階級別 ミドル レジェンド

Mr.ソクラテス/マービン・ハグラー

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内山の記事でボクシングをみてるとランニングマシーンの退屈な時間もあっという間に過ぎると書いたが、はじめてそれに気づいたのがマーベラス、マービン・ハグラーの試合でした。「Mr.ソクラテス」というのは個人的な遊びですが、彼こそがボクシング(という哲学)の教祖、ファイターのいいところ尽くし。この男だけ見れば十分といえるほど。

マービン・ハグラーは彼の愛称である「マーベラス」なファイターそのものだった。息をのむようなヒッティングマシーンでありすさまじいパワーを持ったアグレッシブファイターであり、頑丈なアゴを持っていた。ジョアン・ロッドマン戦で生涯唯一のノックダウンを屈したがあれはスリップだと主張する。

ハグラーは比較的早いキャリアで2敗したが、それ以降は36連勝1分、唯一の1分はビト・アンツォフェルモ戦で議論を呼ぶものといえた。

1980年にロンドンでWBA WBCミドル級王座をかけてアラン・ミンターと戦う以前からハグラーを世界最高のミドル級と呼ぶ声は囁かれていた。試合はミンターの負傷ストップで終わり、ハグラーの時代が幕を開けた。

5年に渡り防衛12回、ノックアウトは11を数えた。その過程でIBF王座も獲得、相手にはロベルト・デュランやトーマス・ハーンズ。ジョン・ムガビなどが含まれている。ハーンズ戦はボクシング史上最高傑作のひとつと言われ、初回からアクション満載だった。額に深いカットをしたにも関わらずハーンズを圧倒し3回1分52秒で深々とマットに沈めた。

ハグラー
「ハーンズ戦で俺が探し求めていたものが遂にもたらされた。そういう試合になるだろうとおもっていた。お互いを嫌悪、憎悪していたからです。」

1986年にジョン・ムガビに勝ったハグラーは翌年、人気者のシュガー・レイ・レナードと対戦する。スロースタートとなったハグラーだが後半に巻き返した。しかし採点は非常にもスプリットでレナードを支持した。

ハグラー
「負けたとはおもわなかった。ノックアウトで決着をつけたかったが、レナードはリマッチを拒否した。彼らは人生の教訓だった。俺のボクシングに憎しみを植え付けた。レナードは俺の記録をみて言うだろう、おいハグラー、もう忘れろよ、俺は狂ってるかい?もし形成逆転があれば(俺が王者のままだったら)再戦の機会を与えただろう。それが真の王者というものだ。」

この試合を最後にハグラーは引退した。1993年には国際ボクシング殿堂入りを果たした。

通算戦績
62勝52KO3敗2分

あなたの栄光、辛苦を、一人のラッキーボーイがぶち壊しただけで、どうしてグローブを吊るす必要があるのか?

ハグラー
「自分に証明すべきことがもう何も残ってないと悟り、リングを去るのがベストだとおもったんだ。」

ハグラーはもし可能であれば、1977年に引退した伝説のミドル級、カルロス・モンソンと戦ってみたかったと述べた。ハグラーは当時はまだミドル級のコンテンダーに過ぎなかった。

ハグラー
「興味深い試合になっただろう。モンソンは偉大な王者だった。でも俺なら彼をトラブルにできたとおもうよ。」

ハグラーはその後はイタリアに移住し、過去の拳友たちについて語った。

ベストジャブ トーマス・ハーンズ

ハーンズはジャブとフットワークに固執していたな。素晴らしいジャブをたくさん打ってきたよ。

ベストディフェンス シュガー・レイ・レナード

レナードはファイトしてこなかった。判定狙いで距離をキープし続けた。俺を倒す気がなかった。ただサバイブしたいだけだった。だから、サバイブするためにベストなディフェンスをしたと言わなきゃならないだろう。

ハンドスピード ロベルト・デュラン

3回にデュランの右を食った。何が起きたのかわからなかった。俺がジャブを打つとデュランは必ず右を合わせてくるんだ。さほどダメージが残るものじゃなかったけど、イライラして戸惑った。どうしていいかわからなくてコーナーに戻るとデュランはタイミングを図っているんだ。お前のジャブに必ず右を合わせてくるという。それでようやく目が覚めて、ジャブを囮に使ってオフェンスを立て直すことができたんだ。

フットワーク シュガー・レイ・レナード

レナードと言わなきゃならないだろう。彼は動いていたんじゃなくて逃げていたんだ。そんな奴を捕まえるのは難しい。俺は王者だから彼とファイトがしたかった。俺はファイターだ、打ち合おうじゃないか、俺はこの試合ではアンダードッグと言われていた。レナードは俺からタイトルを奪いに来たんじゃない。サバイブしにきたんだ。逃げ切りたい奴を倒すのは難しいよ。

ベストチン アラン・ミンター

信じられないかもしれないがミンターだね。彼は王者だったし負けたくなかったんだ。俺はミンターを殴りたくさんヒットさせた。でも驚異的なタフネスで立っていた。俺は感動したよ。これぞ俺が望んでいた試合だ。殴り続けた。不幸にも彼は早い回で流血していた。俺はあらゆるパンチで彼を殴り続けた。彼はそうとう痛めつけられたよ。

