大きなアンダードッグが噛みつく日/ロッキー・フィールディングVSサウル・アルバレス

絶対王者が負ける時、それはショックではありますが興奮のボルテージでもあります。ゴロフキン、コバレフ、村田、スティーブンソン、ドッグボー、彼らが負けた時は虚脱感を感じるとともに、ある種の清々しい気持ちにもなったのはなぜだろう。

ボクシングに、ボクシングだからこそ絶対はなく、その時はやってくるのだ。どこかで覚悟しているのかもしれない。この試合は、個人的には絶対的な存在が「そんなまさか」とくじかれる事を今年最後に目撃したいものの筆頭株である。

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WBA WBCミドル級王者のカネロ(50勝34KO1敗)とWBAスーパーミドル級王者のロッキー・フィールディング(27勝15KO1敗)はマジソンスクエアガーデンでメディアワークアウトを行った。

この試合はDAZNでライブ中継されます。

前座には

デビッド・レミューVSトレアノ・ジョンソン
サダム・アリVSマウリシオ・ヘレーラ

などが組まれています。

フィールディング
「最高に興奮している。こんな大舞台は初めてなので存分に楽しむつもりだ。みんなサイズの違いについて言及している。もちろん俺はそのアドバンテージを生かして戦うつもりだ。これは俺の階級なんだ。長いことスーパーミドル級でやってきたんだ。

体重はばっちりだしカネロもしっかり上げてくるだろう。ブックメーカーはお金を失うことになる。俺はドイツで、若い無敗のタイロン・ツォイゲの4度目の防衛戦ではアンダードッグだったんだ。あの時よりさらに進化した姿で再現してみせる。

土曜の夜はマウスピースをしっかり噛んでベストパフォーマンスを披露する。俺ならできる。相手がKOを狙って来る時が、俺のKOチャンスだ。ガードの隙をついて相手を打ち負かす。でもカネロは経験豊富でクレバーだからミステイクを犯さない。そんな時こそキャンプでやってきた成果が発揮されるだろう。」

デラホーヤやモズリーやトリニダードなど、このあたりの階級で大きな壁にぶち当たった現実、ホプキンスやロイ・ジョーンズ、アンドレ・ウォードはさらに大きな階級を制覇した現実・・・

懸念されるのはロッキー・フィールディングという新王者がまだ何も試されていない事だ。いきなりの大舞台を存分に楽しむのか緊張で舞い上がってガチガチになってしまうのか、そもそもどのくらい強いのか、フィールディングのキャリアをみると、カネロサイズの相手にSDなどの記録もあり、気になるところだ。

タイトルを獲った、前戦のタイロン・ツォイゲというのが、サイズ的にもスタイル的にもややカネロに似ているので改めて見直してみた。

https://www.youtube.com/watch?v=mveMEAZyjno

逆転KOとかでなく、堂々たるフィールディングの圧勝。序盤スピードは小柄なツォイゲがやや上だが、やはりフィールディングの体格が効いており、離れてはツォイゲのパンチは当たらず、接近してもフィールディングのコンパクトな連打、特に下からのボディやアッパーが強くて、ツォイゲは成す術なくなってしまった。

フィールディングは長い距離でも有利だが、強いのは接近戦でのコンビネーション。固いブロッキングで守りながら、下から横から出していくショートのアッパーやボディで反撃していく。下がるけど押す力も強くやはり小さなツォイゲとはナチュラルパワー、骨格が違い、本物のスーパーミドルだという貫禄がある。

これとカネロを比較してはいけないが、大まかには同じ展開、体力差を出すことができればアップセットもあるだろう。スピードやスキル、経験もカネロが上だけど、馬力と圧力が違う世界なんだというのを示すことができれば。

大きいけれどフィールディングという選手の強みは接近戦のしつこいコンビネーションにありそうです。

カネロには技術もパワーも感じるが、大きな試合はいつも判定が多い。
この試合も、判定になった時点でカネロが自動的に勝利するだろう。

嫌な展開はスーパーミドルサイズであったチャベスJr戦の再現。チャベスJrには荷が重かったろうが、単なるカネロのサンドバッグであった。

フィールディングにはカネロを強引にでも接近戦に巻き込んで、しつこいボディとアッパーで削ってもらいたい。これの相手がGGGならば、断然GGGが有利に感じていただろうが、カネロとなると謎が多くてわからなくなる。

フィールディングを応援します。

※カネロ嫌いを承知で読んでいただければ

https://www.youtube.com/watch?v=MzCkYUHvlRU

https://www.youtube.com/watch?v=LA_5jJbA1NI

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