝7敗32KOだとか
懐深くまとまりのある王者だが、スティーブンソンの鋭い踏み込みは容易に許しKOされたので
コバレフ含めLヘビーの王者の方が上かな。

WBA
デニス・レベデフ
29勝22KO2敗

パワー:★★★★★
テクニック:★★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

180センチの肉厚系。何気にトップシーンに長くいる。
マルコ・フックにスプリットとギジェルモ・ジョーンズに屈しただけだが、あの時のジョーンズはドーピングで殴っても倒れないゾンビだった。
あの敗戦は帳消しにできないものか?なので実質無敗に近い。
とにかく肉厚で首も太く頑丈な上、階級屈指のパワーだろう。
コバレフかレベデフかというくらい恐ろしいパンチ。

でも小柄で懐に入っていかないと勝負にならないのでタフだけど激闘必至ともいえる。
結構難攻不落の名王者だとおもう。

WBA暫定
ベイブット・シュメノフ
17勝11KO2敗

パワー:★★★
テクニック:★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★
タフネス:★★★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

カザフスタンのオリンピアンだが、技術の深みはない。
ホプキンスやカンピーリョに負けた過去を見るとテクニシャンには弱い。
体力と体格でゴリ押しして勝ってきた選手。
ただ、KO負けはないので、頑丈ではありそうだ。

IBF
デニス・レベデフ

WBO
オレクサンドル・ウシュク
10勝9KO

パワー:★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

ロンドン金メダリスト。あっけなくプロでも王者になった。
ウクライナではサッカーは金かかるからボクシングにしたそうだ。
この階級ではトップアマだが、やはり同胞のロマチェンコを崇拝している模様。

普通のクルーザー級選手と違い、ジャブを基点にテクニカルに相手をコントロールできる上体力も体格もあるのでなかなか安定王者かもしれない。
KO率は高いが判定勝ちできる器用さがある。

ただ、少し体が緩い気がする。

私的ランキング

①デニス・レベデフ★25
②オレクサンドル・ウシュク★25
③トニー・ベリュー★22
④ベイブット・シュメノフ★21

注目の選手

マリス・ブレディス
21勝18KO

ラトビアの選手。貴重だ。
ごく普通のオーソドックスだが、スピードも反応もよく、スウェーなども器用。
パンチをコネクトするのも上手い。そして見た目以上に破壊力があるようだ。
ヘビー級のマヌエル・チャーも失神していた。
31歳と若くはないが、ラトビアのボクサーというだけで応援したい。正攻法に強いし。

ドミトリー・クドラショフ
19勝19KO1敗

ロシア、敗戦があるが、全KOなので。
破壊力だけならコバレフやレベデフよりあるかもしれない。
ただスピードや工夫はなくただただ重いという感じ。
だからパワー自慢でブッ倒すのみの試合をしてたら相手の抵抗にあい負けた。
この相手に勝った選手は、もうちょい上手い強打者のブレディスにはその後KO負けしてしまった。
恐ろしいパンチャーだが、単調なのが隙。負けて反省もしただろうから怖いけど。

ミッキー・ニールセン
22勝14KO

デンマークだからこれでも標準サイズか190センチ。
欧州勢が席巻しているが、このくらいの体格が普通にゴロゴロいるからな。
サウスポーで速いが、決め手は懐入ってのコンビネーション。距離が近い。
こんだけ距離が近ければ誰でも倒せるだろう。

大柄な白人は十分強いけどなぜか腹が緩く感じる。
これの方が筋肉も柔らかく素早く動けるから自然なのかな。

アンドリュー・タビッティ
13勝11KO

メイウェザープロモーションの米国黒人の砦。
スピーディーで中間距離で戦うボクサーパンチャー。
こっちの方が多くいる欧州・ロシア白人よりよほどクールで強くみえるが。
でもこういう選手が少ない、アマでも勝ち抜けないってことは、欧州巨人のごり押しとプレッシャー、パワーが上だからだろう。
普通に王者より強くみえるがさて?

