
雑草は厳しい環境に強い。
パンデミックが収束しても、ウィルスは恐ろしい、「密閉」「密集」「密接」は回避せよと洗脳された。激しい身体接触、血しぶきさえ飛び交う格闘技の未来はどうなるのだろうか。
前WBAスーパーフェザー級王者のアンドリュー・カンシオ(21勝16KO5敗)は4月25日に井上尚弥VSジョン・リエル・カシメロの前座でタイラー・マクレーリーと対戦予定だったが、コロナウィルスのために延期された。
カンシオ
「まだキャンプはピークではなかったし、ジムは閉鎖されたので、私はガス会社で働きながら仕事が終わると自分の手作りのジムでトレーニングしています。」カンシオは無敗王者のアルベルト・マチャドに勝ってGBPと契約したが、レネ・アルバラードに負けると即座に解除された。しかしトップランクが彼に救いの手を差し伸べた。カンシオは戦うサラリーマンだ。王者になってからも、今でもずっとガス会社で週40時間シフトで働いている。
カンシオ
「ファイターはリングでお金を稼ぐものだと言いますが、私は今まで一度もペイパービューで放映されるほどのお金を稼いだことがありません。私はファイトマネーは家族をサポートするのに役立つ追加ボーナス程度に考えています。ガス会社で働いているのは、毎週金曜日に報酬を受け取れるからです。7月か8月には試合が決まると言われていますが誰も確実なことはわかりません。願ってはいるが、正常に戻る可能性さえわからない。だからジムが閉鎖されてトレーニングできないのでたくさん残業しています。
アルバラード戦は計画通りにいかなかったが、トップランクが私を救ってくれて非常に感謝しています。再び王者に返り咲きます。」
カンシオの近況を伝えたかったわけではないので、概略だけ。
大事なのはここ
「7月か8月には試合が決まると言われていますが誰も確実なことはわかりません。願ってはいるが、正常に戻る可能性さえわからない。ファイターはリングでお金を稼ぐものだと言いますが、私は今まで一度もペイパービューで放映されるほどの金額を稼いだことがありません。私はファイトマネーは家族をサポートするのに役立つ追加ボーナス程度に考えています。ガス会社で働いているのは、毎週金曜日に報酬を受け取れるからです。」
元に戻ることなどあるのだろうか?
パンデミックが収束しても、ウィルスは恐ろしい、「密閉」「密集」「密接」は回避せよと洗脳された。激しい身体接触、血しぶきさえ飛び交う格闘技の未来はどうなるのだろうか。
そして、今世界で最も無名な世界王者の一人といえそうなのが、カンシオを破ったレネ・アルバラードだ。敗北、挫折、引退、再起からの雑草魂、カンシオの王座を継承したのもまた雑草のアルバラードだった。彼らは4年前に対戦し、カンシオがKO勝ちしていた。
レネ・アルバラード
「これは神のプランです。神が私を導いてくださいました。」31勝20KO8敗、幾度となく敗北しセットアッパーの立場に甘んじていたアルバラードはそれでもボクシングをあきらめることなく、未来に大きな栄光があると信じてきた。アルバラードは一歩一歩進んでいった。2015年にアンドリュー・カンシオに敗れるまで4勝6敗だった。2017年3月にユリオルキス・ガンボアに敗北、結果は残せなかったが、「骨のある男」とだけは見なされた。
それ以来、彼のキャリアは急上昇した。ガンボアに負けてから8連勝を記録。カンシオのような苦労人が王者になった姿をみてより一層刺激を受けた。
アルバラード
「マチャドを破った瞬間はカンシオの時間だった。私と初めて戦った時も彼の時間だった。しかしあの試合から私が何をしどこまでやってきたのかよくわかっています。兄(フェリックス・アルバラード)が世界王者になった瞬間も特別でした。それが私をやる気にさせ、一生懸命トレーニングに励みました。今こそ、兄弟同時に世界王者になる時です。ずっとこのチャンスを待っていた。そして今、神はこの栄光を私に提示してくださった。」
これはカンシオ戦直前のインタビューだが、8連勝の勢いそのままに序盤からカンシオをノンストップで痛めつけて攻略。あの日のアルバラードなら、ユリオルキス・ガンボアや現在スーパー王座に君臨するレオ・サンタ・クルスでさえ攻略してしまったのではないか。強い意思と決意に満ちた素晴らしいファイトだった。
しかし依然として、レネ・アルバラードは番狂わせの穴王者扱いのまま、一度も防衛する機会なくボクシングは閉鎖された。
雑草は厳しい環境に強い。
再び世の中が、ボクシングが再開されたら、アンドリュー・カンシオ、レネ・アルバラード、彼ら雑草の大躍進に期待したい。
悲劇の幕開け
花のようには暮らせない
食べていくのには
稼がなきゃならない 圧迫的に