今度のメリンドは戦い続け、疲弊した姿ではなく、心機一転、フレッシュで新たな一面をみせるかもしれません。
2017年にタイトルを失ったミラン・メリンドにタイトなスケジュールを課すのは難しい。
初回に3度のダウンを奪い、八重樫からタイトルを奪ったメリンドは、4か月後にヒッキー・ブトラーと戦い、スプリットで防衛に成功、さらに3カ月後には日本で田口良一と統一戦を行い、判定で敗れた。目まぐるしい7カ月を経て、メリンドはめったにない事をしました。休息をとったのです。
メリンド
「私の身体にとっては休息は良かったです、ボクシングは残忍なスポーツで、リカバリーが大事でした。」休息は激しい戦いを演じてきたメリンドの傷を癒しました。30歳のメリンドが王者になりたがっていた若かりし頃の理由や、なぜ今も戦い続けるのかを思い出させてくれました。
メリンド
「既に王者であっても常にハングリーでい続ける。休息は私に大事な事を思い出させてくれました。」半年間休息し、メリンドは再びジムに戻ってきました。
10月7日にWBCライトフライ級王座をかけて、拳四朗(13勝7KO)に挑戦が決まりました。それは彼がタイトルを獲得し、同じくタイトルを失った日本で開催されます。拳四朗は八重樫よりも若く上り調子の26歳です。3度の防衛に成功し、最近の2試合は早い回で相手をKOしています。
敗北にも関わらず、メリンドは自信を喪失していないといいます。
プロモーター
「田口に負けた後でもメリンドの自信は揺るぎないものでしたが、時にそれは過信につながります。今回のオファーを受けて、メリンドは躊躇なく試合を受け入れました。これは私が求めている戦いだと。」メリンドのトレーナーはこの試合を「現状を打破するための試合」と位置づけました。田口戦での戦術ミスを理解しているので、あの試合よりもいいメリンドに仕上げる自信があるといいます。
メリンド
「拳四朗は優れたテクニシャンです。インもアウトも出来る。どうやって彼をコントロールするかわからない。言えるのは全力を尽くすという事だけです。」
電撃の八重樫戦を経て、田口に王座を奪われたメリンド、その田口の統一も束の間、メリンドが下したブトラーに全てを持っていかれました。いずれも接戦で、彼らは戦うたびに結果が異なるような僅差であったとおもいます。だからこそコンディションや戦術が大事になってくるでしょう。
まだ30歳のメリンドですが、歴戦の傷跡深く、毎回カット、流血に悩まされる選手です。世界のトップを駆け抜けた彼にとってはラストチャンスに近いものがあるかもしれません。
対する拳四朗は、試合毎に強さ、自信が増し、ダメージも少ないこれからさらに伸びそうな王者ですが、メリンドは過去最強の相手でしょう。
10月7日、世間の注目はWBSSの井上尚弥VSパヤノ、マニアとしてはレリVSトロヤノフスキーを楽しみにしていますが、TV的には(民放でやっちゃうんだろうか?)拳四朗VSメリンドがセミファイナルになるかもしれません。
歴戦の古豪が八重樫戦の悪夢を再現するのか
時は流れ、新たな王者の時代を印象づけるのか
なかなか興味深い組み合わせです。
https://www.youtube.com/watch?v=x_PbVl6-1c4
https://www.youtube.com/watch?v=vCPXC4RCz1I