階級別 フライ

何の矛盾もない/モルティ・ムザラネVS田中恒成

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マニアなら漠然と感じている通りの流れである。

フライ級は現在

WBA王者、アーテム・ダラキアン
WBC王者、チャーリー・エドワーズ
IBF王者、モルティ・ムザラネ
WBO王者、田中恒成

という王者が君臨している。誰が一番強いかは議論になるだろうが、恐らく多数決をすれば

モルティ・ムザラネVS田中恒成こそが頂上決戦だろう。

先週の土曜日に岐阜で行われた世界戦で田中恒成は田口良一を下した。会場にたどり着くには、東京から新幹線で90分、さらに地元のローカル線に乗り換えて45分かかる。東京の田口ファンもメディアの関係者もそうやって苦労して会場入りした。

元々この試合は2年前に予定されていたが、田中がパランポン・CPフレッシュマートとの防衛戦で両目の眼窩底骨折を負い、田口との年内統一戦のプランが白紙となった経緯があった。

田中
「正直言うと2年前には具体的な対策はなくて、あまり自信がなかったのです。今回も特別な作戦はなかったけれど、確固たるものがありました、田口さんはガードが高いので、ボディを増やしたコンビネーションをずっと練習してきました。プレッシャーをかけて倒したいとおもっていました。」

2年前であれば、田口はミラン・メリンドを下して統一王者になり、リング誌ではライトフライ級ナンバーワンの評価だった。

それから1年以上が経過し、立場は逆転していた。田中がホームアドバンテージを握り、彼がWBOフライ級の王者として挑戦者の田口を迎え撃つことになった。昨年5月にヒッキー・ブトラーにタイトルを奪われた田口はこれが再起戦だった。

序盤3回まで、若い田中は明らかに田口を警戒し敬意を込めて戦っており、3回には田口のパンチで腰を落とすなどしたが、その後はペースを上げて、田口につけ入る隙を与えなかった。

田口
「田中君に負けないくらい強い気持ちで戦ったけれど、コンビネーションに対応できずに効いてしまいました。ブトラー戦よりは調子がよかったですが、後半は打たれすぎました。スタミナは大丈夫でしたが、もっと自分のテクニックを発揮したかった。今後については今はまだ考えられません。」

田中
「一番の希望はフライ級の統一です。3階級制覇したけれど、それが全てではないのです。」

田口戦の勝利によりRing誌で2位に評価を上げた田中の視線の先にあるのはRing誌で1位に評価されるモルティ・ムザラネだ。前回マカオで日本の坂本と戦い、5月13日に日本の黒田の挑戦を受けるムザラネは日本人と日本で戦うことに何も障壁はない。

田中はムザラネとの対戦をかなり前向きに意識して黒田との試合を見守る。

田中
「リング誌の王者になりたい。リング誌のベルトは王者でも1人しか選ばれないものですから、僕をやる気にさせます。」

ムザラネもまた、黒田戦をクリアした暁にはビッグファイトや統一戦を切望している。

コリン・ネイサン(南アフリカMTK代表)
「田中は田口を簡単に締め出したね。でもムザラネは田口よりずっとハードパンチャーだよ。まずは黒田が先だけどね。」

若き田中とベテランのムザラネによる統一戦は今のフライ級で考えられるベストマッチだ。

この試合の実現に立ちはだかる唯一の障害はお金だ。ベテランのムザラネは彼の選手生活のハイライトにふさわしいファイトマネーを求めている。資金力のあるプロモーターのエディ・ハーンはムザラネに自分の選手であるチャーリー・エドワーズをあてる可能性が高い。田中にも訴求力があり、ハーンが田中とエドワーズのどちらに金銭価値を見出すかにかかっている。

木村戦も田口戦も地元で開催してきた田中だが、そろそろホームアドバンテージを捨てる時がきているのかもしれない。

田中
「僕は海外で試合がしたいです。」

彼の意思は確認できている。

田中自身、複数階級制覇が目標なのではない、誰とやるかが重要だと言い切っており、共感するのだが、最近は日本人と地元開催ばかりが続いている。本人とジムの思惑が同じなのかもわからない。この記事のような話に加えて、5階級制覇が目標であり、井岡との試合を狙っているとも書いてあった。

どちらになるかはしらないが、極めて少ないキャリアのまま3階級を無敗で駆け抜けてきた田中は、このフライ級で一歩踏みとどまって足元を固め、ファイトスタイルを確立し、しばらく定着して欲しい。4階級、5階級という道よりもフライ級統一という道の方がずっと崇高だ。

モルティ・ムザラネVS田中恒成
がもっとも純粋でまともな組み合わせだ。

まずは黒田戦でムザラネがどれだけ強いのか、あるいは黒田の執念が爆発するのか、じっくり見届けよう。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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