遅きに失する感なくもないですが、ビッグネームの対戦です。
両者、全盛期を過ぎており、特にコットは敗北も味わい、再びシーンに浮上するには勝たなければならない試合。
マルチネスもまた年齢的には負けは引退を意味する重要な試合です。
今の状態を加味すると複雑な試合だが、全盛期、コンディション万全を妄想し勝手な予想をしてみたい。
セルヒオ・ガブリエル・マルチネスVSミゲル・コット
まずコットとは体格、骨格が違う。苦戦続きの昨今だがずっとミドル級超の大きな選手と戦ってきた。
ポール・ウィリアム2の歴史に残るノックアウト、ケリー・パブリク戦の勝利
どちらも体力、パワーで勝る相手に結果を出してきた。パワー差をテクニックで克服した試合だ。
方やコット、好きなスタイルだし現役で彼が一番ビッグマッチをやってきたかもしれない。
超正統派のオーソドックスで上下の打ち分けが上手く、欠点はない。最高のボクサーだ。
しかし強いて欠点をあげれば体のサイズだ。
Sライト級がせいぜいな体格でコットにミドルはふさわしくない。
旬のサウル・アルバレスと似たようなファイトスタイルだけどパワーもサイズも一回り小さい。
オースティン・トラウトに負けてしまったのはアウトボクシングに手を焼いたのもあるがトラウトが大柄だったのもあるだろう。
コットの攻撃を封印してしまう余裕があった。
以上、全盛期をもってしても、体格で勝り、足が速く、スキルフルなアウトボクシングが上手いマルチネスが有利と予想。
西岡VSレンドール・ムンローみたいな差があるのではないだろうか。
身体能力、芸術性の高いマルチネスのようなスタイルは加齢とともに神経、勘の鈍りが顕著で既にそれが出ている。
たぶんコットは余裕のある階級でコンディションはばっちりだろう。
ノックアウト決着だとマルチネスにも危険がいっぱい。
でもコットの攻撃を無効化できる体力、スキルがあるはずだ。
マルチネスが今席巻しているゴロフキンと戦う姿は想像できてもコットがゴロフキンとやる姿はできない。
ダルチニアンがフェザーで壁にぶちあたったように、ミドルという壁が現実となりそうな予感だ。
もう一個
キコ・マルチネスVSカール・フランプトン
安定王者、レオ・サンタクルス戦の権利を得たフランプトンだが、こちらの試合を選択。
サンタクルスは底力があり難航不落のレベルにあるとおもうが、微妙に強豪をスル―するな。山中から逃げたようだし。
この両者は過去、フランプトンが勝利している。しかもキコ・マルチネスにとっては初めてのKO負け。
ストップの声が早いと不満を持つマルチネス側のラブコールだが、映像を見るとストップは妥当。
パワフルなキコ・マルチネスの強襲をよく捌いてフランプトンが攻略した、長谷川に期待していた完璧な展開での勝利だった。
開催も人気者フランプトンの地元らしいが、ロメロ、マセブラ、長谷川と、素晴らしい戦果を残したマルチネスの成長と闘志を支持したいとおもう。
キコ・マルチネスは好きになったが、彼の仇は日本人がせねばならぬ。
それがけじめだ、礼儀というものだ。