スマート 戦ってきた全てのファイター

俺とリングを共にしてきた連中は全て俺との試合に合意、契約した者たちだ。タフな試合を覚悟してきた奴らだ。持てる全てのスキル、頭脳、フィジカルとメンタルを駆使して向かってきた。特に俺は特殊なファイターで左右どっちでも戦えたから俺に合わせるために厳しいトレーニングをしてきたはずだ。誰と戦う時も同じ戦い方はしなかった。どんな試合も常に前戦よりもいいコンディションで臨んだんだ。

ストロング ジョン・ムガビとトニー・シブソン

計量でシブソンをみた時を思い出すよ。ヤツは強かった。胸にパンチを受けて俺より強くてデカいと感じたよ。本当にミドル級なのかってね。ムガビも強かった。ミドル級より重いと感じた。まるでライトヘビー級のようだった。ヤツも俺をミドル級とはおもわなかったんじゃないかな。パンチを交換してみても恐ろしく致命的で強いパンチだった。本当にライトヘビー級のようだった。だから彼のパワーを削るのが大変だったよ。

ベストパンチャー ジョン・ムガビとトーマス・ハーンズ

なぜなら彼らは打ち合いに来たからだ。俺からタイトルを奪いに立ち向かってきたからだ。ムガビはアッパーを打ってきた。俺は効かなかったが強烈なパンチだった。あのパンチで目が覚めたよ。戦術を立て直す必要があるってね。ハーンズも一発いい右を打ち込んできた。いいパンチだったよ。これがこいつの最高のパンチか、もっと打ってこい、俺は益々アグレッシブになった。俺はハーンズにプレッシャーをかけ続けて彼を動かし続け、あの右を出させるしかなくしていった。初回から逃げ道を封じていったんだ。

ベストスキル ロベルト・デュラン

デュランと言わねばならぬだろう。俺はデュランとのファイトが大好きさ。互いのスキルと才能を全力で出し切った。俺はタイトルを守りたかったし、デュランは4階級制覇したかった。追いつ追われつのゲームさ。あの試合を最高に楽しんだ。エキサイティングだったよ。

総合 ロベルト・デュラン

デュランと言わねばならぬだろう。俺と戦った時のデュランはとても経験豊富な3階級王者だった。俺はデュランに4階級制覇の機会を与えた。でもその夢は俺が断ち切ったんだ。

ボンヤリみたのはジョン・ムガビとハグラーの試合でした。ムガビはこの試合で壊れたのではないか、当時25勝全KOくらいの勢いだった。ムガビの方が野生的で強いと感じた。とにかく素の強さがあった。しかし真っ向から立ち向かって打ち負かしてしまったのがムガビと比べたら少しだけ洗練されてるけどパワーレスにもみえたハグラーだった。

それまで、ハグラーはもっと神のごとく打って打たせぬ完璧な男と勝手に想像していたが、結構打たれるしガンガン前に出る。距離が近い。打ち合いがしたい、根性比べのファイトに強い男であった。

レナードの因縁も上記で足りないほどの情報がある。
今では仲良しのみんなにも様々なプライド、確執がある。

ハグラー
「連中が俺からタイトルを取り上げて、それをよりによってレナードにやっちまったってのは、たまらないな」

レナード戦にまつわるリング外での雑多な交渉、紆余曲折(レナードの高額報酬要求、12回戦での対戦を望んだレナードのため、保持していたWBAおよびIBF王座を放棄せざるを得なかったこと、その末の僅差判定負け、再戦についての条件面での不満など)に嫌気がさしたことを語っている。

時代を振り返ると、モハメド・アリやシュガー・レイ・レナードがアイドルとして人々の人気を浴び、永遠のヒーローとなっていくが、そんな彼らのライバルであった者たちは彼らを絶対視しない。最強と認めたくない。アリもレナードもファイターじゃなくランナーだった。逃げる奴よりファイトするヤツこそ男だと・・・

これと同じ歴史はいつになっても繰り返すのだろうか・・・

マービン・ハグラーこそ、1980年代の「中量級黄金時代」で最も強い男、ボクサーの手本、鏡であると言い切りたい。

しかしそれは個人的にはセンスや才能ではなく、精神力であった。
ハグラーの試合の数々をみればそれがわかる。どんな相手に対しても全力で、相手もまた全力、それでも最後に勝つのはいつもハグラーという熱戦ばかりなのに驚かされる。

俺とリングを共にしてきた連中は全て俺との試合に合意、契約した者たちだ。タフな試合を覚悟してきた奴らだ。持てる全てのスキル、頭脳、フィジカルとメンタルを駆使して向かってきた。特に俺は特殊なファイターで左右どっちでも戦えたから俺に合わせるために厳しいトレーニングをしてきたはずだ。誰と戦う時も同じ戦い方はしなかった。どんな試合も常に前戦よりもいいコンディションで臨んだんだ。

スラムに咲いた誇り/ロベルト・デュラン

毎度、レジェンドたちを紹介するこの記事は彼らの偉大な功績を網羅したものではなく、ごく軽いもの、拳を交えたライバル達を語るものとして捉えていただけると幸いです。だって、こんな偉大な男はとても書ききれない ...

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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