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一番険しい道のり(酷道)/トゥグッソト・ニャンバヤルVSクラウディオ・マレロ

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新年、しばしの休息を経て今年もどんどん試合が組まれていく。1月のビッグイベントはなんといってもパッキャオVSブローナーなのかな。

ブローナーはメイウェザー2世のメッキが剥がれて一巡しもう3敗してますがまだ29歳なのだ。マイダナによって神話が崩されたが、異様に頑丈で盛り返してきたし、君は一体何級なのだといいたくなるほど周辺階級を彷徨い、不甲斐なく負けはすれど底だけはみせていない不気味さがある。

この試合は捲土重来、彼の本気、全てがみられる試合になるだろう。お金が大好きなのだ、ここに勝てば再びザックザクなのだ。

対するパッキャオは40歳、強さに信頼はあるが、アドニス・スティーブンソンの悪夢がよぎる。勝敗だけでなくダメージが気になる年齢だ。

昨年のマティセ戦の勝利が実に9年ぶりのKOだったように、強い、上手い、ダウンも奪うがやはり体格、体力はライト級くらいか。マルケスに逆転KO負け以来、その豪快、イケイケファイトはやっぱり少し鳴りを潜めた。

それでも、ジェフ・ホーン戦の負けは議論の余地があるし変態ファイトに巻き込まれただけであるし、相変わらず速いな、上手いな、強いなと感じるので、目立った劣化が見られぬ限りはパッキャオを推す。

と、このビッグイベントの話が長くなってしまったが、個人的注目試合は翌週、キース・サーマンの復帰戦にセットされた前座である。

トゥグッソト・ニャンバヤルVSクラウディオ・マレロ

かなりマニアックな対決なので一般には響かないだろう。
けれど個人的にはどちらも好きな選手なのだ。悩ましい。

トゥグッソト・ニャンバヤル(モンゴル)

世界選手権銀メダル
ロンドン五輪銀メダル

プロ10勝9KO

アマ時の階級は違うけど、清水より極上のアジアのプロスペクト。フライ級、バンタム級あたりのアマチュアであったが、上背があるのでプロではスーパーバンタム~スーパーフェザーでテストし、結局フェザー級に落ち着いたようだ。

モンゴルなのでキャリア構築が大変だろうなとおもったが、アルヘイモンと契約し10戦にしてはここまで無事に中身の濃いキャリアを作ることができた。マレロ戦が世界挑戦に向けた最後の試合になるだろう。

スタイルはごくオーソドックスで、我らが井上尚弥と同じボクサーパンチャーなので変則はない。センス、スピード、パワーの総合パッケージ。

井上が破竹の快進撃を続け、階級アップを期待される中でこの男との力関係がとても気になる存在でもある。やはりジェネシス・セルバニアなどに比べてもより多彩でパワフルさを感じる。同じくトップアマ出身のオスカー・バルデスと比較してもスケール感で勝る印象。

しかし最近の強豪との試合ではダウンも食い、なかなか厳しいテストになっている。KOを狙う好戦的なスタイルなので相手のカウンターを食う事もあるようだ。モンゴルという来歴から、メンタルもフィジカルもタフネスを感じるが、突き抜けて強い存在感を示しているとまでは言えない。

クラウディオ・マレロ(ドミニカ共和国)

23勝17KO2敗

ニャンバヤルほどの傑出したアマ実績はないが、こちらもトップアマ出身でパンアメリカンクラスのメダルは多数ある。リコンドーやクアドラス、コンセイソン(リオ金)などとの対戦歴もある。元WBA暫定王者でもあるが、ヘスス・ロハスに逆転KO負けですぐに王座を失った。

マトリクスというニックネームなのか、トランクスにはそう印字されており、ドミニカンによくいるタイプの天才肌だけどポカするタイプのサウスポーだ。(ホアン・グスマン、ジョナサン・グスマン、ハビエル・フォーチュナ・・・ドミニカンにはなぜか自滅ポカ型が多い)

両者のキャリア、結果だけをみると、マレロに分が悪い相手の典型がニャンバヤルであるとおもう。スピードと技術でリードしていても、屈強なタフネスに対処しきれなくなり屈する姿を過去にみせているから。

しかしこのマレロという選手はただのテクニシャンではない。
フェルナンド・モンティエルを初回KOしヘスス・ロハスと引き分けたメキシコホープのホルヘ・ララを初回で粉砕。メイウェザーが目をつけたペルーの無敗のテクニシャン、カルロス・ザンプラーノも初回で粉砕。古くは下田からベルトを奪ったリコ・ラモスも簡単に倒した。

ハマればあっさり相手を破壊する毒針、キレとスピードとセンスを持っている。

見ればわかるその才能。

個人的にはこの試合は世界戦と同等、もしくはそれ以上の才能によるサバイバルであり、現王者の

レオ・サンタクルス
ジョシュ・ウォーリントン
オスカー・バルデス

らよりハイレベル同士の興味深い対戦だ。

しかし恐らく彼ら王者はこの両者に関心はなく、ターゲットは階級ナンバーワン王者のゲイリー・ラッセルJrとなるだろう。この一戦の先も一番険しい道のりだ。

これといった弱点のないニャンバヤルに対し、試合が長引くと根性ファイターに屈する姿をみせるマレロが不利という事前予想だが、その課題を克服してくるのであればどちらが勝つかわからない。言い方を変えればマレロは序盤速攻型、かなり危険なパンチャーだ。

共にスピードを武器にするが、どちらかが明らかに速いとなれば試合の趨勢もみえてくるだろう。

序盤KOでマレロ
中盤以降のKOでも判定でもニャンバヤル

という予想
敗者が第一線から消えるのだとしたら実に惜しい才能同士の激突だ。

ハイレベルな試合を堪能したいのであれば是非注目してください。
清水が挑む世界はこんな感じになってます。

ルイス・デクバス(マレロのマネージャー)

ホンモノがホンモノと戦うことはほとんどありません。彼らは(常に誰とも戦わず)安易な相手でタイトルを手に入れようとします。しかしこの両者の戦いの勝者には世界タイトルに挑む真の価値があります。この試合は安易な世界戦に対するアンチテーゼです。勝者はフェザー級のブギーマン(怪物)になるでしょう。

私はマレロがフェザー級最強と信じているが、ツグ(ニャンバヤル)はアニマルです。今の王者に勝てるでしょう。しかしサウスポーの経験が少ない。それでも五輪銀だしアマでは無数のサウスポーとやってきたのだろう。

この試合について余計な話はいらない。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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