タイでの戦い方

小野心VSノックアウト・CPフレッシュマート
たまたま待ち時間に放映されていたので観ることができました。
小野をよく知りませんが彼としては持ち味を出した試合だとおもいますし、ノックアウトという選手も特筆すべき王者ではなかったですが、アウェーのタイでは最も結果を出しづらいスタイル、選手でもあったとおもいます。

初回、距離をとってパンチの交換もなくお見合いスタートとなりましたが、ファイターのノックアウトは3ラウンドくらいから前進。
小野は捌いているもののバックステップ中心だし、くっついたら自分からクリンチ。
有効なヒットはほぼ皆無です。

そんな展開がずっと続き、何度かノックアウトの攻勢やパンチを許し馬力負けで守勢は明らかなのでもう倒さないと勝ち目のない展開になってしまいました。
それでも最後まで大胆に自分のスタイルを変えることなく、逆にダウンを食って完敗となりました。

惜しむらくはノックアウトが想定通りの選手だったであろうに、対策もみられず12ラウンド消化したことです。
馬力はそこそこあるが技術もスタミナもありません。パンチも並でしょう。
ブロックだけでなくスウェーなどディフェンスがなかなかしっかりしていたかな。
日本人のアウトボクサーの場合、スピードやディフェンスもファイターのタイ人に比べて上でないのが痛いところだ。
結局捌ききれずに被弾するし、相手は攻めつつきちんとディフェンスしてます。

そして一番は小野にパンチがない事。
クリーンヒットらしきものも何発か当たってはいるが、会場は黙殺だしノックアウトが効いた様子もない。

パワーレスな日本人アウトボクサーというカテゴリに当てはまるボクサーが最もタイで結果を出せないとおもいます。
けれどそういうタイプがよくタイで世界挑戦します。
日本でやる実力が不足しているからそうなるのでしょうか。

比嘉にできて他が出来ないこと。
倒して勝ち切ることだけでしょう。

選手としては「自分のボクシング」を貫き、命がけ、必死にやった結果なのだろうとおもいます。
ならば、選手を支えるセコンドは、

「自分のボクシングを信じて貫け」
「お前のいいところを伸ばそう」

ではなく、

「ここはタイだぞ、ぶっ倒さないと勝てないぞ」

と発破をかけて欲しいものです。
そのためには何をすればいいのか、殺るか殺られるか、KO決着のみの対策を用意すべきです。

小野は過去に3KO
大平に至っては1KO

しかないのだが、それをやらないとまず勝てないのだ。

もう初回の入り方だけで、小野がKOする事は絶望的にみえましたしそれを狙っていないのかなとおもえました。
観客が沸いたのは小野がやたらとリングをサークリングしてる時だけでした。

そして敗者の弁は大抵同じ
「相手が上だった」
「自分が弱かっただけ」

確かにその通りなのかもだが、勝つためには、タイであのボクシングじゃ無理なのだ。

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コメント一覧
  1. うっちーさん

    和製ロマゴンらしいですからね。
    優勢でもポイントでリードされていたようだし
    ぶっ倒して勝つスタイルですからね。

    でも前回の相手はKOされましたが戦績ほど強打者じゃないと言われてました。
    これからが試練でしょうが頼もしい選手です。

    八さん

    グスマンやコラレスでさえ、日本人都合で
    こいつとならやりたいと呼んできた相手です。
    そう考えると相手を自国に選んで呼んでる時点で本物ではないわけです。
    本物中の本物は未だいないって事です。

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  2. 国内のボクシングのパイの大きさの違いでしょうね。
    三角形の底が広ければ広いほど頂点は高くなり全体の質が上がるものです。
    今はファイティング原田の時代ではないので期待はできません。

    ああまたかって感じの日本人選手の敵地での敗北ですかね。
    見ずともハッキリと想像できるような試合です。
    佐藤洋太も一方的でしたしね。
    心は分かりませんが戦前は自信満々のコメントばかりでしたが。

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  3. そう考えると、舞台の大きさは違えど、きっちり倒し切った比嘉君はすげえな、と思います
    まだ発展途上で、過度な期待はしてませんが

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  4. どんな戦術で勝とうとしてたのか?
    小野の敗北は陣営の敗北でもあります。

    パンチを当てて食わない、判定勝利をタイで狙っていたのかな。

    佐藤洋太でさえ押しつぶされました。
    それをふまえてタイに臨まねば同じ事の繰り返しです。

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  5. 内山もパンチがあるだけで本質は同じだと思いますが、何で日本の選手はみなアップライト+距離で外すタイプしかないんでしょうかね
    よく日本のディフェンスはザルだと言われますが、色んな技術評論サイトを巡ったりプロ選手の呟きなんかを漁ると普通に旧ソやキューバスタイルをの考察などがある ところがいわゆるハウツー的なものを探すとしっかり踏み込んで~とか腰を回して~とかみたいな表層的かつ抽象的なものしかない youtubeとかで日本とアメリカのそれを見比べるとレベルの違いに悲しくなります 評論者達が言うには日本のボクシングコミュニティはやる側と見る側とで理解のレベルの乖離がヒドイ、だそうですが・・・
    現状を見るにそうとは思えないですね 帝拳とかはちゃんと技術輸入してるのかな 以前通ってた都内ジムでは全くそんなことはなかったです

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