本当の王座とニュースの本質/亀田和毅VSアビゲイル・メディナ

海外記事で試合の本質を読む・・・これに慣れてからはこんな事ばかりです。どちらが正解という意味ではなく、この程度なのだということです。

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11月12日、東京後楽園ホールで、亀田和毅はスペインのアビゲイル・メディナにユナニマス判定勝利で空位のWBC暫定スーパーバンタム級王者になった。試合は正規王者のレイ・バルガスが肩の怪我で試合から遠ざかっているためにWBCによって命じられたものです。

亀田は速いフットワークとジャブで序盤を制し、4回までフルマークでポイントを奪った。亀田が当てたパンチはメディナにはさほど効果的ではなかったが、スペインのファイターは序盤を失い続けた。彼を悩ませたのはどちらに責任があるともいえないバッティングのようだった。

「エル・メヒカニート」というニックネームを持つ亀田はメキシコで過ごしてきた過去を持ち、メキシコスタイルの打撃戦を繰り広げ、ジャッジ全員に支持された。勝利の要因は亀田のスピードだった。

メディナが1位、亀田が2位であったが、試合前からコメディの要素が目立った。試合前、メディナの濃い髭について論争があった。実際にはそれはさほど濃い髭ではなかったので、騒ぎにするほどの事ではなかったが、日本のメディアの何人かのジャーナリストはメディナの濃い髭は世界戦にふさわしくないなどと騒ぎ立てた。

両者ともにジェイミー・マクドネルに負けた過去があった。マクドネルはレベルの高いボクサーだが、今年はじめに井上尚弥に初回KOされた敗北を考慮すると、世界タイトルマッチとしてこの試合で興奮するのは難しいといえた。

この試合のもう一つの見どころは2人の兄が2階級世界王者であり、3兄の和毅もその仲間に入ったということだ。これは世界中の誰もが達成したことのない記録で、この記録は偉業だと父の亀田史郎は誇らしげだが、亀田家は特に父親からの傲慢と乱暴な態度で日本では物議を醸す評判になっている。

亀田の父親は和毅は井上尚弥に勝つことができると主張している。先月、村田諒太がロブ・ブラントに敗れて、日本では井上尚弥が最高のボクサーとしての地位を確立しました。父親が本当にそれを信じているのか、井上の名前を利用して潜在的なビッグマッチを煽っているのかはわかりません。事実は全ての面で井上尚弥が和毅の上をいくレベルであるということです。WBSSが終われば、その戦いはビッグマネーファイトになるだろう。井上が勝利する可能性が高く、ファンも井上につくだろう。和毅自身は、井上とはいつか戦いたいと試合後に語った。

世界王座獲得
兄弟3人で複数階級制覇
欲しかった緑のベルト
4冠統一を目標に

こんな提灯記事や美談ばかり目立つ日本のメディアだが、暫定王座であり王者はレイ・バルガスである。日本の記事、海外記事、どちらを好んでも自由だが、メディアというのは庶民を意図的にミスリードする。その事実だけは気をつけたい。

かつて西岡利晃、ノニト・ドネア、長谷川穂積、レイ・バルガス

必ずしも前王者に勝って奪ってきた、変遷してきたベルトではないが、亀田が獲ったベルトはかつて西岡がナパーポンに勝って巻いた暫定ベルトと同じ。西岡がここから7度防衛し、暫定から正規に昇格し、ドネアに向かっていったように、これは言わばレイ・バルガスへの挑戦権のようなもので、全てはここからがスタートなのである。

日本にはスーパーバンタム級のランカーがたくさんいる

亀田
岩佐
小國
和氣
大森
勅使河原

これだけいても井上尚弥やアイザック・ドッグボーとの試合が観たいと言わせる選手はいない。国内で凌ぎを削って、自信をもって送り出せるランカーだけが、本当の世界王座に挑んで欲しいと願う。

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コメント一覧
  1. 速くてメディナが前半何もできませんでしたが、ブロックでやりすごして反撃するんでやっぱパワーがないに尽きるのでは。速さを磨いてKOは狙わず、流れやタイミングのみを追及した方がよさそうです。

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  2. 亀田は良い素質を持っているだけに残念ですね。マッチメークはプロモーターが仕切るからボクサーは戦うだけの時代では、ファンも納得しなくなって来てますから。亀田はメキシコで永らく戦って来たから、海外ファイトも視野に入れていくべきですよね。ちょうど私がメキシコに赴任中に何度か彼のファイトを観ましたが、まさしくスピードスターで秀逸でした。今もその評価は変わりませんが何か、最近は小さくまとまってしまつた感で物足りないです。

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  3. もう何年も前から世界チャンピオンは1人ではなくて、世界のトップレベルにいることの証明でしかないわけですが、暫定とかダイヤモンドとかシルバーとか色々あって笑えますね。
    WBSSって、本当に凄い企画です。
    準々決勝も普通のタイトルマッチだったりしますが、WBSSの準々決勝としか認識されないという。
    それでいて、各認定団体にも定期的に認定料が入るし、主催者、認定団体、選手、ファン、多くがウィンウィンの関係にあります。凄いなあ。
    井上拓真が間もなく、暫定王座戦を行うようですが、勝てば兄弟同時王者の誕生となるでしょう、、、暫定ですが。それでいいのでしょう。

    亀田三兄弟も、三兄弟が複数階級のトップレベルを証明したという意味では、物凄い功績かと思います。

    私は前々から、亀田vs岩佐が観たいです。

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  4. 亀も小さい頃からボクシング一筋で努力は凄いが、井上とは生まれ持った物が違いすぎる。井上が右手を使わず、左だけで戦っても井上が勝てそうな位レベルが違うと思う、

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  5. いいんじゃないの?
    ボクシングって所詮興行なんだからメディアを巧みに駆使した亀田家の勝ちってことでしょ
    こういう絶好のチャンスに本物()とか真の()とか言っとけば玄人ボクシングファンにエントリーできるしみんな幸せじゃん

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  6. 統一の義務を押し付けられたバルガスですがローマンとの統一戦の話が通りそうなので、この先もWBC統一戦はなさそうな気はします。

    個人的には右手の蓄積したダメージが手術で改善したという小國選手がもう一花咲かせて欲しいと思います。

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  7. グスマンに完敗したので
    国内とかアジアの階級下の選手ではなく
    海外の世界ランカーとやってからにすればとおもうのですが
    難しいんですかね。
    和氣に限らずですが

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  8. とりあえず「ベルト」って言えば世界王者なんだ、と一般層に
    認識させるためのいつもの手法ですが、メディアののっかりもあって
    見事に成功してるみたいですね。吐き気がします。

    この階級では和氣を応援してます。
    グスマン戦があまりに見事な負けっぷりで、その後の小國、岩佐と
    巡っていったのでなんか日本のランカーの中では格下みたいな扱いになってますが。
    これぞという分かりやすい武器がないけど距離感に優れていて
    冷静で頭の良いボクサーだと思います。

    久我を倒して国内最強を証明し「世界へもう一度行きたい」と潔く
    返上しているとあたりが頑張ってほしいなと思わせてくれます。

    どのタイトルに挑戦しても接戦でしょうし有利予想はできないですが。

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