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クリアカンのライオンの陰で/ホセ・ルイス・カスティージョ

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かつて読んで見逃していたのは、メイウェザーへの評価が高すぎつまらなかったから。初戦はカスティージョが勝っていたといえるほどの試合を演じたのに、あまりにメイウェザーを評価しすぎじゃないかと。その後、ホエル・カサマヨールがカスティージョの戦術面を高評価していたり、コメントで「坂本がいいところなく敗れたバサンを一方的に下したり」とやはり日本人的には規格外のファイターだったなと振り返る。対戦すら敵わなかった。

ホセ・ルイス・カスティージョとディエゴ・コラレスの戦いから10年が過ぎた(記事当時)。ライト級のベルトホルダーは戦争を繰り広げ10回残酷で熱狂的なダウンの応酬を経て最も劇的な結末をもたらした。

カスティージョとコラレスはどちらも積極的なファイトスタイルでライト級では大柄でKOパンチを持っていたので、試合は熱狂的になったが、誰も実際は互いについてそこまでよくわかっていなかった。

この試合はWBCとWBOのライト級王座統一戦として大きな興行となる。試合自体は、序盤から接近しての激しい殴り合いの消耗戦になった。10ラウンドに入ると序盤にカスティージョのタイミングのいいパンチが決まりコラレスからダウンを奪った。

コラレスは立ち上がったが、誰の目にもコラレスのダメージは大きく見え、ほぼグロッキー状態になり直ぐに2度目のダウンを奪う。立ち上がったコラレスは足元もふらついているように見え、通常であればテクニカルノックダウンが宣言されるような状態だったがレフェリーは試合続行を認めた。また激しい接近戦が再開され、今度はコラレスのパンチがカスティージョの顎を捉えた。

カスティージョはロープに詰まっていたためレフェリーは試合続行を認めず、テクニカルノックダウンを宣言した。結局大逆転の10回TKO負けとなり、カスティージョはタイトルを失う。この試合はコラレスが2度のダウンの際、マウスピースを故意に吐き出して時間稼ぎをしたことと、レフェリーの試合を止めるタイミングが後々論争を呼んでしまったが、観客にとっては試合自体はお互いの意地を張った見ごたえのある試合となり、リングマガジン ファイト・オブ・ザ・イヤーに選出された。

まるで映画「ロッキー」が現実化されたような壮絶な試合となった。

試合を振り返り、カスティージョはこの試合を苦い思い出ではないという。歴史的な試合に関われて幸せだと

カスティージョ
「コラレスとエキサイティングな殴り合いをして人々を喜ばせることができました。負けたにも関わらずその後ファンが増えたので私は満足しています。」

ボブ・アラム
「アリVSフレイジャー、ハグラーVSハーンズに並ぶトップ3の戦いだ。」

初戦の論争の結果、リターンマッチが組まれたが、カスティージョは前日の計量にパス出来なかった。当日計量にもパスできず世界タイトル戦として組まれた試合であったが直前でノンタイトル戦となってしまう。試合自体は序盤からコラレスを圧倒し4回KOでカスティージョが勝利した。
雪辱を果した形になったが、計量パスできなかったカスティージョは試合当日には重量でコラレスを大幅に上回っていたため、また論争を呼ぶ結果になってしまった。

結局2戦とも禍根を残す結果となり、ラバーマッチが組まれた。この試合の元々2006年2月4日に予定されていたがコラレスがわき腹を負傷したことで2ヶ月間延期された。前日計量でカスティージョは4.5ポンド体重超過の失態を犯す。前回の試合ではノンタイトル戦として試合を行うことを承諾したコラレス側も今回は試合をすることを拒否、試合は中止となり、カスティージョには6ヶ月の試合出場停止と罰金が課せられた。

41歳になったカスティージョは(2014年)直近の試合、ルスラン・プロボドニコフに敗れ、晩年を彷徨っている(結局引退)コラレスはカスティージョとの初戦から2年後、バイク事故でこの世を去った。

