小よく大を制すのか/マイキー・ガルシアVSロバート・イースター

何をもってJrなのかわからない、親父を知らないので省きました。WBCとIBFの統一ライト級王座戦です。P4P候補と言われるマイキーですが相手は長身の曲者です。

マイキー
「キャリアでもっとも難しい試合になるとおもう。イースターは自分が克服すべき課題をたくさん示す無敗の王者だ。タイトルの統一は私の夢でした。この会場はその夢をさらに特別なものにしてくれるでしょう。この試合は伝説に残るものです。7月28日、その機会を最大限に利用しようとおもう。」

イースター
「この試合は私がずっと待ち望んでいたものです。時が来ました。興奮しています。今回はじめてケビン・カンニガムとトレーニングをしています。食べたり、寝たり、トレーニングを共にしている。7月28日にデカい花火を打ち上げます。」

マイキーの緻密で鋭い教科書的ボクシングに死角はないが、170センチに満たない小柄な4階級王者だ。Sライトも制し、さらにクロフォードやスペンス戦も見据えるマイキーは本来太く、体重で劣ることはないだろうが、とにかく小柄だ。(身長168センチ、リーチ173センチ)一方のイースターはライト級が不自然なほど背が高い。(身長180センチ、リーチ193センチ)

両者の身長差は12センチ、リーチ差は20センチだ。

マイキーの盤石なボクシングは、ブローナー戦、リピネッツ戦でも相変わらずだが、パワーが通じず判定止まりであった。逆に相手のパワーを警戒し打たせずノーミスなボクシングを遂行しなければならない。一方のイースター、ランカー時代は規格外の体格とストレートでハーンズの愛称であるヒットマンを地で行くものだったが、最近の印象は少し異なる。
大柄で積極的に槍のようなストレートを突き刺す攻撃型だが、長身の優位性を生かせぬ接近戦が多い。

デニス・シャフィコフ戦も点差以上の僅差、直前のハビエル・フォーチュナ戦ではフォーチュナに体重超過はあれど負けでもおかしくない接戦に終わった。世界レベルでパワーは規格外ではない。むしろ、長い腕を畳んだ器用なブロッキングや身長ではなく慎重な試合運びで崩しにくさが目立つ。イースターは怖いというより崩しにくいボクサーという印象に変わった。攻撃力はさほどでもない。しかしハーンズと違ってガラスのアゴというほどの脆さを見せない。タフである。

この、僅差を勝ち抜く崩しにくさと大きさを小さなマイキーがどうやって打開していくかだ。

それでも接戦だとはるかに精度が良く、キレるマイキーのポイントが勝りそうなので、新しいトレーナーと組むイースターには改めて己の優位性を生かす戦術が必要だろう。

この体格差で、遠距離、中間距離はどちらが制するのだろうか?

マイキーのスピードとキビキビさにイースターが遅れをとり、肉弾戦というか、プレスをかけて前に出る展開が予想されるが、遠距離が機能するとマイキーも苦労するだろう。順当にはマイキーの判定勝ちが濃厚だが、まだ底をみせない、最近負けにくさが目立つイースターの動き、戦術次第ともいえそうだ。

正統派のマイキーの試合は、我らが井上尚弥の指標にもなる。マクドネルはパワフルでも速くもなかったが、今後、井上がレイ・バルガスのような大柄な選手と戦う時の参考になる。

スピードと出入りと正確性でイースターを凌駕してしまうのか、好き放題、体重の増減をし好みの試合を選んできたツケを払わせるのか、結構接戦になってしまうのではないかな。アップセットもなくはない。

https://www.youtube.com/watch?v=ALLeYKKM0mg&t=92s

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