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失うものなどないのなら/タイソン・フューリーVSトム・シュワルツ

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昨年のデオンティ・ワイルダーVSタイソン・フューリーを観てどうかんじましたか?

スポーツで勝ったのはフューリー
ファイトで勝ったのはワイルダー

個人的にはそんな印象ですが、当然決まるとおもわれたリマッチは様々な思惑で保留になりました。まだ統一戦の機運もないヘビー級ビッグ3ですが、試合もないままにそろそろ飽きてきたともいえそうです。

6月15日にタイソン・フューリーはラスベガスでドイツのトム・シュワルツ相手に復帰する。昨年12月にデオンティ・ワイルダーと物議を醸す引き分けを演じて以来のファイトだ。その後、フューリーはトップランクと契約しESPNのネットワークで試合をすることになったがこれがワイルダーとの再戦計画を台無しにした。

24歳のシュワルツは24戦全勝16KOの記録を誇るが実績で大きく劣る。ドイツ国外で試合をしたのはわずか2回でどちらもチェコ共和国だ。

試合はほぼ合意に達しているが、3月27日までその試合がふさわしいかどうか検討されている。IBF、IBO、WBA、WBO統一ヘビー級王者のアンソニー・ジョシュアを抱えるプロモーターのエディ・ハーンはこの試合に意義をとなえる。

ハーン
「ひどい試合だ。フューリーはWBC王者のワイルダーと戦って勝ちに等しい試合をしたほどの男だ。接戦だったが私の周囲は皆フューリーの勝ちだと言っていた。もし、ジョシュアがそんな試合(シュワルツ戦)をしたら人々はどうおもうだろう?フューリーを非難するつもりはない。イージーファイトで稼ぎたいんだろう。でもジョシュアのキャリアや対戦相手に散々文句をいっておいて、自分は何をしているんだという話だ。」

トム・シュワルツについて

シュワルツ
「子供の頃からボクシングをしてきた。14年間だ。そして今ラスベガスでタイソン・フューリーと戦う機会を得た。フューリーは偉大なファイターだが、俺は若く、ハングリーで無敗の世界トップランカーだ。24戦全勝だ。俺に失うものはない。フューリーに挑戦して25連勝するだけだ。」

ウルフ・ステインフォース(プロモーター)
「シュワルツにとってはキャリア最大の試合です。彼は2度のジュニア世界王者、WBOインターコンチネンタルヘビー級王座を4度防衛してきた。私は彼を信じている。失うものなど何もない。シュワルツにはフューリーに勝てるスキルがある。そうでなければこの話を受けていないよ。」

デオンティ・ワイルダーVSタイソン・フューリー LIVE

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ヘビー級2台巨頭のジョシュアとワイルダー、その中に割って入った3人目、タイソン・フューリー。常にKO狙いで手数、組み立てがなく打たれ脆さもみせるワイルダーにフューリーが勝つ可能性を感じており、そう書いてきたつもりだ。そして実際の試合も、スコアだけの勝負ならばフューリーの勝利のような気もした。

しかし勝敗を超えた次元で言えば、2度のダウン、特にラストに完璧なるダウンを食らったフューリーを勝者だ。強いのはこっちだと主張する気にはなれない。あれだけサイズの優位性があり、結構達者なテクニシャンながら、やはり上手くやりにくいだけの選手であり強いファイターとは言い難い。ヘビー級の魅力に足りない巨漢であるというのが本音だ。

昨日、既に過去の選手に近かったクブラト・プ-レフがトップランクと契約し米国デビューした。ヘビー級という金のうなる階級に駒を持たないボブ・アラムがあわてて用意した選手のように感じている。実力は劣っても指名挑戦資格があり、駒さえ持っておけばジョシュアやワイルダーとの対戦が可能なのだ。そして、ボブ・アラムの本命がこの第三の男フューリーだろう。

そのしたたかな計算はよく理解できるが、トップランクが絡むとビッグマッチが実現しづらくなる。ビッグマッチを先延ばし、身内の有望選手にそこそこ稼げ、勝って当然の試合を挟むのだ。ホセ・ラミレスしかり、テレンス・クロフォード然り、ロマチェンコもそうかもしれない。ファンが望むビッグマッチまでに時間をかける、タイミングを計る。

そんな経緯で、ワイルダーVSフューリーのリマッチも流れることになった。

話変わって、そんなトップランクの都合で急遽抜擢されたトム・シュワルツ。悪くない気がするが、相手が弱い、体格と勢いに任せた雑なファイトで制してきただけにもみえる。特別なサイズを誇るフューリーには劣るものの、体格も若さも勢いもある。アップセットを起こすには勇気をもってガンガン打ち込むことだ。昨日のクブラト・プーレフはなんとかボグダン・ディヌを下してアメリカデビューを飾ったが、決定打はほぼラビットパンチだった。北京の銅メダリストでもあるプーレフは序盤、威圧とジャブだけで右を狙っていたが上手くいかず、ディヌの強襲を受けて大ピンチ、出血にも悩まされた。そこから半ばやけくその開き直りでケンカファイトに切り替え、精度の悪い右をガンガン出していったのが結局は功を奏した。(見方によれば反則ともとれるラビットパンチなのだが)なかったかのように勝利だけが過大に祝福された。

結局、ヘビー級は特に当てた者勝ちだ。消極的だったりパンチを温存して狙っていてもなかなかうまくいかない。ガンガン惜しみなく強打を出して相手を委縮させたものが有利だ。この若いシュワルツにそういう勇気、ファイトができるならアップセットも夢じゃない。スキルとサイズの優位性はあるがフューリーは怪物のような怖いパンチャーではない。コロコロ倒れることも実証済みだ。

全階級に言えることだが、ヘビー級は特に顕著なので、リスクを承知で攻めるファイターが好みだ。だから一発狙いのワイルダーや超合金のフルパッケージなのに手堅いファイトをするジョシュアを信用しきれない。ビビったら負け、それがボクシング、ヘビー級。

今度別の記事で書こうとおもうが、2代巨頭やフューリーに勝てるかどうかは別として、今一番怖い、避けられているのはデュリアン・ホワイトであると一部の識者は言っている。誰とでも勇敢に戦い打ち合って倒す気持ちがあるからだ。

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少し納得・・・

どんな格下であろうとヘビー級が覚悟を決めてガンガン攻めてくると、相手は怯む。全部さばいてきれいなカウンターを打ち返すなんて美しいファイトは出来ない。そして大なり小なり被弾してダメージを負う。

ピンチで開き直って右を打ち出し、逆転できたプーレフの結果オーライな試合をみて余計そう感じた。

こういう事情ならばシュワルツを応援しよう。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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