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もうひとつのキンシャサの奇跡/ロレンガ・モック

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今日もデンマークのどこかで、規則正しく過ごしているだろう、モックの栄光を願ってやまない。

ロレンガ・モック(45歳プロキャリア27年)はデンマーク、コペンハーゲンで元世界王者ドミトリー・チュディノフをユナニマスで破り、キャリア最大の勝利をあげました。

モックの14歳になる息子は父を祝福したいのですが、モックには勝利の夜に別の予定がありました。

モック
「勝利の夜は誰もがパーティーだろうが、私は違います。ホテルに戻って眠ります。」

その控えめな生活、喫煙、飲酒、家族とナイトクラブで過ごす等をしない事が、彼のプロ生活を長くしています。それが31歳のチュディノフに勝った理由なのです。

エンジンが暖まるとよく走る老朽化したフォードと同様に、モックはスローながらもテンポを作りました。ラウンドが進むにつれて後退していったのはチュディノフの方でした。モックのジャブに対処できず最終ラウンドでは何度もマウスピースを吐き出しポイントを失っていきました。

チュディノフはWBAミドル級8位、WBCはスーパーミドル級にクレジットされています。2015年にはクリス・ユーバンクJrに敗れています。モックは現在11連勝中です。(2人の当時無敗選手も含みます)

モハメド・アリVSジョージ・フォアマンで有名なコンゴのキンシャサで生まれたモックは2000年代初頭にはヨーロッパの誰とでも戦う都合のいいアフリカンボクサーとして、後の世界王者のデビット・ヘイと戦ったりしました。(4ラウンドでTKOされますが、当時プロ初のダウンを奪っています)

2013年にエリック・スコグランドに敗れ、2014年は一度もリングに上がりませんでした。2015年、再びリングに戻る事を決意すると、支援者よりも反対者の方が多かった。

モック
「最初は誰も私を信じていなかった。年齢の事をいつも言われますが、私はこのスポーツのために規律を持っています。今、私は皆を納得させることができました。私が若いボクサーに勝利するのを見てショックを受けています。」

モックはバーナード・ホプキンスとジョージ・フォアマンにインスピレーションを得ています。

モック
「バーナードがビッグファイトを手にするには高齢になるまで待たねばならなかった。今の自分と同じです。」

46歳になる3か月前には世界ランク入りだけでなくタイトル戦がしたいとモックは言います。チュディノフ戦に勝てば次はタイロン・ツォイゲとのタイトルマッチだと言われていましたが、今のところツォイゲのチームからの返事は来ていません。

モック

「新王者のカレブ・トルアックス、ユーバンクJr、誰でもいいから挑戦したい。全ての王者と戦う準備は出来ています。」

1990年~2000年までのアフリカ時代は勝率のいい有望なボクサーであり
2000年~2013年までのヨーロッパ時代は勝ったり負けたり、否、カマセ犬のキャリアだ。

42勝13KO14敗1分
KO負けはヘイとの試合だけ。

2013年40歳の節目で当時無敗のエリック・スコグランドに負けで約2年のブランクがある。きっとこの頃、己の進退を下す岐路に立っていたのだろう。そして、誰もが反対する42歳での再起。しかしそこから11連勝で今に至る。

アフリカのコンゴからデンマークへ
灼熱の大地から極寒の地に移住した苦労もさることながら、モックのキャリアはまるで映画のようです。

今まで世界とは無縁であっても、18歳から己の人生の全てであったボクシング。ボクシングがあり、今の家族があり、今のデンマークでの生活がある。そんなボクシングを諦めるわけにはいかない。

ヘイ、効いとるなあぁ。グラグラや。

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プクー

プクー

原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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