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虎はなにゆえに/エレイダー・アルバレスVSセルゲイ・コバレフ2

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2月2日の因縁のリマッチ。試合に備え、軽く復習、紹介しようかとおもいましたが、引用した記事がエラく崇高で神妙なので大変になってしまいました。この試合はボクシングの多くの示唆、含蓄を含む、重い、深い味わいの究極ファイトのようです。なぜそうなのか、人間のエゴ、栄枯盛衰、哲学、真理まで意識してみると、人生を写す鏡となるようなファイトになるかもしれないからです。

セルゲイ・コバレフVSエレイダー・アルバレス LIVE

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エレイダー・アルバレスは長い間、タイトルマッチを待ち続けていました。
必須の指名挑戦者としての権利を得ても、当時のWBC王者、アドニス・スティーブンソンとの間には何度も亀裂が生じ、試合は永遠に実現しませんでした。

そして遂に、セルゲイ・コバレフVSマーカス・ブラウンの対戦交渉が途絶えた時、連絡がやって来た。コバレフの豪打に耐え抜き、7回に逆転ノックアウト、アルバレスは遂に積年の悲願を達成した。しかしアルバレスはもう一度それを行う必要がある。

コバレフは初戦の結果を「事故」と言っている。

アルバレス
「コバレフのその発言こそが彼の弱点だ。現実を認めて調整すべきなんだ。言い訳なんかいらない。あれが偶然の事故でなかったことを世界に証明するために、懸命にトレーニングしてきました。」

コロンビアからカナダのモントリオールに移住した34歳のアルバレスの能力は過小評価されています。コバレフへの勝利は忍耐と経験の賜物といえた。

アルバレス
「初戦は色々相手の出方をみて戦ったが、もうコバレフの攻略法はわかっている。コバレフが戦ってきた相手はリングに上がる前から彼に怯えていた。そこが気に食わなかった。俺はどんなに打たれて劣勢でも、まだできる、逆転の気持ちもパワーもある事を示そうとしていたんだ。今のコバレフはどこかに弱さの兆候がみてとれる、そんな時はまた同じ事の繰り返しさ。再び、彼の言う事故は起こるだろう。俺がスターになる時が来たんだ。」

セルゲイ・コバレフ

敗北をどのように解釈するかは、改善のためには重要な事です。

2月2日、ファンはセルゲイ・コバレフが何を改善して再戦に臨むのかが気になります。彼はリベンジできるでしょうか。もちろん、コバレフは半年間、ずっと自問自答してきたはずだ。

「俺はアルバレスを倒すことができるだろうか」
「アルバレスは俺より優れたファイターなのか」
「俺はただ休暇をとっているだけなのか」

コバレフ

「私には十分なスタミナ、エネルギーがありませんでした。怠け者でした。コンディションに問題があったようでした。自分のボクシングキャリアにおける最大の過ちでした。そこを強調してください。今回、バディ・マクガートに師事し、100%コミュニケーションをとりトレーニングに励んできました。再戦ではその成果を発揮します。

今回はゼロからトレーニングを開始しました。今までは自分のスタイルを考えたり改めたりしてきませんでした。アマチュア時代の延長で戦ってきました。コーチも私のスタイルやコンディションについて何も言いませんでした。それで結果を出してきたのです。バディは新鮮な風を送り込んでくれました。アマチュアの頃のような引き出しを思い出させてくれました。何もノックアウトだけがゴールじゃない。倒すに越したことはないが、それだけがボクシングじゃないと。
前戦、アルバレスはラッキーだった。私がほんの2.3秒間集中力を欠いた。1秒間の欠如。ダウンに対して心の準備ができていなかった。しかしそれを言い訳にはしません。土曜の夜に結果で示すまでです。」

コバレフには敗北に対する言い訳が必要だが、36歳になり全盛期が過ぎ、反射神経が鈍り、パンチを食ってダウンする自分よりも、アルバレスがラッキーだったという言い訳の方を好んだ。コバレフはアンドレ・ウォード、アルバレスに負けて言い訳をした事でSNSでは「痛い敗者」と言われています。

かつてのトレーナー、ドン・ターナーやジョン・デビッド・ジャクソンは自分の言う事を聞かないからこうなったのだと言うかもしれません。

この試合について、焦点をあててみよう。

コバレフはアルバレスに対し優勢で、勝利は手堅いような試合をしていました。しかしボクシングというのはたった一つのパンチでそれをひっくり返してしまいます。それがアルバレスが起こしたことであり、コバレフはそれをラッキーと主張する。しかし、我々はコバレフを観て、知り始めている。彼は終盤になると消耗し、相手の抵抗に苦労すると。

