小よく大を制す/アレクサンダー・ポペドキンVSデビッド・プライス

渋い組み合わせだが、これがこの日のベストマッチとなった。アテネ金と北京銅だからかなりの古豪同士だな。

https://www.youtube.com/watch?v=9Z5cCQxqvkY

ジョシュアをスパーで倒した男としていつも以上に注目されたプライスの出来はよかったとおもう。丁寧にガードし、自身の打ち下ろしのジャブも右ストレートもパワーがのってキレていた。

小柄なポペドキンにはこれしかないという策の通り、頭をよく振り、懐に入りボディから左右フックと理詰めな攻めをみせていたが、プライスのサイズと打ち下ろしのパンチは強烈で3ラウンドには左フックで会心のダウンを奪うも、左を打ち返されダウンの応酬。かなり驚き、プライスよりも効いた感じだ。それでも踏ん張って倒れない根性がいい。

4回のシーソーゲームを経て5回、手数と常に攻撃的なポペドキンの右スイングがプライスの側頭部を叩くと、プライスは立ったまま失神、棒立ちでがら空きの顔面に左フックを決め、完璧なノックアウト勝利。

何度も薬物違反を繰り返してきたポペドキンなのでもう信用は出来ないが、強大化するスーパーヘビー級にあって、それら巨人を攻略する手本のようなスタイルを体現しており、今日のジョシュアVSパーカーを見る限り、ワイルダーだけでなくポペドキンにも大きな可能性を感じたことは確かだ。

ダッキングで懐に入り、フック主体のメリハリの利いたコンビネーションが打てる。
攻撃のリズムが速く、一発で倒すパワーもある。
常に攻撃的でいつでもカウンターを当てる可能性がある。

ジョシュアよりワイルダーに相性のいいスタイルかもしれない。

しかし、かつてクリチコに弄ばれたように、距離を潰して得意のコンビネーションを当てぬ限りは、遠距離大砲を攻略する事は不可能だろう。

プライスは両王者以上の巨人でいいテストにはなったが、ポペドキンのプレスを止めるにはパワーも手数も足りなかった。ガードを固める時間が多く、もっとジャブを中心にパンチでポペドキンを近づかせない戦術が遂行できれば結果は違うものになったかもしれない。

体格とパワーを存分に生かした今のスーパーヘビー級より、努力とテクニックのヘビー級を応援したい自分にとり、ポペドキンはまだとても魅力的な存在だ。彼が2台巨塔のヘビー級に通じるようであれば、クルーザー級の選手にも可能性が開ける。

苦労はしたが、巨人攻略の手本のような試合ぶりに感心しましたよ。

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