先週のサタデーナイト、地味目な世界戦があったが、一夜にして2人のドミニカンの世界王者が誕生した。
ドミニカは私が好きだったホァン・グズマンを筆頭に素材は飛びきりだが、長続きしない王者が多かった。和氣をボコボコにしたジョナサン・グズマンやSウェルターで一瞬統一王者になったジェイソン・ロサリオ然り・・・クラウディオ・マレロなんかもかっこいいスタイルなんだが、大事な試合を落としてきた。
もうアメリカやメキシコ以外の南米系は厳しいかなと考えていた矢先の出来事だ。
ヘクター・ガルシア
16勝10KO無敗3NC
無敗だが3NCと不安定だった30歳、ガルシアが無印から躍動した。
トップアマでリオ五輪バンタム級に出場も初戦でベラルーシのドミトリー・アサナウに敗れた。無敗のディフェンスマスター、クリス・コルバートを代役のアップセットで破り頭角を現し、本来コルバートと戦う予定だったWBA王者ロジャー・グティエレスを下して正規王者となった。
この日のコルバートがいつもと違い、ディフェンス重視でなく攻撃的に出てきてどこか雑だった。いつも小さい相手が多かったが代役のガルシアはコルバートより体格がよかった。強引にねじ伏せよう、圧倒しようとおもったら跳ね返されてしまい。後半はダメージとスタミナを失いコルバートはヘロヘロという内容だった。コルバートがこうならシャクールも、とおもわせる何かはあったが、シャクールはこんな雑な試合運びはしないだろう。
ガルシアの目標はシャクール・スティーブンソンとの統一戦、ひとつ上の階級のジャーボンティー・デービス戦だそうだ。トップアマ由来の安定感とパンチもあるようにみえるが、まだまだ安定王者とはいえないガルシアがポテンシャルを発揮してアメリカのトップを打ち破るようなことがあれば痛快だ。
これは内山が長く保持していた王座だった。
アルベルト・プエジョ
21勝10KO
昔からプロスペクトとしてチェックはしていたが、暫定等の裏街道を経て決定戦で正規王座にたどり着いた。この王座は統一王者のジョシュ・テイラーが返上したものだ。
プエジョのお披露目といえる試合で、勝利は手にしたが、内容はアフメドフの勝ちにみえる、苦い勝利だ。長身サウスポーでパンチも切れ、柔軟で伸びと切れのあるパンチャーのようにみえるがトップレベルでは未だ判定型のアウトボクサーといえる。
この階級は強者が多く、いつまで王座を無敗を堅持できるかは不明だが、素材だけはとびっきりにいい。
よもや、1日で2人も誕生したドミニカの世界王者
どこまで長持ちするだろうか。
いつもいつも、素材は最高なので、大物を食って飛躍してほしいものだ。
ドミニカにとどまっていると、短命に終わりそうだ。