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ブレない奴には変則で/マイキー・ガルシアVSエロール・スペンスJr

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マイキーに対する感心と懸念と妄想とか・・・

もしマイキー・ガルシアと比肩する能力を持つものがいるのなら、彼はまだ出会っていない。

4階級王者のマイキーは12568人を数えたショータイムのステープルズセンターで土曜の夜素晴らしいパフォーマンスをみせてくれました。それは驚くべきことではない。彼はP4Pの一角、完璧なタイミングとフットワーク、カウンターセンスを持つ特別なボクサーの一人なのです。

無敗王者のロバート・イースターjrに対して彼は次元の違いを披露した。10センチ以上の身長差を誇る相手に対して30歳のマイキーは、簡単に距離を詰めると同時にノンストップのプレスと動きで距離の優位性を打ち消した。

マイキーのシャープなパンチで3ラウンドにはダウンも奪ってみせた。回を追うごとに圧倒しユナニマスデシジョンで階級を統一した。オフィシャルスコアは118-109、116-111、117-110であった。試合後マイキーは正式にウェルター級のエロール・スペンスとの秋の対決を表明した。

マイキー
「統一できたのは大きな達成感だ。もう俺は戻ってきた。言ってるようにより大きな事を成し遂げたい。その階段を歩んでいる。俺は偉大な挑戦がしたい。エロール・スペンスへの挑戦よりも偉大な事があるだろうか、彼は相手を選ばない。だから試合をしようじゃないか。」

マイキー(39勝30KO)は真のスターになるためには無数の相手に勝たねばならない事をしっているが、スペンスもまたベストファイターであり、スペンスのサイズはマイキーがかつて経験してきたものとは別格だ。

28歳の危険なパンチャー、エロール・スペンスはマイキーより大きく、ウェルター級でも大柄だ。しかしスペンスはライト級でも小柄な部類のマイキーと対決する見通しだ。ファンやコメンテーターが否定的なことはマイキーはわかっている。しかしマイキーは未来の潜在的な敵として試合を偵察にきたスペンスを求めている。

スペンス
「彼は守備が固くてとても賢いボクシングをするから私にとっても挑戦です。しかし私には自信があり勝利を確信しています。」

スペンスは11月か12月にショータイムのペイパービューでこの試合が実現すると考えている。

両者ともにアル・ヘイモンの選手なのでこの試合の実現は難しくはない。

スペンス
「マイキーはパウンドフォーパウンドナンバーワンになりたいようだ。彼にウェルター級のパワーがあるのかわからない。でも私は彼をコントロールできるしダウンもとれるだろう。個人的にはいつでも大歓迎さ。」

マイキーもまた自信に満ちています。対戦相手の質はスペンスよりはレベルが劣るが、圧倒的なパフォーマンスを続けている以上彼の能力を疑う理由は何もない。イースターは5インチの身長差、8インチのリーチ差を生かすべく序盤は賢く戦った。テレフォンジャブを出し、マイキーのボディを叩き、左回りをしていった。

マイキーもまたジャブを効果的に使いこの距離を打開していったが、イースターは左フックを巧く使って抑えた。最初の3ラウンドのうち2ラウンドはイースターがポイントを取るスタートだったが、これがイースターのこの夜唯一の見せ場だった。

小さいにも関わらず、マイキーはロープ際にイースターを何度も追い詰め、ガードをこじ開け、右クロスの後に放った左フックで3ラウンドにはイースターからダウンを奪った。

マイキーは継続的にプレスをかけ、イースターに打開策はなくなっていった。必死に動いてジャブでマイキーを止めようとしたが効果はなかった。マイキーは接近を続けイースターをくぎ付けにしボディを叩いてイースターのサイズの優位性を無効化していった。8ラウンド以降は一方的で終わりは近いようにみえた。イースターは延命しマイキーは断続的に攻め続け、判定のユナニマスになった。

イースター
「今晩は彼に脱帽だ。自分の形を作ろうとしたがマイキーはウォリアーだった。右を当てるタイミングをみつけられなかった。」

マイキーは例え自分がアンダードッグになっても、世界で最も偉大なボクサーである事を証明するためのチャレンジをしようとしている。彼は本気で挑むつもりだ。オッズで不利と出ようがマイキーの進路を否定するのは愚かな事かもしれない。マイキーは同じリングを共有してくれるライバルを探し求めているのかもしれない。

