神に祝福された2人/ダニー・ローマンVSTJドヘニー

決戦は金曜日、もうひとつの試合はスーパーバンタム級統一戦。伊藤雅雪と共に米国修行に行きこの試合を観戦するという岩佐にとっても見逃せない試合だ。両者にとりリスクも伴うが願ってもない早期統一戦。

ダニー・ローマン(26勝10KO2敗1分)

統一戦は様々な理由で実現するのが難しいですが、ここで勝利することはあなたにとって何を意味しますか?

ローマン
「2冠統一をしたからといって自分の評価がどうなるかはファンの意見に任せます。自分はこの階級で最強だとおもっています。そのために公然と統一戦を呼びかけていました。ドヘニーは素晴らしい王者ですので最強を証明するためにはまず彼に勝たねばなりません。これは自分が望んだ試合であり、ベストとの戦いこそ価値がある。ファンもご存知の通りです。ファンが観たい試合もこういうものです。」

あなた自身のキャリアについてはどうおもいますか?

ローマン
「それぞれに瞬間がありました。2011年に初めて負けた時は受け入れがたかったです。自分は若くキャリアを始めたばかりでした。ただ、敗北を忘れ前に進む必要がありました。次の瞬間はタイトルエリミネーターでアダム・ロペスと戦った試合です。ロペスはTVの人気者で自分は負け犬でした。プロモーターとチームを除いて誰も自分にチャンスをくれなかった。でも9回でロペスを倒しました。サンドバッグのように彼を殴ったからです。そして日本での世界タイトルマッチ。これで自分の夢が叶いました。日本での出来事はいつまでも特別なものです。」

その後、あなたは故郷で戦う機会に恵まれました。

ローマン
「ずっと長い旅をしてきました。最初はアトランティックシティー、そして日本へは2回行きました。その後、ダラス、シカゴ・・・家族や友人にはいつ帰ってくるんだと言われました。やっとLAに戻ってきって試合が出来るようになりました。ここには多くのファンと家族がいるので幸せです。」

対戦相手のTJドヘニーについて

ローマン
「彼はクレバーなファイターです。生で彼の試合を観たからわかります。彼は戦い方を熟知している。左には注意しなければならない。フットワークもいいので、打ち合いに持っていかなければならない。でも何も問題はありません。どんな展開になっても対応できるプランがあります。」

試合会場はボクシングの古い歴史と伝統があります。ここで新たなボクシングの歴史を築いていくことに何か想いはありますか?

ローマン
「自分はこのフォーラムの試合を観て育ったようなものだからここの歴史についてはよくわかっています。ここで戦うことの意味について考えました。ボクシングは時代の流れとともにここから去っていったけど、再び輝かしい歴史を取り戻してみせます。それが自分の統一戦なんて、なんてすごいことだろう。素晴らしいボクシングの夜を約束します。」

以前からダニー・ローマンを高く評価しているマニアの方が多くいて慧眼です。恐れ入ります。

個人的には、可もなく不可もなく、欠点がないが怖さもない勤勉なファイターであり、勝つべき者に勝ってきただけではないかと感じていましたが、防衛を重ねるほどに安定感が増してきました。元々期待された超トップアマ出身とかではないので今でも伸びているのだろう。ボディからコツコツと崩すのが上手く、スタミナも根性もあり地力あるファイトをします。天才ではない全てのボクサーの鏡というべきスタイル。初めて負けたのが岡田だから日本人には数々の接点があります。

いい勝ち方をしているが、同じ相手にブランドン・フィゲロアはもっといい勝ち方をしている姿をみるとやはり地味王者に映る。特別なのだろうか?ここで圧勝したら評価をまた改めねばならない。

対するTJドヘニーは、アイルランド人だが母国ではチャンスがなく、オーストラリアに移住した遅咲き。岩佐戦はラッキーで個人的には岩佐の勝ちでいい内容に映りました。穴王者だとおもっていました。

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しかしこれらの記事を読んで、少し共感してしまいました。
エリミネーター、そして岩佐戦、負けたわけではないのに、家族を養うためボクシングを諦めかけていた頃、最後に咲いた希望、夢。そして即マッチルーム、DAZNと契約、日本の高橋竜平との一試合を挟んだだけで統一戦にこぎつけました。

「もっとファイターでガンガン来ると思った」と読みがはずれた岩佐戦や高橋戦をみるとドヘニーというのは左強打のアウトボクサーである。爆発力はないがスキルフルで試合巧者で意外と距離が長い。入ろうとしても左が強く決して穴王者ではないと感じた。しかし打たれ強さやスタミナはローマンに及ばない。技巧と左強打でローマンのファイトを空回りさせるか、中盤以降に捕まるか。

本音は充実のダニー・ローマンの7-3くらいだが、苦労が顔に出ているドヘニーを応援しながら見てみよう。コメントがあったら追記しよう。ドヘニーが勝つ要素も少なからずあるようにおもう。王者の風格、貫禄を全く感じさせない風貌なんだけど・・・

ローマンは、日本での想い出は一生忘れないと語る。
ドヘニーも、暖かく迎えてくれた日本にいつか恩返しがしたいと言っていた。

彼らは日本が生んだ、日本で神に祝福された王者同士だ。
そんな2人が全ての階級に先駆けて統一戦で激突する。

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