世界ボクシング不完全ガイド フライ級

ロマゴン、エストラーダが去った今、階級最強は書かなくてもあの人だ。
まだ世界王者じゃないですが・・・やる価値を見出せませんが、下からコツコツまとめます。

WBC

空位
ロマゴンが王座返上のため

WBA

井岡一翔
20勝12KO1分

パワー:★★
テクニック:★★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★★★
タフネス:★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

八重樫、アムナット以外に強敵との試合を見たことがないので査定しづらい。
冷静にみると守りが固くコンパクトにまとまったバランスのいい選手だとおもう。
ただ、危険でパワーのある相手とやったのを見たことがないので、これで上手い、強いとは言い切れない。
事実、アムナットにはいつものスタイルが通じず、どうするのかとおもったら無策の12ラウンドだった。
ミニマムかLフライのスケールに感じる。

IBF

ジョンリエル・カシメロ
23勝15KO3敗

パワー:★★★★★
テクニック:★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

ちょっと評価しすぎかもしれない。
Lフライあがりの選手だがパワーを5につけた。3敗してるが、判定のスプリットとアムナット戦の反則まみれ、いい選手だったムザラネに負傷棄権みたいな負け方しかなく、完敗というのはまだ観たことがない。
井岡的な小粒なテクニシャン、チャーリー・エドワーズを寄せ付けなかった。
技術差や経験値がどうというより、人間としての丈夫さ、作りの違いみたいなものを感じる。
華麗ではないが、野性的な速さや当て勘を持っており、獲物を狩るような一撃と嗅覚、肉体の強さがあるようにおもう。
要するに怖い、不気味なのだ。日本人が逃げるような・・・

WBO

空位
エストラーダが王座返上のため

私的ランキング

①ジョンリエル・カシメロ★24
②井岡一翔★21

2人しかいなくてさみしいですね。

注目の選手

ナワポン・ソー・ルンビサイ
36勝28KO

戦績はいいがタイ、ほぼ国内で負け越し選手相手に作られた記録。
ロマゴンの指名挑戦権を持っていたが行使することなくロマゴン去った空き枠で決定戦とか。
ガードして重いパンチをブチ込む攻防分離、安定のムエタイスタイル。
強いけどスピードがないのもタイの定番。戦績は眉唾、これからが本当の世界。

ファン・エルナンデス
33勝24KO2敗

Sフライでもランクされていた。ミニマム時代に井岡に負けてから15連勝。
減量から解放され強さを増したか?覚えてないがいい選手だったような気はする。
ただ。ミニマム上がりで159センチしかないので、怖いレベルではないとおもう。

ノッコイ・シットプラサート
59勝36KO4敗

1勝4敗からこの戦績のタイ人。でも中身は空っぽの相手ばかり。
ナワポンをさらに遅くしたような、タイクオリティの選手。
タイは雑魚ですさまじい戦績を作ってからが本当の勝負ですな。

オスカー・カンツ
14勝1KO

米国だがローカル選手なのかな。
アマエリートっぽさはなく、若く未完成な選手という印象。
Sフライでも戦っている。一生懸命だが線が細く戦績の通りパワーレス。

比嘉大悟
10勝10KO

ここまで見た限りだと断然ホープ、強い。
キャリアのあるナワポンとかだとどうなるかわからないが、そろそろアジアを卒業してもいいのではないか。
憧れというロマゴンほどの緻密さ、完成度はないが、それを目指して似たスタイルにはなってきているとおもう。
ファイター寄りの選手だが左が多彩なのがいい。でもアジア圏だけだからこのKO率なのかもしれない。
勝負は来年か。

ムハマド・ワシーム
4勝3KO

この名前で韓国がホーム、このキャリアでランクインしてるのはなぜかとおもったら、アマで実績豊富なパキスタン人でした。パキスタン初のプロボクサーらしいです。
韓国が新たな団体を立ち上げたとか、国内不況だから、アジアの有望な選手を呼んでいるのかな。

アマの実績では井岡や井上より上かもしれません。
見た感じ完成されているし、速くてうまいけど慎重で下がることもよくあるので、これから強くなることはないだろう。
比嘉のチャレンジマッチにふさわしい相手ではないだろうか?
風貌はイスラムっぽくて強そうですし、アマテクは安定感あります。このキャリアでも一番手かなぁ。

ケビン・サッチェル
16勝3KO

169センチとあるが、ガリガリの細身です。好戦的だしなかなかしっかりした技術もあるが
大振りでパワーレスな気がします。こういうのがカシメロとやったらふっとばされるのではないか。