マイキー
「エロール・スペンス以外に私が挑戦といえる、私を鼓舞する相手は誰もいません。そのチャレンジに全力で取り組みたい。私を最も刺激する戦いだから。自分に挑戦するためにボクシングをしている。スペンスが一番です。スペンスにとっては簡単な試合だと感じるかもしれません。私は小さすぎる。それはわかっています。リングで戦いましょう。」

ロベルト・ガルシア
「スペンスに挑むのは早すぎると言ってきましたが、マイキー自身が望み、スペンス戦を求めているのです。」

マイキー自身、パッキャオのような貧困とも無縁でメイウェザーのような複雑な家族関係やシガラミもなく、家族の愛情と成功に恵まれ裕福な家庭に育ったそうで、ボクサーになるとはおもっていなかったそうです。弁護士になるつもりだったとも書かれていました。だから自分のプロモートは自分でやる。トップランク相手にも不満を感じ訴訟を起こしたのかもしれません、ボクシング同様のインテリなのでしょう。

何もそこに行かんでも、同階級にロマチェンコという贅沢すぎるご馳走があるのに・・・
という印象ですが、マイキーにはメイウェザーに並ぶような複数階級制覇、無敗、P4Pナンバーワンの野望があるようです。そこには得意、噛み合う、やってみたい相手という意味合いも含まれているような気がします。

昨晩の試合で関心したのは相変わらず、マイキーの安定感、軸が全くブレず、大きくて遠く、鋭いはずのイースターのジャブを全く苦にせず、インに切り込んでいくところです。ブレないから接近戦の打ち合いでも回転力や正確性、シャープネスは上回ります。

この記事では8ラウンド以降は一方的であったと書いてありますが、自分の印象では9ラウンド、距離をとっても敵わないイースターが覚悟を決めて打ち合った時こそが見どころで、結局マイキーのブレない正確性に負けましたが、何発かはヒットしマイキーに鼻血がみえたような瞬間がありました。

ここまで相手がよく見えて、軸がブレず、長いジャブをスイスイかいくぐってしまうマイキーを観ていると、彼とアウトボクシングをしていても無駄にみえてしまいます。フィジカルでゴリ押ししていった方がいいのではないか。アウトボクシングをしていてもマイキーは無傷です。サリド戦でもマイキーはダウンを奪う快勝でしたが、たしか後半に肉弾戦に巻き込まれ、負傷決着だったような気がします。リスクはあるが彼に圧力を、ダメージを断続的に与えるプレッシャーをかけた方がいい。

シャープネスにシャープネスで対抗しても難しい。耐久力と変則に疑問視の残るマイキーには変化球なファイトが活路だとしかおもえません。

それが出来そうなのがロマチェンコであり、タンクのような野生を持つデービスであり、厳しいがマイキーより瞬間速度が上かもしれないリナレスなのだ。WBSSに出る面々、プログレイスなども興味深い。ファイトしないと話にならない。

しかし、マイキーは彼らを相手にする必要はないと感じているのか、自分はもっと格上であると。

クロフォードとの階級最強決着はついていないのに、スペンスの名前ばかり出すのは、危険だけど愚直で前に出るファイトをしてくれる彼の方が噛み合う、誰もがウェルター級にふさわしい体格を持つスペンスこそが真の帝王とおもっているから

なのかな。

素晴らしい血統を持つマイキーだが、アマではクロフォードやディエゴ・マクダレノらに負けている。それがプロでここまで研ぎ澄まされてブレないクラシカルな強さを誇るのが不思議で仕方がない。リカルド・ロペスのようであり、井上尚弥のようでもある。

あぁ、きっと井上尚弥も、ゾラニ・テテを前にしても、昨日のマイキーのように、余裕でジャブをはずし、見切ってインに切り込んでいけたら盤石なんだろうな。と感心してしまうと共に、小さすぎてパンチの当たりは浅く、いつも同じ展開でやや退屈でもありました。

そりゃ、スペンスはきっとがっつりマイキーを受け止めて、前に前に、正々堂々ガチンコな打ち合いをしてくれるでしょうが・・・

この試合は実現しちゃいそうな勢いです。
燃えるけれども複雑です。

マイキーVSロマチェンコ
スペンスVSクロフォード

の方が観たい。

内山高志との試合を夢見た時期もありましたが、とんでもない次元に行ってしまいましたね。
元フェザー級王者ですよね、たしか。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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