カスティージョはキャリアの初期に、伝説のフリオ・セサール・チャベスと一緒に練習した。一生懸命練習に励むことがどれほど大切かをチャベスから学んだ。

カスティージョ
「クリアカンのライオン(チャベス)ほど頑張った人はいないとおもいます。その経験があったから自分も成功できたのです。」

世界初挑戦までに国内で4敗していたカスティージョは2000年からは階級をライト級に上げて6月17日にはスティーブ・ジョンストンを2-0判定で破りWBC世界ライト級王座を獲得した。この試合はリングマガジン アップセット・オブ・ザ・イヤーに選出された。同王座を3度防衛した後、2002年4月20日にフロイド・メイウェザー・ジュニアの挑戦を受ける。この試合、カスティージョは強烈なプレスで何度もメイウェザーを追い詰めるが、0-3の判定で敗北し、王座から陥落した。

しかしこの判定結果には観客からブーイングが飛び、ボクシング関係者の採点もカスティージョの勝利とする見方が大多数を占めた。メイウェザーとは同年12月7日にリターンマッチを行うが、これは明確な僅差の判定で敗れた。

カスティージョにとって最も誇り高き瞬間はアンダードッグとして世界タイトルを獲得したスティーブ・ジョンストン戦であり、2004年、オスカー・デラホーヤVSフェリックス・シュトルムの前座でファン・ラスカーノに挑みタイトルを取り戻した瞬間だという。

カスティージョ
「記者会見でラスカーノは言いたい放題だったので本当に彼を憎み痛めつけたいとおもっていました。しかしラスカーノは想像以上に強くて大変でした。とても満足できる試合でした。」

その後五輪金メダリストで2階級王者のホエル・カサマヨールやフリオ・ディアスを破った。

2007年、ジュニアウェルター級でリッキー・ハットンに敗れたカスティージョは25年に渡る80戦ものキャリアを振り返った。

66勝57KO13敗1分

ベストスキル フロイド・メイウェザーJr

彼以外にベストスキルはいません。

ベストジャブ フロイド・メイウェザーJr

長くて速かった。

ベストディフェンス フロイド・メイウェザーJr

彼にパンチを当てることができなかった。

ベストチン フロイド・メイウェザーJr

当てることができなかったので最高のアゴを持っていたといえよう。

ベストパンチャー ファン・ラスカーノ

とてもヘビーなパンチを持っていた。

ハンドスピード フロイド・メイウェザーJr

最速だった。

フットワーク フロイド・メイウェザーJr

動き回られてパンチを当てる設定ができなかった。

スマート フロイド・メイウェザーJr

必要に応じてスタイルを変えることができる男だった。

屈強 ファン・ラスカーノ

今まで対戦した中で最もタフなファイターだった。ただ純粋に屈強なファイターだった。

総合 フロイド・メイウェザーJr

今述べた全ての属性に基づいて彼がベストだ。

インタビューがとても淡白なのは体重超過の常習犯としての自覚か、フリオ・セサール・チャベスの影武者に過ぎないという立場か、あるいは激しいキャリアの代償で少しダメージがあるのか・・・

スピードはなく何がそこまで強いのかわかりにくい王者だったが、カサマヨールが言うように、カスティージョのボディはこの世のものとはおもえないほど重く、インタビューでも少し出てきたように

「really couldn’t set to punch away.」メイにはパンチを当てる設定ができなかった。

パンチを打ち込むポジショニングやリングワークがとても上手かったのだろう。日本のライト級あたりと比べると大きく、次元が違うような印象もあった。

全体をみると雑草のようなキャリアだが、チャベスの練習パートナーとして実践で鍛え抜かれた強さは相当だったのだろう。もしメイウェザーに幻の1敗が記録されるならこの男であるし、負けるとおもわれた相手を倒して勝つなど底知れぬ、得体の知れぬ強さを誇った。これがメキシカン独自の強さだろう。

メキシカンの根性とボディのルーツ、伝統を強く感じる選手であり、ボディパンチャーは得てして自分もボディが弱く、体重超過をやらかす。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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