メキシコのポケットモンスター/フリオ・セサール・マルチネス(アグラー)
Boxing - Vasyl Lomachenko & Luke Campbell Weigh In - Old Spitalfields Market, London, Britain - August 30, 2019 Cesar Martinez Aguilar during the weigh in Action Images via Reuters/Andrew Couldridge

ロマチェンコVSキャンベルのニュースばかりでしたが、前座に行われたこの試合を改めて見直してみました。エドワーズは英国のアイドルとしてムザラネとの統一戦など口は好調でしたが、マニアならばこの相手はちょっとヤバいと感じていたのではないでしょうか?

フリオ・セサール・マルチネス(アグラー)

14勝11KO1敗

ダウン後の加撃でKOからノーコンテストになってしまいましたが、再戦の必要がないくらいの力の差を感じます。ベルトを失うことを逃れたエドワーズはすんなり再戦を受け入れるのだろうか。

といっても、マルチネスに弱点がないとはいえない。かなり小柄でリーチも短いので、接近してラッシュしないと始まらない。見切りやステップインは鋭いが被弾はする。ディフェンスが上手いテクニシャンではない。スイッチヒッターでパンチが強いが、一瞬の隙に距離を詰めて連打するだけなので、きれいなアウトボクシングやパワーのあるジャブ、ストレートに何もさせてもらえない可能性はある。ちょっとエンジンを上げた3回、加撃がなくてもエドワーズが立ってきたかもわからず、1分30秒も残りがあれば確実に仕留めていただろう。

マルチネスは少しこの男に似ている。

[st-card id=39489 ]

顔もファイトスタイルも似ている。
エドュワルド"ロッキー"エルナンデスは全勝、高いKO率のままゴールデンボーイと契約しアメリカデビュー、2戦目にして強打者相手に強引に攻めたところにカウンターを食い、壮絶に負けてしまったが、マルチネスのリスクも同じだろう。いくらタフでも強いカウンターを食えば効く。幸い、チャーリー・エドワーズやアンドリュー・セルビーにはそういう怖さがないから相性としてはかなりよかった。パワーレスなフットワーカーには強い。

エリートアマチュア、キューバやロシアをはじめとする旧共産圏の台頭で、メキシコのクラシカルな殴り合い、モーションの大きなスタイル、ジョニー・ゴンザレス的なボクシングはもう通用しなくなるのではと懸念していたが、いつの時代もメキシコにはいいファイターが現れる。

エマニュエル・ナバレッテもそういう流れで出てきたやや規格外の選手かもしれません。彼もスピーディーというわけではないが、トリッキーなスイッチヒッターでパワフルでやりにくい、底なしの体力を感じる新種系です。

https://www.youtube.com/watch?v=e0x4jmHiHIs

さて、フリオ・セサール・マルチネスが、軽量級を代表するメキシカンとして台頭していくのか、せいぜいが、エルナン・マルケスやジョバンニ・セグラ程度で終わるのかわかりませんが、田中恒成がいるフライ級に厄介な刺客が現れたといえそうです。田中の相手がジョナサン・ゴンザレスではなくこの男だったらやばかったかもしれません。

アーテム・ダラキアン
モルティ・ムザラネ

も地味ながら強いです。

日本には中谷潤人というホープもいますが、まさに鬼門なのがマルチネスのような相手だろう。フライ級はきっちり統一戦までやって整理しておいた方がいいかもしれません。

メキシコ、面白いな、決して洗練されてる訳じゃないけど、強い。
メキシコの大物はデビュー戦で負けていることも多い気が・・・

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