6月7日の井上VSドネアの直前に見逃せない試合の数々が・・・
WBO、WBCスーパーバンタム級タイトル
スティーブン・フルトンvsダニエル・ローマン
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R | |
フルトン | 10 | 10 | 9 | 10 | 10 | 9 | 9 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 117 |
ローマン | 9 | 10 | 10 | 9 | 9 | 10 | 10 | 9 | 9 | 9 | 9 | 9 | 112 |
1R
様子見の初回
フルトンがジャブを出していくが、キャリア豊富なローマンは
何でもなくかわして中に入っていく。
ただし、距離はやや遠い。
互角だが
ややフルトン10-9
2R
予想通りフルトンが下がりながらテクニカルに
ローマンがプレスをかけてボディを狙う。
ローマンのボディアタックがよかった気がするが
トイレもろもろで見れず
10-10
3R
フルトンはディフェンスが巧みだが積極性でローマンか
ロープ際でローマンのボディ、アッパーがいい。
ローマン10-9
4R
フルトンのデイフェンスがいいのでダメージを与えられないが
積極性はローマン。
フルトンのワンツーがヒット
きれいなファイトはフルトンか
フルトン10-9
5R
フルトンはディフェンスがよく
ローマンは頑丈なので
まだ両者にダメージがない。
持ち味を生かした戦いになっているが、フルトンのスキルが若干上か
危機回避力が非常に高い。
フルトンが足を使うので、追うローマンがやや空回り。
フルトン10-9
6R
差のない試合だが、フルトンを捕まえるのは難しい。
両者に決め手、有効打のないラウンド
積極性で
ローマン10-9
フルトンやっぱり塩分高め。
7R
ディフェンスはいいが効果的な攻めがないフルトンと
攻めても空転のローマン
会場は59-55でフルトンだが
あまり支持できる内容ではない。
ガードの上でもフルトンを追い詰めボディを入れるローマンの方が良く見える。
ローマンの勝機はここしかない。
ローマン10-9
8R
良く動き軽打を当てるフルトン
追いかけて重いボディを打つローマン
判定でフルトン
倒してローマン
というわかりやすい展開。
ローマンのボディ攻撃だけがヒートアップポイント
フルトン10-9
10R
同じ展開、わずかな差で
フルトン10-9
11R
フルトンは負けにくいが
攻撃力が低い、判定型にみえる。
しかしディフェンスと軽打がよく崩れない。
ローマンは善戦マンで終わってしまい打開できない。
この回は疲れたローマンをフルトンがコツコツ滅多打ちにしていくが
ローマンにとっても打ち合えるので臨むところだろう。
フルトンもチャンピオンシップラウンドを少しは意識したか
打ち合いでローマンを圧倒した。
フルトン10-9
12R
11ラウンドで優勢を印象づけたフルトンの勝利が濃厚。
ローマンは逆転KOしか望みがない。
しかし内容は僅差の積み重ねで、フルトンは強いというより
上手くてやりいくい。
フルトンが逃げるのではなく打ちにきているが
バランスがよく決して無理をせず、ポイント重視な戦い方。
ローマンは最後までフルトンを捕まえることができなかった。
フルトン10-9
会場は盛り上がらないだろう。
フルトン、無傷で勝利、しかし熱くない。
ローマンも元気にインタビュー。消化不良だろう。
119-109
120-108
120-108
フルトンこそが、井上尚弥の次なるターゲット、Sバンタム級の無敗の2冠統一王者だが、塩分はかなり高めだ。ディフェンシブで決して有効打を食わず、相手よりわずかな的確性で渋い判定勝利を勝ち取っていく。黒人アスリートの定番スタイルといえそうな安定感はあるが爆発力はない。決してパンチがないわけではなさそうな見た目だが、リスクを負わないに比重を置いたスタイルだ。
対する元王者のローマンは恐らくKOされることはないだろう。誰に対しても粘る超善戦マン。攻防兼備で勤勉で総合力が非常に高いのだが、勝ち味が遅く決め手もないので判定で泣くことが多い。
恐らく接戦で、わずかな見栄えでフルトンとなりそうな予想だが、ローマンが勝つにはこのディフェンス職人をボディーで崩す必要がある。
IBFスーパーフェザー級タイトル
尾川堅一vsジョー・コルディナ
尾川の初回は悪くなかったが、完璧すぎる右を被弾し一撃KO負け。
これは何もいえない。コーディナの素晴らしいパンチ。
敵地で相手は無敗の五輪代表、欧州選手権などを制しているトップアマ出身。かたや尾川はボクシングは叩き上げ。しかしそんな実績はプロでは関係ないとも重要ともいえる?かな。たしかに今どきトップアマのキャリアがないとプロの世界王者になるのは厳しいし、アメリカではアマチュア経験がないとプロになれないくらいだそうだが、尾川はトップに登りつめた。頂点レベルになると、五輪1回戦負けでも金メダリストでもあまり関係ない。いかにプロ適正があり、進化、適応していくかが重要だ。
尾川は右ストレート狙いだけの一本調子なスタイルだが、距離感やパンチを外す技術にも優れ、そんなに危ない被弾はしない。なぜだか安定している。この階級のモンスター、シャクール・スティーブンソンを筆頭に、さらなる上を目指すなら、尾川は自分のスタイルを昇華させた方がいい。敵地だしアマチュア実績のある相手だけに、フィジカルで削って相手を困惑させ、右をズドンだ。
それが空回りすると大差で負ける可能性もある。
狙いすぎは良くないが、KOしないと厳しいかな、英国だし。
WBC、WBO、WBA、IBFSライト級タイトル
ジョージ・カンボソスvsデヴィン・ヘイニー
4冠統一王者のカンボソスにヘイニーが挑む形となるのか、しかしオッズではヘイニーが有利なんじゃないだろうか。
ヘイニーもまた、シャクール・スティーブンソンやスティーブン・フルトンに連なる、負けにくいに特化した黒人アスリート特有のスタイル。メイウェザーの落とし子のようなファイターだ。
スピードも反射神経も凄まじいが、ディフェンスに7割くらいの比重がかかっているので、ポイント争いに強い。
テオフィモ・ロペスはなめてガンガン倒しにきたからカンボソスの反撃が功を奏したが、ヘイニーはやりにくいだろう。待ちのファイトを自分から崩していく必要がある。恐らく判定でもKOでもヘイニーになりそうだが、ここを突破したらカンボソスは本物の王者と認められるだろう。
ヘイニーは上手いがスーパースターの器にはみえないから、カンボソスのハッスルに期待する。
フルトン、シャクール、ヘイニー
みたいな系譜だとやはりシャクールが頂点にみえる。