スタンプ・キワシンワット
15勝6KO

もうなんと読むのかわかりません。
井岡が次にやるらしい暫定王者だそうですが、予想できる選択肢でしたね。
ガードしてから打ちにいく、いわゆるムエタイスタイルです。
南米のなかなかの好選手、レブロンに2度勝っているので力はあります。
パワーも井岡よりある。ただ、技術的には単調。KOしないと敵地で勝てないだろう。
打ち合いの選手です。彼の相手では強い部類だとおもう。

アーテム・ダラキアン
13勝9KO

ウクライナ。生まれはアゼルバイジャンのバクー。
この国籍でプロなら間違いなくトップアマだとおもい調べてみると、確かに顔を出している。
世界選手権でアムナットに負けていたりしている。

ガードが低く危なかしいが、スピードもパワーもあり、スイッチヒッターで器用。ランカーでは怖い存在だろう。
ムハマド・ワシームと同じく完成されているかな。
やはりアマ上りはパンチに説得力がありみるべきものがある。

ビンセント・レグランド
23勝14KO

WSBでもやってるからアマの強豪だったんだろう。アマの記録は不明。
174センチの身長からコンパクトなコンビを放つ。かなり怖いホープだろう。
若干、長身白人らしく体が硬く上体を振らず直線的なので、顔面を跳ね上げるようなパンチを食う。
柔らかさはない。

ゾウ・シミン
8勝2KO1敗

次に一度勝ってる相手と王座決定戦なので恐らくとるだろう。
ただ相手はなかなか強豪なのね、雑魚かとおもった。パッキャオ似の人。

もう完成されており、上がり目はないだろう。パワーレスすぎる。
しかしアムナットに技術で負けただけで倒されたりしたことないので、旺盛なスピードと技術でそこそこ安定王者になるかもしれない。
KOされてはじめて彼の限界だろう。
日本人は勝てそうで勝てない相手だとおもう。

ジャーメル・マグラモ
17勝13KO

マグラモって聞いたことがあるがフィリピンのボクシングファミリーの一角だ。
日本に来ていたメルビン・マグラモの息子だそう。
子供の頃からのボクシングキッズだろう、筋はいい。
次にムハマド・ワシームとやるのが試金石だろう。

クワンピチット・ワンサンチャイジム
39勝24KO1敗2分

この人がゾウ・シミンと王座を争うタイ人か、ミニパッキャオみたいな顔の人。
でも髪形違うと別人です。

ゾウにしか負けてないんだな。KOしないと勝てないだろう。35歳なのね。

ドニー・ニエテス
39勝22KO1敗4分

チャンスさえあれば3階級制覇確実だろう。
キャリアも完成度もダントツです。
天敵は誰もいないとおもうが、強いていえばゾウのスピード、タッチアンドラン、アマの強豪あがりに技術負けくらいか。
それをもクリアして王者になるとおもう。

パワーだけ目減りして中の上くらいになったかな。

以上、主役のロマゴン、エストラーダが去った今、空洞化しちゃった階級。
その中でダントツは王者を入れてもやはりドニー・ニエテスです。
ジョンリエル・カシメロの野生とパワーが上かもしれませんが、フリピン人の2人が双璧といえるでしょう。

でもかつてはSフライの王者よりもこの階級の王者の方が強かったことになるから新たな強豪の誕生に期待です。

アローヨやビロリアは王者候補だけども有名なので省きました。
メキシカンがほとんどいなかったのがさみしいです。今の顔ぶれならまた過去の古豪が復活してもおかしくはないが、後に続くものはランカーにはいませんでした。
でも有望なのはきっといるでしょう。

ランカーで注目なのは

ムハマド・ワシーム
アーテム・ダラキアン
比嘉大悟
ビンセント・レグランド
ジャーメル・マグラモ

でした。

比嘉に大いに期待できるとおもいますが、現状では

ムハマド・ワシーム
アーテム・ダラキアン
ゾウ・シミン

の方が上。

一番力強いと感じたのは
アーテム・ダラキアン

上手いと感じるのは
ムハマド・ワシーム

です。両者とも瞬間の動きやパンチのクオリティは見るべきものがあります。
ですがそれぞれに雑とか慎重すぎるとかで恐ろしいほどとはおもえませんでした。
負けたら終わりな立場だからでしょう。

そういえば世界ランクにアンドリュー・セルビーがいませんでしたが、王者候補だとおもいます。
ややパワーレスかもですが、兄、リー・セルビーより天才でゾウ・シミンより上手く見えるテクニシャンです。

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