たった一度の敗北、または無敗のまま、いつのまにか消え去るかもしれないから、決着のその日まで見届けたいボクサーがいる。
ユーリ・アルバチャコフの再来と勝手におもっている。
キリル・レリク(ベラルーシ)
20勝18KO
ミンスクのマッド・ビー(Mad Bee)、20連勝までいった。
もう世界挑戦が視野に入ったといってもよいだろう。
地元でキャリアを積んでは限界だが、リッキー・ハットンプロモーションに入りチャンスを伺う。
それでも、たったひとつの地元判定気味の敗戦で同胞のセルゲイ・ラブチェンコが大きく後退している状況をみると相変わらず厳しいだろう。
チャンスは一回あるかないか?
最激戦区のSライト級、ビクトル・ポストルやエドゥワルド・トロヤノフスキーがベルトを持っている今こそまさにチャンスと言えるのかもしれない。
レリク19戦目
[youtube]https://youtu.be/9qSyqPvLBsc[/youtube]
妖艶でストリップのような照明
この選手もまたどこかデジャブな印象を受けたのだが、どうやらこれはユーリ・アルバチャコフの面影に似ている。
黒人とは違うしなやかさ、硬さと柔らかさの同居、サイボーグのようなモーション。
戦績ほどのパワー型ではないとおもう。相手と差があり、完全に見切った上で攻めきっているのでKOが多いだけだろう。
強い相手にここまで強気に攻めていけるとはおもえない。
筋肉質ともいえず、もうちょっと絞れそうな気もする。
けれど、いかにも東欧の旧共産圏ボクサーらしく徹底的に研ぎ澄まされ、全てのパンチにカウンターを合わせていく動き、
氷の意思を強く感じ、寒気がするようなゾクゾクするボクサーだ。
卓越した勘とプログラミングされたような動きで相手を見切っていくので時折大味なパンチを避け損なうことがある。
唯一の課題は上位世界ランカー相手にどのような試合をみせるかだ。
誰も知らない謎の国から、冷たい熱狂を巻き起こせるか?
大いに注目だ。
WBAインターコンチネンタルスーパーライト級チャンピオンだ。