不在という存在/清水聡

東洋太平洋フェザー級王者清水聡(36=大橋)が、東洋太平洋同級王座を剥奪されたという。

活況の大橋ジムにあって、高齢で試合枯れ、ランディ・クリスレオンなる格下としか試合をしていないからの措置だろうが、OPBFが積極的に動くともおもえず、実質、返上、世界戦を目指すためであろう。

しかし、ランディ・クリスレオン戦の次が世界戦というのも、落差が激しくおかしな話で、世界ランク入りもしていないだろう36歳の清水の未来は不透明なままだ。

清水聡はロンドン銅メダル、アマチュアボクシング:170戦 150勝 (70KO・RSC) 20敗、アジア選手権でも銅を2つとっていることから、長い目でみれば村田諒太よりも世界的な実績のある名選手といえる。

女子の入江という金メダリストも有名になったが、実は階級下で銅だった並木に負けた過去があるのだが、メディアは非情である。

そんな清水の強さは、かなり独特で伝わりにくいものだ。ひょろひょろと痩せて長身で、スピードもキレもないようにみえるが、距離やタイミングが独特で、細身から放たれるパンチは破壊的。かなり独特の個性をもったスタイルで、見た目に反し耐久力もあり、見切りやディフェンスも独自の奥義がある。プロでもほぼKOで楽勝してきたが、落とし穴があった。

2019年7月12日、ジョー・ノイナイ(フィリピン)に6回2分18秒TKO負けを喫しプロ初黒星。この試合で両眼窩底・両眼窩内など計4カ所を骨折していたことにより、右目周囲の緊急手術を受けた。

相手に背を向け自ら棄権するほどの完敗。

フィリピンの叩き上げには実力者が混じっており、ノイナイもこれで勢いをつけたが、次にエマニュエル・ナバレッテと戦う、リアム・ウィルソンに敗れた。ノイナイは現王者の阿部にも勝ちかけていたほどの実力者だが、そのまま世界に到達するほどではなかった。

世界フェザー級は今混とんとしており、盤石王者がいない状態だ。

だから清水にも割って入るチャンスはあるとおもうが、あまりまともなマッチメイクをしていない。

大橋ジムには井上尚弥を筆頭に、話題先行の武居や拓真、清水と同じ階級には松本らがおり、これからのエリートアマも多くいる。

やれ、フルトンがデカいとか、武居がやばいとか、松本も全勝全KOだったりと、話題は豊富だが、では同じジムの36歳、清水と比べてどうなのよ、という疑問は常に残る。

身長 179cm
リーチ 181cm

もありますぜ。

ある程度、大橋ジム内で、実力のランキングは決まっているとおもわれる。

五輪の功労者にして高齢で、デカすぎ、異質すぎる清水の相手は誰もやらない?

この男に残された時間は短く、先行きが不透明すぎ、ある意味無視できない存在だ。

いきなりの世界戦が叶わなくとも、中身のある相手とやっておこうよ。

井上拓真なんてリボリオ・ソリスと決定戦と言われていますよ。

それより清水の勝負が観たいものだ。

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