このような試合においては2つ言えることがあります。

1つは
「明らかに優勢で勝利同然だったが、相手がラッキーだった。」

2つ目は
「ボクサーとしての弱点が浮き彫りになってきた。」

ボクサーには誰しも弱みがあり、それはミクロレベルです。能力、準備、タフネス・・・ボクサーがそんなミクロな弱みに捉われると一番大切な「虎の目」を失う可能性があります。ボクシングは特に身体を傷つける危険度の高いスポーツなので「虎の目の本能」が必要とされます。ずっとトップレベルで戦い続けていくと見失われる何かがあり、コバレフはまさに今その岐路にいます。

かつてジョージ・フォアマンが、モハメド・アリにキンシャサの奇跡で敗れ、奈落の底にいた時、興味深い話を聞いた。

「ボクサーとしてすべき唯一の戦い、誰も自分のお金を全て奪うわけではない、プロボクサーとしての時間、厳しいビジネス、傷つきたくはない。そんな時、ボクサーは頼るべき何かを持っているんだ。決してエゴではなく・・・頼るべき何か、これが起きると、開眼し、何かを得ることができる。全キャリアを注いでベストファイトができるんだ。

「俺が気にしているのはド・レ・ミだけさ」とソニー・リストンが言っていたんだ。

それを聞いた後、俺はリストンが生涯ベストな戦いをするのをみた。なんて言うべきか、時には休息、エゴを捨てることが、力を生み、偉大なファイトを生む、勝利さえも、という事だ。」

コバレフが挑むこの試合には、通常とは異なる視点、可能性がみてとれると言います。

「労働者が与えられた仕事を期待されたパフォーマンスでこなし、正当な賃金を得るだけ。事は単純だ。そんなに難しく考えたり分析をしないでただただ職務を果たすだけ。」

アルバレスに負けて受けたダメージが、立ち直れないほどひどいものなのかどうかは、コバレフにしかわからない。彼の心は他人に推し量ることはできない。私は、加齢とともにアゴが強くなるとはおもわないし、張り詰めた糸が切れ、一度食らったノックアウトはキャリア終盤に増えていくと考えている。国王も国王の馬も敗れ去った者は立ち直ることなどできないのだ。それがコバレフのアゴであり、私が再戦でアルバレスを支持する理由です。

コバレフVSアルバレス2、どちらがどのように勝利するのだろうか・・・

エレイダー・アルバレスVSセルゲイ・コバレフ2

まわりくどく知的な表現をなるべく避けて、自分がわかるように要約しました。

要は、コバレフは劣化しており再戦でも負ける
とこの記者はいいたいようです。

ジョージ・フォアマンの言葉が難しくて、いや簡単か、つまりソニー・リストンは何も考えず、科学的な分析や心の傷など屁のかっぱで殴る仕事をしただけ、それが一番の強みだったという事か。

All I care about is the‘Do-re-mi”

ボクシングに人生や時間を重ねてみると、いかにも36歳のセルゲイ・コバレフに終わりの時が近づいているようなムード満載で、34歳と決して若くなく、遂に悲願を成しえたエレイダー・アルバレスの物語へと引き継がれていくのが世の常のような気がします。

しかし、リングに神はいない、非情なそのリアルをボクシングの醍醐味にしている私にとっては

虎はなにゆえ強い、もともと強いからよ

ソニー・リストンのようなシンプルさで、怪物コバレフが剛拳を振り落とす姿が観たいです。

アンドレ・ウォードに議論の余地ある判定、再戦はローブローに泣いたセルゲイ・コバレフ。復帰後はなぜか、テクニカルに、ボクサー寄りにスタイルを変えてきました。しかし彼の一番の強みは序盤から相手を畏怖させる剛拳、ジャブでノックアウトする破壊力です。巧さは贅沢なおまけです。

どんなに強がっていても、エレイダー・アルバレスの方が練習量は多いし心も強い。人として出来ている。ならば、判定勝負など捨てて、虎になって襲うのみ。本能、「虎の目」だけがコバレフの持ち味だ。

なので、後半にもつれたら同じ過ちを繰り返すと考えます。
色んな意味で深い試合になりそうです。

そして、凋落の影がみえたコバレフと決して若くないアルバレスを尻目に、この男がいよいよ勝者に挑むと手を挙げました。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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