策士策に溺れず/アイザック・ドグボエVS大竹秀典

ドグボエのスタイルは単純明快です。エネルギッシュなフック野郎です。ではどんな対策で臨めば勝てるか、まではわからないのだ。

https://www.youtube.com/watch?v=HJ548A4YaPc

東京の賑やかな地区、北沢通りの奥の片隅の緑色の3階建てのビルにジムがあります。そこに行くには芸術的な別の側面を持つオシャレな通りを少し歩かなくてはなりません。そんな街で金子ジムに行くには何か特別な熱い気持ちがないと無理でしょう。

金子ジムの片隅にはパンチングバッグが吊るされていますが、すぐそばに日本のスター、井上尚弥や村田諒太が表紙に飾られる、「ボクシングビート」や「ボクシングマガジン」がラックに並んでいます。リングと壁の狭いスペースに使い古されたウィニングのグローブが吊るされています。それはまるでボクシングのハチの巣のようです。

金子ジムは2011年に唯一WBAスーパーフライ級王者の清水智信を輩出しました。この小さなジムは今再びチャンピオンを生み出す機会を手に入れました。

37歳の戦士、大竹秀典は高温多湿な試合地、フェニックスの土地を想定しながら東京の夜、ロープを飛びます。4年前の唯一の世界戦でスコット・クイッグに挑戦するためにリバプールに飛んだ大竹にとり、空調の効いたスコッツディールのホテルとスパはより快適な経験になるでしょう。

王者のアイザック・ドグボエが語った内容を伝えると大竹は通訳を通じて

大竹
「ノックアウトを狙います。敵地でそれをやってみせます。ドグボエのパワーを考慮しても、私にサイズの不利は皆無です。」

ドグボエを想定した小さな相手とスパーリングをしながら彼は言いました。

大竹
「数ポンドオーバーなだけで、今にでも戦うことができます。ドグボエの最近の3試合をみて彼がいかに前に出て戦うのが好きか確信しました。私は距離を支配します。オリンピックで日本の清水聡がそうやってドグボエを攻略しましたが、清水選手はサウスポーだしアマチュアの試合を参考にする必要はありません。これがラストチャンスであることはわかっていますが、プレッシャーではなくむしろモチベーションになっています。」

大口を叩くドグボエは大竹に勝った後はタイトルを統一するといい、さらには大学に進学したいとまで言っています。

大竹
「大学に進学し勉強するのはいい事ですね、実現を願ってますが、すぐにそれは叶いません。私が阻止します。」

大竹秀典(31勝2敗3分)は8月25日にグレンデールのギラリバーアリーナでWBOスーパーバンタム級王者のアイザック・ドグボエに挑戦します。この試合はESPNで生中継されます。

難しいのでニュアンス訳です。

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新しい情報は追いかけてないですが、大竹の集大成に期待しています。

かなり小柄なドグボエは、アフリカン特有の長い腕で上半身をほぼガードし、ブロックを固めた上で、重たいフックを連打してきます。フック野郎、特に左フックが強烈です。大振りで力んでいますが、回転力があり上も下も全てパワフルです。

強打のフッカーですとデビッド・レミューやルーカス・マティセがおり、彼らは前半強く後半策がない。落ちていく印象がありますがドグボエはちょっと器用で多才です。後半でも仕切り直してきます。

打ち合いに強いですが、ファレスやマグダレノも歴戦の雄でただでは引き下がらない。盛り返すシーンもみられ、ドグボエが下がる、休む、疲れる展開もありました。しかし全体の流れとしては打ち合い大好きなドグボエの土俵に巻き込まれているのであり、そのリズムでやっていると、タイミングのいい左フックを食らう。相手はいつか打ち合いに根負けしてしまう。

強いですが、全部こんな試合、強いプレスと重いフックに潰される内容ばかりです。

大竹は、特に細いわけじゃありませんしアウトボクサーでもないですが、ドグボエと比較するとかなり体格に恵まれていますので、距離をとって戦うと公言していますが、たぶんドグボエのプレスに巻き込まれて打ち合う展開になるでしょう。

その時の対処次第です。

パワーと回転力のあるドグボエの勢いにただ応戦しているだけだと急所にズドンと食らってしまうとおもいますが、ドグボエのパターンは強襲してタイミングのいいフック、特に左フックを当てるパターン化されたものなので、それを先に食うか先に当てるかだけです。

ドグボエがプレスしにくい位置取りやラッシュを抑えるクリンチなど、ドグボエを気持ちよく戦わせない、イライラさせる、プレスと力みを利用するようなファイトができれば活路はあるはずです。

ドグボエの嵐のような上下の左フックにどう対処するのかが見どころです。

やっぱり捌ききれないとおもうので、活路があるとすれば

小國がグスマンにやったようなボディでスタミナを奪う。
伊藤がディアスにやったような引かぬ戦い、フッカーにインからのストレートをガンガン出したり、密着状態でコツコツアッパーを入れたり・・・コツコツジャブで目がよさそうなドグボエを封じたり・・・

でしょうか。

大体小國も伊藤も初回から策が機能しており番狂わせを期待させるスタートを切りました。序盤で趨勢がわかる試合になるでしょう。

この豆タンクのような小兵をコントロールするかされるか次第でしょう。

大竹は高齢でラストチャンスだから、ガンガン来る、セサール・ファレスと同じだというドグボエ陣営の予想を裏切る戦い方も一考です。大竹はそんな単純なファイターではない、戦略家だ。現役日本人最多ともいえそうなキャリアを信じて応援しよう。

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