ノエル・ジェバー
22勝10KO

アルメニア、ドイツといえばアブラハムと同じ道のり。
アルメニアにつまらないボクサーはいないからな。
190センチ近いけどクラウチング気味に構える貴重な技巧派。テクニシャンだ。
狂犬のような怖さはないが上手さは欧州でもトップレベルだろう。
ただ、やっぱりこの階級では非力かな。
今までのアルメニアではハンサム系だが、どこかダルチニアンにも似ており、アルメニア人の顔当てゲームがあれば攻略できるかも。

ユニエル・ドルティコス
21勝20KO

キューバ。カレンガとの激闘を制し挑戦権を得た?
シュメノフなら余裕だろう。レベデフならわからないけど。
キューバのトップアマだから上手さ、速さはあり、欧州白人系よりはアウト、中間距離で戦える選手だが
異様なほど好戦的でガンガン強打を叩きこむ。
キューバ人ボクサーではトップレベルにエキサイティングではずれのない楽しい試合をする。
打ち合って墓穴掘るか、上手さも交えて打ち勝つか、既に王者クラスの楽しみな選手。

アーセン ゴーラミリアン
17勝10KO

ノエル・ジェバーと同じアルメニアでも主戦場はフランス。
あまり試合映像がないのでよくわからないが186センチある割にはものすごくマッチョでジェバーとは違うパワーファイター。
決して上手さ、速さはないけどとにかくパワー自慢。でもこのKO率では説得力にかける。

ムラト・ガシエフ
23勝17KO

12月にレベデフとのタイトルマッチが決まっているトップランカー。ロシア対決。
爆発力はないが、安定した試合運び、ガードも固くボディワークもいい。
ロシアだからパワーも耐久力もあるのだろう。
減点材料の少ない選手。戴冠できるか。

リャド・マーシー
20勝17KO

コートジボアール生まれのベルギー選手。貴重だ。久々にゴリゴリマッチョの黒人選手。
止まってしまう動画が多くてよくわからないが、タイソン的な選手。あそこまで柔らかく速くはないが。
数値もわからないがたぶん小柄だろう。とにかくパンチが強い。体も強そう。
当たれば誰でも倒せそう。でも技術的な土壌はない。

マイケル・ハンター
12勝8KO

ロンドン米国代表。初戦でベテルビエフに敗れた。
やはり黒人アマエリート、中間距離からジャブついてストレート系も打てる。
欧州白人系とはスタイルが違う。
しかしパンチがやや大振りでスローな気がする。これじゃベテルビエフに懐入られてボコボコにされるのでは?
同じ米国黒人ではタビッティの方がいい選手に見える。

イサ・アクバーベルバイエフ
18勝13KO

カザフスタンの選手なのが注目。GGGの国だから絡みがあるのか。
ランカーの中では細身でジャブ、ストレートも打つ、技術よりに戦える選手。
スピードもなかなかある。見た目だとパワーレスっぽいがKO率悪くないしカザフだから大丈夫だろう。
カザフスタンだからちょっと高評価。

ダミール・ベルジョ
22勝18KO

ボスニア・ヘルツェゴビナ。めちゃ貴重だ。
やっぱり肉厚でクロスガード固めて相手に体をあずけ、ボディやフック、アッパーで倒すゴリゴリ系。
重そうだがスピードもキレもないので難しいかな。

クルーザー級は日本で一番人気がない階級だとおもいます。
ですが、国際色豊かで強豪ばかりでした。

重量級がアマチュアの解禁により米国から欧州、ロシア圏に移り、このくらいの体格のアマエリートがたくさんいるからこうなったのでしょう。かといってヘビー級は巨人、超人の階級になってしまいましたから2メートル、100キロ未満の選手は皆ここがちょうどいい。
自然と国際色豊かでハイレベルな階級になってます。
もうタイソンなんかは今となってはクルーザーのカテゴリじゃないでしょうか。

ほとんどが、軍人かボクサーの2者択一みたいな風貌の選手ばかりで、体力、パワーに依存したファイター寄りの選手が多い気がします。これが欧州重量級スタイルなのでしょう。
アマ歴も長いのか30歳超えが多い気もしました。

ランカーも王者も差はない、むしろ無敗で可能性を秘めたランカーに楽しみな選手が多かったです。
ベリューやシュメノフはたまたま王座戦にこぎつけただけでもっと強いのはゴロゴロいますな。

個人的には国籍を重視し

マリス・ブレディス
ユニエル・ドルティコス
イサ・アクバーベルバイエフ

が気に入りました。
特にラトビアのブレディスはパワーだけでない上手さも感じます。

王者候補はこの他に誰でも可能性がありますが

ドミトリー・クドラショフ
ムラト・ガシエフ
アンドリュー・タビッティ

かな。

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