コロナウィルスによるイベント中止の波は収束するのだろうか。直近の試合はほぼ全てが延期となっており、この甘い計画も夢物語と言えるのかもしれない。
ボクシングの夏のスケジュールは不透明だが、予定通りに進めば魅力的なものもある。
ジャーボンティ・デービスは6月にロサンゼルスでレオ・サンタ・クルスとの対戦を交渉中だ。ショータイムのPPVとしてステープルズセンターで行われる可能性がある。デービス(23勝22KO)とサンタ・クルス(37勝19KO1敗1分)は対戦可能な立場にいる。デービスは両者が対戦する疑似ポスターをツイートしたほどだ。
デービスのプロモーターでメイウェザープロモーションのCEO、レオナルド・エレルベは、デービスの次の試合がPPV(有料放送)になると語った。対戦に向けて両者は契約体重を調整する必要がある。
サンタ・クルスは昨年11月にスーパーフェザー級デビューし、デービスが返上したWBAスーパーフェザー級のスーパー王者になり、4階級王者となった。
翌12月にデービスはライト級でユリオルキス・ガンボアに勝利し空位のWBAライト級王者になった。デービスはライト級の計量を一度失格し、2度目の計量でクリアした。
サンタ・クルスはスーパーフェザー級かライト級で対戦したいが、デービスの理想体重はスーパーライト級だろう。
サンタ・クルス
「ジャーボンティと戦えるなら、本当に一生懸命に努力します。フローレスとの試合とは比較にならないほどに。彼のプレッシャーに晒されることなく、4ラウンド過ぎれば彼は疲れて動きが落ちます。それからが私の主導権です。それが作戦です。」6月に試合が決まるとすれば、6日と13日が有力だ。
5月30日は、ニューヨークでワシル・ロマチェンコVSテオフィモ・ロペスが予定されており、6月20日はアンソニー・ジョシュアVSクブラト・プレフが予定されている。7月18日にはデオンティ・ワイルダーVSタイソン・フューリーも計画されているので、6月27日にデービスVSサンタ・クルスがあるとすればPPV過多になる。
コロナウィルスによるイベント中止の波は収束するのだろうか。直近の試合はほぼ全てが延期となっており、この甘い計画も夢物語と言えるのかもしれない。延期の試合が組まれるとしたらその後の予定にも狂いが生じるだろう。WBSSシーズン3は今年は拝めなさそうだ。
どこかで誰かが指摘していたが、この騒ぎはある種の経済的実験であるような気がしなくもない。世界恐慌、経済の停滞、こういう状況で得をする人や国はどこだろう。何かの計画があって突如、収束、終焉するような事でもない限り、我らが井上尚弥の次戦も含め、全く見通しが立たない。
しかしもしもうじき収束し正常に戻るとしたら、ジャーボンティ・デービスVSレオ・サンタ・クルスは実現する気がする。デービスにとっては美味しいキャリア構築、時間稼ぎであるといえ、4階級王者とはいえP4Pに顔を出さないレオ・サンタ・クルスはもう世界中のファンから見放されている。
サンタ・クルス
「僕は誰も恐れちゃいないってことを証明したい」
ファイターとして、この言葉に嘘はないはずだ。
今年こそ、パパや側近の安全路線に背いて矜持をみせる時だと信じている。