ツグッソト・ニャンバヤルの声があったので紹介します。モンゴル人の強さの秘密は、
- 日本人の子供たちとは比べ物にならないくらいよく遊ぶ(運動で)し、なんかしらのスポーツは小さいころからやっている
- 幼少時から日常的に飲む馬乳酒によって作られる「骨太な体」。自転車代わりに馬に跨り、草原を走ることで身に付く「体のバランス」
- 肉類や乳製品を多く食べる。半年続く厳しい冬に耐えるためで、日本人と比べて筋肉量が大きい
- 国、家族への帰属感が非常に強く、出世することで国や家族を喜ばせたい、活気づかせたいという意識が高い
- 強くなりたいという純粋な思い。夢を持ち続けているからそれに向かって突き進むことができる
でも、昨今は日本と変わらない。民主化されてから豊かになり、馬に跨る子どもも少なくなった。家の中でテレビゲームばかりやっています。
だそうです。(独自調査)
ツグッソト・ニャンバヤルは2004年4月にラクバ・シンがミゲル・カリストに勝って世界ライト級王者となり、7月にファン・ディアスに負けて以来の、モンゴルからの世界王者を目指しています。
ツグ君
「個人的にラクバ・シンに会ったことはありませんが、試合は何度か見ました。多くのモンゴル人が彼のようになりたいとおもっています。彼はヒーローです。ボクサーとしてだけでなくモンゴルにとっての希望です。私も世界王者になり、モンゴルにタイトルをもたらしたいです。」しかしニャンバヤル(10勝9KO)は王者のサウスポー、ゲイリー・ラッセルへの挑戦権をかけて、29歳のサウスポー、元暫定王者のクラウディオ”マトリックス”マレロ(23勝17KO2敗)を乗り越えなくてはなりません。試合は1月26日ニューヨークのバークレイズセンターで行われます。
この興行のメインはキース・サーマンVSホセシト・ロペスです。
ニャンバヤル”キング・ツグ”には世界アマチュア選手権、ロンドン五輪銀メダル、アジア選手権銅メダル、世界大学大会金メダル等の輝かしい実績があります。
ツグ君
「17歳で世界選手権銀メダル、20歳でオリンピック銀メダル、モンゴルでは他の誰も達成していません。しかしモンゴルにプロの世界王座をもたらすことができれば、それはアマチュアのメダルよりも大きなものでしょう。モンゴルの人々を幸せな気持ちにできますし、盛大な祝勝会が行われるでしょう。」しかし対戦相手のクラウディオ”マトリックス”マレロ(23勝17KO2敗)はメキシコのホープ、サウスポーのホルヘ・ララさえも初回KOしている。ララはそれまで11勝9KOでこの試合はノックアウトオブジイヤーの候補にも選ばれた。
5月にニャンバヤルは元王者のオスカー・エスカンドンに勝ったが、初回にダウンを屈した。
ツグ君
「何度も試合をみましたが、初回のダウンはスリップのようなものでした。それでもダウンを挽回せねばというプレッシャーはありました。うまく適応し逆転KOできました。エスカンドンはタフでいいファイターでした。けれど今はマレロに焦点を当てています。この試合にエキサイトしています。さらに良いパフォーマンスをおみせします。」
当たり障りのない記事でしたが、キング・ツグの声をあまり聞いたことがなかったので紹介しました。
個人的に燃える試合なので、別記事で何度も書いています。
映像もこちらでどうぞ。
畑山の撃沈が記憶に焼きつくラクバ・シンですが、アマチュアの実績、恐らく総合力もニャンバヤルが超えているとおもいます。しかし世界は時の運、クラウディオ”マトリックス”マレロは危険な毒針を持つサウスポーですし、王者のゲイリー・ラッセルはさらに難攻不落です。同じPBCとはいえ、めったに試合もしてくれません。
切り札というべきモンゴルの俊才ですが、この道のりはもっとも険しいものとなりそうです。井上尚弥よりも特筆すべきアマチュアキャリアです。どうか2人で凌ぎを削ってくれへんかな。
モンゴルにはリオで銅メダルをとった、日本の成松や清水より常に上にいたオトコンダライというアマチュアもいます。どうして、どこで、誰が教え、何を食って、そんなに強いのか、ミステリアスなモンゴルボクシング。
ツグ君(勝手にそう呼んでいる)の活躍でそのベールが解き明かされる日を心待ちにしています。日本のトレーニング理論とか、偉そうな常識をぶっ壊してくれないかな、相撲だってそうじゃんか、強い者は強い。ツグ君はプロになってからは米国拠点でいい環境でトレーニングしているんだろうけどもね・・・