階級別 ミニマム

1ポンドの福音/IBFミニマム級王者ディージェイ・クリエル

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誰も知らない、無関心だけど、あの夜、神に最も祝福され、世界で一番の幸せを味わったのは小さなこの男かもしれない。しかしそれでもまだ、輝かしい未来が約束されたわけでもないけれど、人生の誇り、尊厳を手にした。それが一番大事なんだ。

わらの犬・その彼の名を誰も知らない/ディージェイ・クリエルVSカルロス・リコナ

かつて日本のボクシングは暗黒時代で世界と大きな隔たりがあった。華奢だけどセンスある若者のために、”軽いハエ”よりさらに軽い”わら”の階級を作って裸の王様に祭り上げた。今をときめく大橋ジムの会長も”軽い ...

11ラウンドが終わり、ディージェイ・クリエルはコーナーでトレーナーのケニー・アダムスに厳しい現実を突きつけられた。アダムスは過去に27人の世界王者を生み出してきた名将だ。彼は最終回にクリエルが逆転KOしなければ負けることを知っていた。

クリエル
「リコナをノックアウトしないと勝利はない。勝ちたいか?アダムスはこう言いました。」

アダムスの指摘通り、ジャッジの2人はリコナに108-101を与えていた。1,2回ダウンを奪うだけでは役に立たない。3分以内に逆転ノックアウトしないと勝てない。クリエルが高校を中退してまでボクシングに人生を捧げてきた夢に届かない、祖国の南アフリカに妻を残してまでラスベガスでトレーニングしてきたその犠牲が報われることはない。

クリエルもその状況がわかっていた。

クリエル
「初回から11回まで自分がどこにいるのかわかっていなかった。調子が悪く無気力状態でした。考えすぎだった。」

世界王者になる夢が目の前で消えていくことに気づき、クリエルはラストラウンドに覚醒した。

クリエル
「私は拳銃を放った。何がリコナを捉えたのか覚えている。リコナは消耗していた。スピードが落ちていた。それを冷静に見極めて私の全てをぶつけ、左フックで彼を捉えました。彼が倒れた時、世界を獲ったと確信しました。」

ラストラウンド44秒でリコナは3度倒された。

「ウォークアウトカード」と呼ばれたこの試合はメインイベント(サンタクルスVSリベラ)の後に行われ、中継されることすらなかった。

王者になってから2日間、クリエルは眠ることができなかった。1週間だけ休みをとり、右目のカットと腫れが引いた時点でジムでトレーニングを再開させた。ヨハネスブルグの実家に戻りたいが、今やラスベガスがクリエルのホームなので、妻をこちらに呼び寄せる手筈を整えた。3月4日にクリエルは妻と再会できる予定だ。

クリエルは未だフリーエージェントだ。シーン・ギボンズが彼のキャリアを任されている。

クリエル
「ひとつの夢が叶った。次はこの階級でナンバーワンといわれる、タイのワンヘン・メナヨーティンと戦いたい。WBCのベルトが欲しいんだ。でもタイで戦うのは嫌だ、タイはフェアではないとおもう。ワンヘンに勝ったファイターもいるようにみえたが、いつも彼の手が挙がる。タイのボクシングは強盗のようなものです。アメリカで中立に戦いたい。」

クリエルは決してワンヒンが王者に値しないと言っているのではなく、ミニマム級の偉大なファイターと認めた上で発言している。そろそろワンヒンは自分のコンフォートゾーンから離れて戦うべきだと。

ミニマム級でそのような試合が実現するのは市場ニーズからいって困難な現状だ。

シーン・ギボンズ
「グッドラック!(幸運を祈るだけだね)クリエル自身は5月か6月に防衛戦をやらせたいね。」

ミニマム級に対する市場の無関心はクリエル陣営に重くのしかかる課題だ。

クリエル
「ミニマム級にも素晴らしいファイターはいます。人々が無関心なのは理解できません。派手なノックアウトシーンが少ないかもしれませんが、エキサイティングです。一生懸命やっています。大きなクラスのファイターよりも一生懸命練習しています。そこに違いはありません。私はIBF王者です。他の王者と同じ意味を持ちます。いつか大きな階級と同じように支持される事を望みます。」

クリエルに後悔があるとすれば、リコナ戦で最終回以外に自分のスキルを披露できなかったことだ。しかしベルトを獲得したという事実は次に彼をみる人が確実に増えることも意味する。

クリエル
「本当に悪い夜、出来の悪い試合でした。しかし勝ったことが唯一重要です。」

0勝3敗のアマチュアからプロになったクリエル、プロデビュー戦でも負けた彼にとってそれはそんなに悪いことでもない。

「ウォークアウトカード」には岩佐VSファレスも含まれていた。

紹介記事を書いた苦労が報われたような気もするし、11回までリードして逆転されたリコナの事をおもうと切ない気持ちにもなる。リコナもまた一度も放映されることなく敗れ去った王者であり、空き缶を集めてジムに行く交通費を稼ぎ、ボクシングライセンスのために父は作業トラックを売ったというドラマがあった。12ラウンドは限界で、ストレッチャーに担がれて退場したという(予後は安定、回復しているようだ)

ミニマム級を巡る不人気や無関心はここでは触れないが、クリエルは絶対王者のワンヘンについて的を得たことを言っている。

ワンヘンに勝ったファイターもいるようにみえた

これはメルビン・ジェルサレムの事かなぁ。
最近は接戦の判定が多い気がする。

ワンヒンは自分のコンフォートゾーンから離れて戦うべきだ

アウェーで強い者と戦って欲しいな
日本なら小浦、フィリピンにも数名いるし・・・

でも、クリエルはまだ敵わないんじゃないかな。
ワンヘン、強いことは強い。

今は3月4日の妻との再会を楽しんでください。

福原とやる意味は本当にわからないが、やるなら福原の初戦と違うところを目撃したい。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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