必然の略奪/カネロ・アルバレスVS村田諒太

ナチュラルなのかそうでないのかは不問だ。金を積めば不正行為もなんでもかんでも揉み消される。それが市場原理だ。

https://www.youtube.com/watch?v=ZPm0LoVfR08

今週はじめ、5月24日に日本の埼玉スーパーアリーナでカネロ・アルバレスVS村田諒太が行われるという報道があった。

その後、このニュースはフェイクであるとみなされたが、WBOミドル級王者、ビリー・ジョー・ソーンダースは、この試合が実現することを信じており、納得がいかない。

ソーンダース
「ファック、ファンにとって惨めな試合だよ、村田は18勝2敗のジャーニーマンだ。DAZNはまともな試合を組んでくれ。」

カネロ、DAZNにとって村田との対戦はとても旨味がある。

潜在的な巨大市場の日本のマーケットを拡大することができる。村田と戦うことはカネロにとり大きな給料日を意味し、1億2600万の人口を誇る日本で新たなファンを獲得することもできる。日本のファンは村田のためにこの試合に注目する。カネロとDAZNにとっては財政的なメリットが大きい。

まだ確定はしていないが、実現すれば興味深い試合になるだろう。村田はミドル級のトップファイターの一人であり、世界王者、ロンドン五輪の金メダリストでもある。現在34歳の村田には野心があり、ファイトスタイルはエキサイティングだ。プロ7年で2度の敗北を経験したが、負けた相手にはノックアウトでリベンジしている。

プロとして11年のキャリアを誇り、無敗で2階級を制したソーンダースが愚痴を言いたい気持ちはわかるが、彼の直近3試合の出来は凡庸だった。ソーンダースは同国のカラム・スミスとともにビッグマネーを生み出すカネロとの対戦を目指して走り続けてきた。

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カネロVS村田は、ファンにとって「VERY poor fight」だ

という見出しだったので、boxingnews24.comの記者によってボコボコに叩かれた記事かとおもったらそうではなかった。ボクシングをビジネスとわりきれば、今、「カネロVS村田」が現実味を帯びるのは当然の成り行きとおもわれた。

「裸の王様」カネロはボクシング界でもっとも稼ぐ、RING誌でP4Pナンバーワンに君臨する男だが、DAZNの奴隷でもある。巨額契約を結んだ以上、DAZNに財政的な成功をもたらさなければならない。

王様でいるためには「負けられない」と同時に「ビッグマネーを生み出す相手」と戦い続けなければならない。そこでWBCはウルトラCを発動し、「好きな相手を自由に選べる王者」として「フランチャイズ王者」なる特権を与えた。

ゴロフキンほどの手ごわい相手とはもう戦いたくない。決着はついたと過去にしたい、あるいはゴロフキンが歳を重ね衰えきってからにしたい。

個人的にはダニエル・ジェイコブスやセルゲイ・コバレフはカネロに決して実力で負けていなかったとおもうが、敗北を受け入れて大人しくせざるをえない何かがあったようにに感じている。巨額の金は手に入れたが、彼らがカネロ以上に目立つ日は二度と来ないだろう。

村田諒太はどうだろうか、カネロに負けないカリスマ性と人気を獲得していく可能性がないとはいえないが、南米が主流のボクシングにあって、所詮日本は銀行でしかなく、アップセットを起こすほどの権利が与えられているとは思えない。

日本は特殊な国だ。カネロが世界のヒーロー気取りで来日し、その凄さをみせつけたにせよ、日本で人気者になることはないのではないか。

ライトヘビー級の身体を作り、コバレフという歴代屈指の強打者を結果的には倒したカネロがミドル級を作るなんて不自然だ。少し前まではミドル級すら大きすぎて相手にキャッチウェイトを強要していた男が今こんな状況なのは不自然だ。

違和感だらけのこの対戦

それでも、タイミング、村田に残された時間やかけてきた期待という名のお金、DAZNやカネロを満足させる条件となると

「やるしかない、問答無用のファイト」

といえる。

村田はGGGとやりたかった。GGGも最後のボーナスに日本で村田が新たな目標だった。しかし世界では待望されていなかった。日本しか需要がなかった。金になるものは全てカネロ様が奪っていく。

