
今週末はジョシュアの米国デビュー、WBSS優勝のカラム・スミスも初防衛戦、相手はアッサン・エンダムです。さらに、ハメドっぽいから最近大きなライアン・バーネットみたいだと印象が変わった英国の大器ジョシュ・ケリーがレイ・ロビンソンと戦います。
世界ではホットな話題ですが、日本人としてはその前に無視できない試合があります。
5月31日タイのチョンブリ県
ワンヘン・ミナヨーティンVS福原辰弥
これ、4度もスケジュールが変わり実現する試合ですが、2年前に福原はワンヘンに大差判定で敗れています。53連勝の記録(メイウェザーの無敗記録のさらなる更新とリカルド・ロペスの51勝1分を超える記録)がかかるワンヘンにとってなぜ福原なのでしょうか?
確かにミニマム級は深刻な人材不足ではありますが、33歳のワンヒン、そろそろ引退に向けた最後のラストランか・・・
対する福原は
「アウェーなのでKOしないと勝てない。後半の勝負どころで倒したい。本当に最後という気持ちでやろうと思っている。リベンジしたい。」
だそうです。
ワンヘン・ミナヨーティン
52勝18KO
小柄で足腰、体幹の強いファイターボクサーで穴が少ないが、KO率は低い。記録はすごいが全てタイなので他のファイターの記録と比較できるものではないと言われつつ記録は記録として残ってしまう。判定優遇されるタイで益々盤石に判定上等な負けない堅実ファイトをしてくるだろう。
福原辰弥
21勝7KO6敗6分
元暫定世界王者の30歳、戦績的にもワンヒン攻略は厳しい。ハードパンチャーや素早いボクサーならひょっとするが、サウスポーで泥臭く打ち合うタイプでKO率が低い。スピードもパワーもある方ではない。戴冠した試合が素晴らしい激闘だったから是非見てと言われたことがあるが、相手がモイセス・カジェロスという選手なのだ。相手が一流でないと判断できないというのは福原の次の王者だった山中竜也も同じだ。
初戦はスコアほどの大差ではないとおもうが、福原の方がパンチが大きく外からで的確性で劣る。ボディをしつこく攻めたがワンヒンの内側からの軸のぶれない攻撃、ディフェンスの方が常にバランスが良く安定感がある。ワンヒンは最近あまりパワーもスタミナも驚異的ではなく、落ちてきている気がするが、この差を逆転するのはかなり難しいとおもわざるをえない。
こういうベテランのタイ人の場合、大抵フィリピンの若いパンチャーに倒されて長い統治が終わることが多い。福原にワンヒンをノックアウトするだけのパワーがあるとは考えにくい。内藤のようなトリッキー、スピードもない。ポンサクを3度目にやっと破った内藤でさえ、あれがタイなら負けだったろう。
ワンヒンに勝つには、やはり覚悟を決めたスタミナ勝負、後半の勝負どころと言わず、前半から飛ばしてダメージを与えペースを掴むしかないだろう。ワンヒンは小さくリーチも短いので距離が近い。上手さも堅実なディフェンスもプレスもあるが、ワンヒンより速いリズムとテンポで翻弄できるならば陥落も近い。しかし福原にそれが出来るかは疑問だ。できなければ頭をつけた打ち合いの根性勝負しかない。ワンヒンに比べパンチが大きく回転力で劣る初戦の修正、再戦の意義をみせて欲しい。
根性以外の戦略(タクティクス)が福原のファイトにあるのかどうか・・・
話変わって、なぜジャレル・ミラーはこのチャンスにドーピングをしたのだろう。検査全部で黒と出てもうキャリアの危機ともいえる事態だが、何かの力が働いたとしかおもえぬ露呈ぶりである。裏で何があったのだろうか・・・普通、キャリア最高のチャンスを前にここまでひどい違反はしないとおもうのだが・・・