先週末、個人的にはカレブ・プラントのハイテクボクシングに感銘を受けたが、メインはサタデーナイトではなくフライデーナイト、ゴールデンボーイプロモーションの興行でした。
ホルヘ・リナレスVSカルロス・モラレス
[st-card id=99070 ]モラレスは戦績こそ雑草でも、MDなどが多くKO負けのない選手で、この日メインのライアン・ガルシアに0-2で惜敗した選手。動作が美しいのはリナレスだが、リナレスに負けない互角のスピードと技術を披露していた。しかし3回の一瞬の交錯でリナレスが突き刺した見えないほど鋭い右ショートカウンターで効かされ、続く4回にフェイントの右を食い倒壊。リナレスのショートカウンターの精度が冴えわたる完勝となった。リナレスはガラスの脆さをみせる事があるが、それ以外は本当に均整がとれて切れ味も鋭い。日本での調整が一番、ガルシアと戦うと言っていた。
ライアン・ガルシアVSフランシスコ・フォンセカ
[st-card id=99073 ]しかしリナレスのKOを食ってファンの心を鷲掴みしたのがメインのガルシアだ。前戦のロメロ・デュノ戦に続く瞬殺KOで実力派のフォンセカを左フックで初回で失神させた。
期待のプロスペクトから全勝の快進撃を続けるも、ジェイソン・ベレス、カルロス・モラレスに大苦戦してカネロが師事するエディ・レイノソ門下に入って瞬殺の強打者に生まれ変わった。
ガルシアはスリムなリナレスよりもさらに身長が高く細身でリーチも長いので、基本的にはアウトボクサーであり、下がる、引いて試合をすることが多い。フィジカルでプレスをかけていくタイプではない。
しかし身体は引いても、突き刺す前手、ジャブやストレートが速く切れ、何よりも左フックが独特で強烈だ。上体をかがめて腰を入れて打つような教科書的なものではなく、直立したまま、腕だけしならせる突き押しのような打ち方だが、フォンセカはエグイ貰い方、効き方をしていた。
これがあると今後の相手はガルシアの懐に容易に入っていけなくなる。この厄介な前手をどう無効化するかが対戦相手の課題となる。顔は遠く、突き刺すパンチが強烈に邪魔というスタイルだ。
それでも、現在、この階級の主役は上記の2人ではない。
ワシル・ロマチェンコであり、ジェルボンタ・デービスであり、テオフィモ・ロペス。そして、WBC王座をかけて、ルーク・キャンベルVSハビエル・フォーチュナが決まっている。WBC正規王者はテビン・ヘイニーじゃなかったっけ?
ロマチェンコを頂点にアメリカの若い勢力で牛耳ってしまいそうなほど他のファイターが出る幕がない、話題になりずらい階級になっている。
ガルシア
「シュガー・レイ・ロビンソンの左フックを真似たんだ。完璧だった。17歳でプロになってまだ21歳だ。みんなを追いかける準備ができた。さあ、行くぜ。」
テビン・ヘイニーについて
ガルシア
「アマチュアのライバルでした。尊敬しています。アマでは神は彼に微笑んだ。私たちはいいファイター同士です。戦いましょう。」
ホルヘ・リナレスについて
ガルシア
「リナレスのパフォーマンスが良ければ、次の対戦候補と言われていました。2020年はリナレスを破り、ゲルボンタ破り、ヘイニーを破ります。」
ホルヘ・リナレス
「自分でも驚いてるけどまだ出来ると証明したよ。4階級目を狙っていたけど失敗した。でも今はライト級に戻した。今がキャリアでベストの瞬間だ。日本で充電しライト級でベストを尽くすのが一番だ。ライアン・ガルシア戦の準備はOKさ。」
既に7月11日にライアン・ガルシアVSホルヘ・リナレスと書かれているものもありました。
リナレス
ゲルボンタ
ヘイニー
いずれかが実現するだけでも、ボクシングの起爆剤となりえるマッチメイクだろう。ライアン・ガルシアはフランシスコ・ボハドやアミール・カーンやホセ・ベナビデスのようでなくゴールデンボーイになれるのだろうか
若さと勢い、人気は本物だ。
凡戦のあとに突如瞬殺マシーンに変身したので、まだ未知な部分はあり、デービスやテオフィモの方が好みだが、女性人気、主役はガルシアだろうなぁ。