ナチュラルなのかそうでないのかは不問だ。
金を積めば不正行為も揉み消される。

信じられるのは村田諒太本人の矜持だけ。

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コメント一覧
  1. 確認したらFBIじゃなくてDEAでしたね、すみませんでした。激ヤバなので名前も出したくないですけど去年現地の勇気のある記者が関連を示唆する記事をスペイン語で書いていましたね。

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  2. しかし、カネロも相当ヤバいのに囲われてるんですね、稼いでるんだけど、テラ銭切られまくってそう。

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  3. >カネロのケツモチが激ヤバ

    日本開催なら、村田のケツモチも強力だから大丈夫だと思う。

    そのへんも、破談の一因だったりして。

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    • FBIに1000万ドル懸賞金かけられてる大物に対抗できる方がいたらそれはすごいですね

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      • >FBIに1000万ドル懸賞金かけられてる大物

        電◯とフ◯の正体を甘く見てはいけない、たかが賞金首が太刀打ち出来る相手じゃありません。

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    • そういや村田って戴冠前マカオやアメリカで試合してたな

      本場の人間からしてみれば、タイトルマッチでもないのに各国転々するようなのは地元ですら注目されないしょーもないやつみたいな扱いなのかもしれない

      ボワイヨみたいなもん

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  4. ジャーニーマンってどういう意味?
    ジャニーズ系とかいう意味じゃないよね?

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  5. いまどき重量級の王者クラスが片ヤオなんて受けてくれるとは思えませんし、SNSをはじめ個人が情報を発信できる現在、この手の口止めは簡単ではないです。
    となるとDAZNはコバレフのように極力不利な条件を飲ませるのに金を使おうと言うことになるでしょうけど…そればっかりで5年11戦なんて乗り切れる訳もないし、イージーでリスクも低くお金になる村田との試合は必然と言えるのかもしれないですね。

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    • 日本円で10億を超えるお金が保証されるとなると人間わからん。この世界わからん。

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    • カネロのケツモチが激ヤバだから片ヤオもちかけられたら受けざるをえないんじゃないですか。受け取るか受け取らないかじゃなくて、受け取るか死ぬか。

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  6. 村田に矜持があるならば他の手強い相手(アンドラーデなんて狙い目)を選んでいたでしょうから勝利に期待はしていません。
    コバレフの件が本当ならばおそらく上手いこと善戦にみえるような試合にするのではないでしょうか?
    逆説的に村田が早い回に残忍にKOされるようであれば先の試合結果も信じます。
    万が一KO勝利なんてことがあればアマでの騒動後の日本のボクシングの見方も変わるのですがおそらくないでしょう。

    あとこれは今後何度も言いたいのですが過去に誰かが名を上げていたジョッピーやシュトルムは戦績に似合わぬビッグマッチの後もチャレンジなキャリアを築きました。
    これであっさり引退などせず、今後もボクサーとしてつづけるか?そこの一点で村田というボクサーを評価したいと思っております。

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  7. けっきょくどっちになるんでしょうね
    最近のふわふわした報道を見る限り、カネロ陣営が
    「どっちがより多く金を出すか」で吹っ掛けてるようにしか見えない
    実際、カネロからすれば、儲かれば相手なんて誰でもいいんだろうし

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  8. 元々減量苦と言われてた上にKO負け寸前の試合から2ヶ月で、案の定計量もギリギリクリアしたようなコンディションのコバレフ相手だよね

    あんなジャブしか打ってないのに後半はガス欠でヘロヘロになって自滅したような試合でコバレフを倒したというのはどうなんだろう
    それでもコバレフがガス欠起こすまでまともな採点なら負けてそうなぐらいカネロも苦戦してたよ(公式採点は例の如くカネロ推しだったけど)

    いつもよりガードを上げてコバレフのガス欠まで耐え抜いたカネロは良かったと思うけど、同じコバレフ戦の勝利でもウォードとは比較にならないね

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  9. 村田がジャーニーマンか。ベルトを失いやすくて安定しない王者って言いたいんだろうか。

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    • 本当だよ、同じタイトルをヤーデやエレイダーと違うルールで争うなんておかしい、
      カネロはライトヘビー級の王者になったんじゃなくて当日体重制限と回復期間制限を付けてライトヘビー級王者のコバレフに勝ったに過ぎない。

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