福音書の密使 /エフェ・アジャグバ

絵になる男、ストーリーに事欠かない男なので、アジャグバの事は引退?いや一区切りするまでは追いかけ続けよう。アジャグバに比較される身体能力の持ち主としてNFLのジャデベオン・クロウニーの名が出てきたが、その名を知らないのでどんなすごいアスリートなのかはわからない。

最高の素材は最強になれるだろうか。

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「彼は間違いなくヘビー級王者になるだろう」

これは24歳のヘビー級プロスペクト、エフェ・アジェグバに対する大胆な宣言だ。大げさな賞賛は現場よりもむしろ、プロモーターやマネージャー、広報の口から発せられることが多いが、これはアジェグバのトレーナー、ロニー・シールズの現場の声だ。

彼はここ10年、プロスペクト、世界王者、殿堂入り王者に対してもこれほど特定のボクサーを賞賛したことはない。

アジェグバが神からの使者だと言い切る人物はシールズだけではない。2年前にスポーツ界のコンディショニングコーチとして有名なダニー・アーノルドが「私と一緒に来て、見せたいものがある」と言って2人の男を紹介した。

その2人はギリシャ神話の彫刻のような姿をしていた。

アーノルド
「あの背が高い方がエフェ・アジャグバです。」

私は正直、アジャグバ以外が誰だったか覚えていない。貧乏人が優しい王子に語りかけるようにアジャグバと会話した事はよく覚えており、なぜかその名前がずっと心に残っていた。

シールズはまだ無名のアジャグバとジョージ・フォアマンを比較していた。
その後ボクシング史上最悪のシーンの一つと言われるカーティス・ハーパー戦があった。
アジャグバをみただけで恐れおののき、ハーパーはリングを降りた。
かつてみたことのないシーンであり、この先も二度と見ることがないかもしれない。

アジャグバはスーパーヒーローなのだろうか?

シールズ
「アジャグバはサッカーをしていたんだけど、お前はボクシングをすべきだと言われその通りにした。そしてすぐに2016年のオリンピックに出場したんだ。なんてクレイジーなんだ。」

漫画のキャラクターの出世物語のようにシールズは語る。

アーノルド
「私がかつて指導してきた誰よりもアジャグバは身体能力に優れている。プロフットボールプレイヤーと比較して言っているんだ。ディフェンシブ・エンド(フットボールのポジション)の能力がすごい。」

アーノルドはヒューストン・テキサスのディフェンダー、ジャデベオン・クロウニーを最優秀選手に選んだが、それは「誰よりも大きくて強い」からだった。アジャグバはさらに彼と比べてもはるかに速いという。

アーノルド
「私がみてきた中で最強のアスリートは今のところ、エフェによく似たクロウニーだ。2人はとても良く似ている。陸上競技の素質で近いものがある。」

それだけではない。6フィート6、240ポンドという体格とNFLトップレベルの身体能力に加え、アジャグバには88インチ(224センチ)ものリーチがあるのだ。

シールズ
「アジャグバはボクシングに夢中で俺が求めることを何でもやっている。素晴らしい性格で一途で学ぶことに真摯だ。」

8試合、計12ラウンドしか経験していないアジャグバだが、その短い試合の中でもエリートだけが体現する速くて強いストレートやフットワークをみせている。

しかしだからといって彼が今すぐ世界に挑戦できる準備が出来ているという意味ではない。アジャグバは成長段階であり、学習過程だ。ベテランのプロの奥深さをまだ会得していない。また、このアフリカンにどれほどの耐久力があるのかも試されていない。

それでも、殿堂入りのマネージャーであるシェリー・フィンケルとロニー・シールズがタッグを組んでアジャグバをスターダムに押し上げようとしているからには、彼にはヘビー級の頂点へのステップアップが保証されている。

シールズ
「覚えておいてくれ、アジャグバはまだ24歳だ。前進あるのみ、出世を決して急いではいない。彼はまだボクシングを学んでいる最中だ。」

今週土曜日、アジャグバは46歳になるベテランゲートキーパーのアミール・マンスールと戦う。(マンスールがゴングが鳴る前に逃げ出さないと仮定して)このベテランが若いアジャグバに何かをもたらすことを期待している。できれば初回で終わらないような試合を。

シールズ
「それがマンスールと戦う唯一の理由だ。数ラウンドは持つだろうと期待している。しかしエフェが一発でも当てたら終わるだろう。」

シールズはこの試合が2つの方向に進むと想定している。マンスールが逃げ回って生き延びることを選ぶか、前に出て打ち合うことを選ぶか。後者になればマンスールの身内以外にとっては魅力的な試合になるだろう。

土曜の夜はボクシング界の新たなるブギーマン「The One and Only」と呼ばれるナイジェリアの悪夢が観られるだろう。

アジャグバに関しては絵になるルックスとストーリーがあるので何度も書いてきたし、こういう男がヘビー級の頂点に君臨するのが面白いとおもうので期待もしている。シールズってたしかチャーロ兄弟、ララ、スペンスなども指導しているはずの男がここまで言うからには素材だけはすごいのだろう。

しかし出世を急がない、その時がきたらという発言も目立つので今はまだボクシングが若いのだろう。このくらいの注目株になるとトップレベルとのスパーリングや絡みもあるはずなので実際の現状は誰かが把握しているはずだ。しかしメディアは核心には触れない。

土曜日に対するアミール・マンスール(23勝16KO3敗1分)というボクサーが46歳であることが驚異的だ。

スティーブ・カンニガム
ドミニク・ブレアジール(5月18日にワイルダーへの挑戦が決定)
フィリプ・フルゴビッチ(3回KO)

にしか負けていない。

直近のフルゴビッチ(アジャグバも出ていた五輪の銅メダル)との比較という意味で観戦するのが筋だろう。

漫画のように現実はうまくいくだろうか。
ある意味、ジョシュアやワイルダーよりも怖い、美味しくない、戦いたくないのが今の何も持たぬアジャグバではないだろうか。受けたマンスールの奮闘に期待だ。

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